Rakuten infoseek

辞書

Infoseek辞書サービス終了のお知らせ

原子価【げんしか】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

原子価
げんしか
valence
化学結合に際して,ある原子が結合しうる水素原子水素と直接化合しない場合でも間接的に求められる。原子最外殻電子の数によって決る場合が多い。したがって,これらの電子を原子価電子または単に価電子と呼ぶ。原子価を化学結合の種類によって区別する場合,たとえばイオン結合の場合はまたはのイオン原子価,共有結合の場合は共有原子価などと呼ぶ。混成軌道で化学結合する場合のように,結合に方向性があるときは方向性原子価と呼ばれ,それによって分子立体構造が決る。原子量を原子価で割ったを当量という。 

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

げんし‐か【原子価】
ある原子または原子団が他の原子何個と結合しうるかを示す数。通常水素標準として、水素原子1個と結合する原子の原子価を1、2個と結合するものを2とし、水素と結合しないものは水素と結合する原子から間接的に決定する。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

げんしか【原子価 valence】
いろいろな化合物元素組成を調べると,ある元素の原子1個が他の元素の原子何個と結合しているかを知ることができる。このように化合物の中で結合している原子の数の比が決まっているのは,それぞれの原子が一定数の結合のための手のようなものをもっているからで,このような手の数をその原子の原子価という。水素原子1個に対し2個以上結合する原子がないので,水素原子Hの原子価を1とし,他の原子の原子価はその原子1個と結合しうる水素原子の数で決める。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

原子価
げんしか
valence

ある元素の原子がほかの元素の原子と結合する能力を表す数、すなわち原子量を当量で割った値である。基準には水素をとり、水素原子を1価とする。たとえば、塩化水素HClは塩素原子一つが水素原子一つと結合しているので、塩素原子の原子価は1価であり、水分子H2Oの結合からわかるように、酸素原子の原子価は2価である。同様に、窒素原子の原子価は、アンモニアNH3の結合からわかるように3価である。このようにみると、元素の周期表における族の数がそのまま原子価の値に対応するようにみえる。実際、第2周期の元素についてはおおむねこの考え方が対応する。

 すべての元素は水素と直接結合するとは限らないので、そのような場合には、塩素の原子価を1価、酸素のそれを2価として、それらとの化合物の原子数の比を求め、その元素の原子価を算出する。

 各元素の原子価には電気的な正負の区別をつけたほうが便利であり、元素の電気陰性度が正負の区別の目安となる。たとえば、水素原子の原子価を正の1価とすれば、酸素、塩素の原子価はそれぞれ負の2価、1価である。しかし、多くの元素は同時に正負の両原子価を示すことがある。たとえば、塩素の負原子価は塩化水素の結合から1価のみであるが、過塩素酸HClO4では塩素の原子価は正原子価7となる。このように、各元素の原子価はかならずしも一定の値をもたない。

 硫黄(いおう)の場合も同様で、硫化水素H2Sから負原子価は2価であるが、正原子価は2価、4価、6価をとりうる。

 原子価は原子の結合する能力であるが、原子が結合するその数のように考えてはならず、あくまでも単なる結合する割合である。しかし、炭素化合物(有機化学)を学習する際には原子価の概念がきわめて便利である。炭素の原子価を4、水素、酸素、窒素の原子価をそれぞれ1、2、3価とするとき、メタンはCH4であり、メタノール(メチルアルコールCH3OH)はメタンの水素の一つがヒドロキシ基-OHと置換したことが原子価の概念で容易に理解できるし、またメチルアミンCH3NH2はメチル基-CH3とアミノ基-NH2の結合からなることも官能基ごとの原子価を用いて容易に理解できる。

[下沢 隆]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

げんし‐か【原子価】
〘名〙 ある原子が他の原子何個と結合するかを表わす結合手の数で、分子を形成する原子相互の結合比を示す。ふつう、水素を基準にとり、水素原子n個と結合する元素の原子価をn価とし、直接水素と結合しないものは水素と結合する原子から間接的に決定される。〔電気訳語集(1893)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

原子価
ゲンシカ
valence

分子のなかで,ある元素の原子が形成しうる結合の数を,その元素の原子価という.水素の原子価を一価と定める.水素と化合する元素の原子価の価数は,この原子と結合している水素原子の数と同じになる.水素と化合しない元素の原子価は,化合する相手元素の原子価から間接的に定められる.原子価は,その元素の原子量を化学当量で割った値に等しい.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

原子価」の用語解説はコトバンクが提供しています。

原子価の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.