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合唱【がっしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

合唱
がっしょう
chorus
多人数で歌われる演奏形態。普通2つ以上の声部をおのおの複数の歌唱者によって演奏する場合をいい,多人数であっても単旋律をユニゾン (同音) で歌う斉唱と区別される。合唱形態は声部の数によって分けられ (2部合唱,4部合唱) ,さらに声の種類によって分けられる (女声合唱男声合唱混声合唱) 。声楽一般の歴史と同様,合唱音楽も宗教音楽としてキリスト教とともに発達し,まずオルガヌムモテトの形態を生んだ。本来の合唱曲の発展は 14世紀に入ってからで,特にフランドル楽派において高度な発展を示した。パレストリーナの宗教合唱曲が,この時代の合唱曲の最も完成された一例。一方,世俗的合唱曲もこの頃盛んとなり,そのおもなものは多声のシャンソンマドリガルであった。バロック期にはカンタータオラトリオ受難曲などの新形式が形成され,宗教的合唱曲の果す役割が大きくなった。世俗的合唱曲もこの期に生じたオペラのなかで重要となり,古典派,ロマン派と移行するにつれて,オペラでの合唱の比重は次第に増大した。 19世紀以降オペラばかりでなく,交響曲など器楽作品のなかにも用いられることが多くなった。ベートーベンの『第9交響曲』をはじめ,ベルリオーズ,マーラーらにその例がみられる。現代の音楽においても合唱曲は数多く,また各地における多声部民謡にも注目すべきものが少くない。

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デジタル大辞泉

がっ‐しょう〔‐シヤウ〕【合唱】
[名](スル)
大ぜいの人が声を合わせて歌ったり、同じ文句を唱えたりすること。「賛美歌を合唱する」「万歳の合唱が起こる」
音楽で、二つ以上の声部を組み合わせて大ぜいで歌うこと。声部の数により三部・四部合唱など、また、男声・女声・混声合唱などに区別される。コーラス。→斉唱重唱独唱

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

がっしょう【合唱 chorus】
広義には集団による歌唱の形をいうが,狭義にはいくつかの声部に分かれて歌う形,とくにその各声部が複数の歌い手で歌われる形をさす。単一声部を複数の歌い手で歌う形態を斉唱(ユニゾン),各声部をそれぞれ1人で歌う形態を重唱,また独唱と合唱が掛合いをする形態を応唱,二つあるいはそれ以上のグループが互いに掛合いをする形態を交唱または複合唱という。一般に児童合唱,男声合唱,女声合唱,混成合唱があり,声部は2からあるが,ソプラノ,アルト,テノール,バスからなる混成4部が標準とされる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

がっしょう【合唱】
( 名 ) スル
〘音〙 いくつかの部に分かれた異なる声部を、複数の歌い手が受け持つ歌唱形式。同声(児童・女声・男声)合唱・混声合唱などがある。コーラス。 「二部-」 → 独唱斉唱重唱
声を合わせて同じ歌を歌ったり、同じ文句を唱えたりすること。 「応援歌の大-」 「万歳の-」

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日本大百科全書(ニッポニカ)

合唱
がっしょう
chorus ラテン語 英語
Chorドイツ語
choeurフランス語
coroイタリア語
集団による歌唱のこと。コーラス。一つの声部のみを複数の人々が歌う場合がもっとも単純な合唱の形態であるが、普通これは斉唱またはユニゾンとして区別することが多い。狭義の合唱は、複数の声部をそれぞれ複数の人々によって歌う形をいう。それには、声質の組合せ、声部の数によって、さまざまな可能性が考えられる。声質の組合せの種類は一般に、児童合唱、男声合唱、女声合唱、混声合唱に分けられる。いずれの場合も、声部の数は2声部からあるが、男声合唱は4声部、女声合唱は3声部、混声合唱は4声部(ソプラノ、アルト、テノール、バス)が標準的な形とされる。また2組の合唱を対比的に用いた二重合唱、あるいは3組以上の合唱による複合唱の形もしばしば用いられる。
 合唱の起源は古く、有史以前に、すでに程度の高い合唱が行われていたことは、記録などから明らかである。古代のエジプト、ユダヤ、ギリシアなどでも優れた合唱音楽が存在していた。たとえば、ギリシアの合唱はコロスとよばれ、劇のなかなどで単旋律の形で歌われた。初期キリスト教時代から中世にかけて、ヨーロッパでは単旋律による聖歌が盛んとなり、斉唱の形態による合唱音楽の黄金時代が現出した。中世中期ごろからは、多声による狭義の合唱が教会聖歌の一形態として生まれてくるが、13世紀ごろまでの多声聖歌は、各声部を1人ずつで歌う重唱の形が多かった。多声による本格的な合唱の形が一般化してくるのは、14世紀になってからとされている。
 このころから、合唱音楽は教会の典礼音楽の一つの重要な表現としてもてはやされるようになった。15世紀には、デュファイのミサ曲によって今日の概念による合唱様式が確立されるが、ジョスカン・デ・プレをはじめとする、15世紀末から16世紀にかけて活躍したフランドル楽派の作曲家たちが書いた宗教合唱曲によって、合唱音楽は黄金時代を迎えることになる。声部数は4声を中心として3声から6声、さらには8声、10声など多彩であったが、この時期の宗教合唱曲は、楽器で声部を重複させる場合が多く、人声のみによるいわゆるア・カペラ(a cappella=礼拝堂風に)の形はまれであった。ア・カペラの形は、16世紀の後半のローマで、パレストリーナのミサ曲やモテトゥスなどによって一般化した。16世紀には、シャンソン、マドリガーレ、フロットラなどの重唱の形による世俗曲が愛好されたが、今日ではこれらも合唱の形で歌うことがしばしばある。
 17世紀以後のバロック時代になると、合唱は器楽伴奏付きの大規模な形に変化していった。それまでのように、ミサ曲をはじめとするカトリックの典礼音楽で、このような大規模な形態の合唱曲が好まれただけでなく、ルター派のプロテスタント教会音楽の分野でも、同様の形による教会カンタータなどが盛んにつくられた。なかでもバッハの教会カンタータにおける合唱は、バロック時代の合唱曲の白眉(はくび)といえよう。またこの時代に初めて登場したオペラやオラトリオでも、合唱は重要な役割を果たしていた。とくにカリッシミによって確立され、ヘンデルによって最高潮に達したオラトリオは、合唱曲の宝庫である。
 しかし、18世紀後半の古典派の時代になると、音楽の中心ジャンルとして脚光を浴び始めた交響曲や室内楽曲などに押されて、合唱音楽の創作はあまり多く行われなくなる。それでも、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンの作品をはじめ、いくつかの優れた合唱曲が生み出された。
 19世紀に入ると、ふたたび合唱音楽がもてはやされるようになった。その背景には、中産市民階級の台頭という社会的なできごとがあったといえる。とくに、早くからこの現象がおこったイギリスでは、すでに18世紀ごろからアマチュア愛好家たちが彼らのためにつくられた世俗的合唱曲を歌っており、19世紀の合唱音楽の隆盛を準備していた。19世紀には、フランスやドイツでもアマチュア合唱運動が盛んとなり、そうした合唱団のために多くの作曲家が世俗合唱曲を書いた。それらのほとんどは無伴奏かピアノ伴奏のみによる小品であった。一方、管弦楽伴奏による大規模な合唱曲も、大作曲家たちによって多く書かれている。また、この時代の合唱曲として見逃せないのは、オペラのなかで歌われる合唱である。とくにベルディとワーグナーは、そのオペラで合唱を効果的に使用した。
 20世紀も、各国でさまざまな様式による合唱曲が生み出されている。形態も無伴奏から管弦楽伴奏付きの大規模なものまで多種多様で、合唱の種々の可能性が追究されているといえる。第二次世界大戦以後は日本における創作活動も盛んで、現代日本の作曲家たちによる優れた合唱作品が次々と生み出されてきている。これには学校音楽教育の一環としての合唱活動、そしてそれに伴って発展したアマチュア合唱団の活発な運動が背景にある。さらに一方では、各国の民謡やポピュラー音楽の合唱用編曲も盛んで、合唱音楽は現在ふたたび隆盛の時代を迎えつつあるといえよう。[今谷和徳]
『皆川達夫著『合唱音楽の歴史』(1965・全音楽譜出版社) ▽A・ジェイコブス編、平田勝・松平陽子訳『合唱音楽――その歴史と作品』(1980・全音楽譜出版社)』

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精選版 日本国語大辞典

がっ‐しょう ‥シャウ【合唱】
[1] 〘名〙
① 西洋音楽で、種々の声部を組み合わせた多声の集団による歌唱。男声、女声、混声などの別がある。コーラス。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一「二人とも女声の合唱(ガッシャウ)の中で見掛けましたかな」
② 複数の人が同一の旋律を声をそろえて歌うこと。斉唱(せいしょう)
※一家内の珍聞(1904)〈国木田独歩〉「今度は三人合唱(ガッシャウ)で手風琴に合はしながら」
[2] ベートーベン作曲の交響曲第九番ニ短調の通称。一八二三年完成。終楽章にシラーの「歓喜によす」の詩による合唱がついている。

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