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収束【しゅうそく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

収束
しゅうそく
convergence
収斂ともいう。数列級数関数などの収束がある。数列 {an}(n=1,2,…,n,…) が与えられたとき,一定の実数値αがあって,任意の正の数 ε に対し自然数 n0 が存在して,n0n ならば必ず |an-α|<ε となるとき,{an} はαに収束するという。これは,n を十分大きく ( n0 以上に) とりさえすれば,an がαに近似する誤差 |an-α| をいくらでも小さく ( ε 以下に) できる,という意味である。このαは {an} の極限値ともいわれ あるいは an→α(n→∞) と書く。数列 {an} が与えられたとき,Sna1a2+…+an(n=1,2,…) とおき,ここから新しい数列 {Sn} をつくった場合に,この数列が収束して有限な極限値 S をもてば,無限級数 a1a2+…+an+… は収束するといい,このときの極限値 S を,無限級数の和という。これを
と書く。数列の収束を拡張して,関数の収束を定義することができる。関数 yf(x) が 0<|xa|<r で定義されているとき,一定の実数αがあって,任意の正の数 ε に対し適当に δ<r を定めて,0<|xa|<δ ならば必ず |f(x)-α|<ε となるようにできるとき,f(x) はαに収束する。あるいは f(x) は xa において極限値αをもつという。この場合の δ は ε に対して定まる値である。記号では または f(x)→α(xa) と書き表わす。ただし,最近では,xa すなわち |xa|=0 を含めて,条件の 0<|xa| の部分を省く流儀もある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しゅう‐そく〔シウ‐〕【収束】
[名](スル)
分裂・混乱していたものが、まとまって収まりがつくこと。また、収まりをつけること。「事態の収束を図る」「争議が収束する」
数学で、ある値に限りなく近づくこと。収斂(しゅうれん)。⇔発散
㋐ある無限数列が、ある値にいくらでも近づくこと。
数列が、ある値に限りなく近づくこと。
級数の途中までの和が、ある値にいくらでも近い値をとること。
多くの光線が一点に集まること。収斂。集束。
海洋学で、流線が周囲から一点に向かって集まること。収斂

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

しゅうそく【収束 convergence】
(1)数列の収束 実数または複素数を項とする無限数列{an}(n=1,2,……)があって,項の番号nが限りなく増していくとき,対応する項anが一つの数αに限りなく近づく場合に,この数列は収束して極限値αをもつ,またはαに収束するといい,このことをで表す。例えば(2)点列の収束 距離ρが定義されている空間に,無限点列{pn}(n=1,2,……)があるとする。その空間に1点pがあって,距離の数列{ρ(pn,p)|n=1,2,……}が0に収束するとき,点列{pn}は距離ρに関して点pに収束するといい,点pを点列{pn}の極限点という。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しゅうそく【収束】
( 名 ) スル
おさまりがつくこと。収拾。 「争いが-する」 「事態は-に向かった」
〘数〙
数列の項がある一つの有限確定の値にいくらでも近づくこと。
無限級数の和が有限確定の値であること。
ある変数の値がある一つの有限確定の値にいくらでも近づくこと。
点列の項がある一つの定点にいくらでも近づくこと。収斂しゆうれん
発散
集束」に同じ。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

収束
しゅうそく
convergence
ある値に限りなく近づくことを表す数学用語。以前は収斂(しゅうれん)ともいった。[竹之内脩]

数列の収束

数列a1, a2,……, an,……において、添数のnが限りなく大きくなるとき、anの値がある値Aに限りなく近づくならば、anAに収束するという。Aをこの数列の極限値とよび、

と書く。収束しない数列は発散するという。数列の収束を論ずる際に基礎となるのは次の定理である。
(1)単調増加。有界な数列は、ある極限値に収束する。すなわち、a1a2≦‥‥‥であり(単調増加)、かつある定数Mがあって、すべてのnについてanM(上に有界)であるならば、ある値Aがあって、

となる。
(2)数列が基本列ならば収束する。基本列というのは、先のほうに行くにしたがってお互いどうしの差の絶対値がいくらでも小さくなるような数列のことである。[竹之内脩]

関数値の収束

一つの実変数の関数f(x)を考える。この関数がxaの近くで定義されているとする(xaでは定義されていてもいなくてもよい)。ある一定の数Aがあって、aに収束し、かつaと異なる数列x1, x2,……を任意にとったとき、

となるならば、これを「xaに近づくとき、f(x)はAに収束する」といい、

で表し、Aを、xaに近づくときの極限値という。さらにxaでありながらxaに近づくときの極限値が定義される。これを左側極限値といって、

あるいはf(a-0)で表す。同様に右側極限値

あるいはf(a+0)が定められる。f(x)がxaのときの極限値を有するための一つの条件はf(a-0), f(a+0)がともに存在して相等しいことである。
 以上は1変数の関数の場合であったが、同様のことは変数の数が多い場合(多変数関数)についてもいえるし、関数の値が高次元空間の点の場合(写像または変換)にも適用される。[竹之内脩]

関数列の収束

ある集合Dの上で定義された関数の列f1(x), f2(x),……があるとき、Dの任意の要素xに対して、数列f1(x), f2(x),……がつねに収束するならば、その極限値をxに対応させて一つの関数f(x)が得られる。この関数を極限関数といい、このとき、関数列f1(x), f2(x),……はf(x)に収束(あるいは、詳しくは各点収束)するといって、

で表す。関数列が各点収束するだけでは、極限関数の性質を十分に得ることができない。関数列の収束の議論には、一様収束および平均収束の概念が重要である。[竹之内脩]

εδ論法

以上述べてきたことは、収束についての概念的な論じ方であって、数学的に十分に精密な議論ではない。厳密には、収束を次のように定義して論じる。「数列a1, a2,……について、ある数Aがあって、どのようなε>0に対しても、自然数Nを適当にとれば、nNであるようなすべての自然数nに対して、|anA|≦εが成り立つとき、anAに収束するという」。また、数列a1, a2,……について、どのようなε>0に対しても、自然数Nを適当にとれば、n, mNであるようなすべての自然数nmに対して、|anam|≦εが成り立つとき、この数列を基本列あるいはコーシー列という。数列a1, a2,……がある数Aに収束するための必要十分条件は、それが基本列であることである。次に、xaの近くで定義された関数f(x)に対して、ある数Aがあって、どのようなε>0に対しても、適当にδ>0をとれば、|xa|≦δ, xaであるようなすべてのxに対して、|f(x)-A|≦εが成り立つとき、f(x)はAに収束するという。これは先に与えた定義と非常に異なるが、内容は同じことになる。収束についてのこのような形の厳密な論理展開は、17世紀イギリスの数学者ウォリスが初めてだといわれている。一般に用いられるようになったのは、19世紀中ごろからである。日本の数学教育のなかでは、大学の数学で初めて登場する。εとδを用いて論じられることが多いのでεδ(イプシロン・デルタ)論法という。[竹之内脩]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しゅう‐そく シウ‥【収束】
〘名〙
① 集めてたばねること。また、その状態。
※野火(1951)〈大岡昇平〉八「漏斗状の斜面の収束するところに木が生え」
② おさまりのつくこと。決着がつくこと。
※道草(1915)〈夏目漱石〉九六「云ふ事は散漫であった。〈略〉収束(シウソク)する所なく〈略〉仕舞に飽きた」
③ 数学で、関数、数列、級数に関して用いる語。
(イ) 関数の値がある値に限りなく近づくこと。関数 f(x) において、xがaに近づくとき f(x) が値bに限りなく近づくならば、関数 f(x) は、xがaに近づくときbに収束するという。
(ロ) 数列の項がある値bに限りなく近づくこと。このとき、その数列はbに収束するという。
(ハ) 級数 a1+a2+a3+… の途中までの和がある値bに限りなく近づくこと。このとき、その級数はbに収束するという。収斂。
④ 光線などの束が一点に集中すること。また、その状態。集束。収斂。
⑤ 将棋で、寄せのこと。

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