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取消し【とりけし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

取消し
とりけし
民法上,一応有効とされる法律行為を,初めにさかのぼって無効にすること。たとえば親権者,後見人,保佐人の同意なしの行為無能力者の意思表示や,詐欺強迫による意思表示のように欠陥のある意思表示による法律行為は取消すことができる。取消しは表意者やその代理人など特定取消権者だけがすることができ,相手方への一方的意思表示 (単独行為 ) によって行われる。ただし取消権は一定の時期 (原則として行為のときから 20年,追認できるときから5年以内) に行使しなければ消滅し,その後は取消しはできない。また,取消権者が取消しをしない意思を表示 (追認) したときにも同様の結果となる。取消された法律行為は初めにさかのぼって無効となるが,善意の第三者には取消しの効果を主張できない場合もある (民法 96条3項,商法 519など) 。なお,無権代理行為や契約申込みの「取消し」などのように本来的には取消しではなく撤回というべき場合がある。また,裁判上でのみ「取消し」可能な場合や,婚姻,協議離婚の「取消し」また失踪宣告の「取消し」などの場合は,本来の取消しとは性質を異にする。

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デジタル大辞泉

とり‐けし【取(り)消し】
取り消すこと。撤回・解消すること。「予約の取り消しをする」「免許取り消し
公法上・私法上の意思表示または法律行為瑕疵(かし)のある場合に、当事者の一方的な意思表示でその効力を無効にすること。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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保険基礎用語集

取消し
契約の締結など法律行為に不備がある場合に、いったん有効に成立した契約の効力を一方的な意思表示によって、締結時にさかのぽって消滅させることを指します。

出典:みんなの生命保険アドバイザー
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世界大百科事典 第2版

とりけし【取消し】
民法上は,いったん有効になされた意思表示なり法律行為の効力をあとからなくする意思表示をいう。近代法は私人間の私法的法律関係を私人の自由な意思に基づき形成することを認める(私的自治の原則)が,そのための最も重要な手段は,意思表示を不可欠の構成要素とする法律行為である。ところで,法律行為が完全な効力を生じ,これを持続するためには,種々の要件を満たしていなければならない。ある法律行為が外形上存在していながら,その内容や成立過程に欠陥がある場合に,その行為の効力を無条件に認めることは,正義・公平の法の理念からみて適当ではない。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

取消し
とりけし
いったん発生している法律行為の効力を、あとから行為のときにさかのぼって消滅させること。たとえば、未成年や制限行為能力を理由としていったん締結した売買契約を取り消すと、契約は初めから結ばれなかったことになる。無効と似ているが、無効はだれでもいつでも主張できるのが原則である(そうでない場合もあり、この場合には、無効は取消しに近似する)のに対し、取消しの場合、取り消すまでは当該法律行為は有効であり、また、取り消しうる者は一定の者に限られる点で異なる。
 法律行為は、取消し原因がある場合に取り消すことができる。このような取り消しうる地位を取消権(形成権の一種)という。取消権者は制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人)、瑕疵(かし)ある意思表示をした者(詐欺・強迫による意思表示をした者)、その代理人、承継人、および制限行為能力者に同意をなすことができる者である(民法120条)。取消権行使の方法は、相手方に対する意思表示によってする(同法123条)。取り消すと法律行為は初めから無効であったものとみなされ(同法121条)、すでに給付がなされている場合には、原状回復がなされなければならない。このような取消権は、追認をなしうるときから5年間、行為のときから20年間これを行使しなければ、消滅する(同法126条)。
 なお、以上の原則的取消しのほか、贈与の取消し(同法550条)や夫婦間の契約の取消し(同法754条)のような特殊の取消し、詐害行為の取消し(同法424条)や身分行為(婚姻など)の取消しなどのような裁判上の取消しなどがあり、これらは前記の原則的取消しとは法律的性質が異なる。[淡路剛久]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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