Rakuten infoseek

辞書

卵巣【らんそう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

卵巣
らんそう
ovary
女性性器の重要な部分で,骨盤内で子宮両側にある左右1の,平たい楕円形臓器。固有巣索によって子宮に結合され,表面はなめらかで,外側卵管に連なっている。卵巣の実質部は皮質髄質に分れ,皮質には多数の卵胞が含まれている。髄質には,血管リンパ管神経などがあって,卵巣の栄養を支配している。卵巣の機能には排卵内分泌があり,卵胞ホルモン,黄体ホルモンを分泌する。これら卵巣機能は,下垂体前葉から分泌される性腺刺激ホルモンによってコントロールされる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

らん‐そう〔‐サウ〕【卵巣】
動物の雌の生殖腺形成して排出し、またホルモンを分泌する。人間では子宮の左右両側にあるが、鳥類では右側が退化して左側だけ発達。→精巣

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

卵巣
 対で存在する女性の生殖腺で,卵を作り排出する.性ホルモンの産生器官でもある.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

らんそう【卵巣 ovarium】
動物において卵の形成を行う器官。雌雄異体の動物では雌個体に,雌性生殖腺として存在する。雌雄同体の動物では,精巣とは独立した器官として存在する場合と,両性腺hermaphroditic gland(卵精巣ともいう)として,同一の器官に精巣と共存している場合とがある。両性腺は,軟体動物の腹足類や斧足類,脊椎動物では魚類にその例が認められるが,一般に卵巣機能と精巣機能が同時に発現することはまれで,個体の発達段階に応じて,精巣機能が先に現れ後に卵巣として機能を開始する場合(雄性先熟),逆に卵巣機能が先行して,精巣機能が後から現れる場合(雌性先熟)が多い。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

らんそう【卵巣】
動物の雌の生殖腺。卵をつくり雌性ホルモンを分泌する。人間では子宮の両側に小指の大きさで一対あり、多数の卵胞を有してその中に卵子を含む。 ⇔ 精巣

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

卵巣
らんそう
脊椎(せきつい)動物と無脊椎動物の雌性個体に存在し、受精に関与する卵を形成し放出する生殖腺(せん)をいう。哺乳(ほにゅう)類では左右の卵巣とも発達するが、鳥類では右側の卵巣が退化的で、左側だけが著しく発達する。一般に卵黄の多い卵を形成する卵巣では、左右いずれかの卵巣が退化している動物が多い。哺乳類では子宮の末端がコイル状やらっぱ状の輸卵管になっていて、その輸卵管が卵巣と常時密着しているもの、あるいは排卵時だけ密着するものなどがあり、ここで受精するものが多い。哺乳類の卵巣は、卵を成熟させる濾胞(ろほう)、排卵後に濾胞が黄体化したもの、間質などからできている。濾胞や間質細胞は雌性ホルモンを、黄体は受精卵の着床や妊娠維持に必要なホルモンを分泌する。間質から雄性ホルモンを分泌する動物も多い。無脊椎動物の卵巣は1対だけとは限らず、各体節ごとに多数の卵巣をもつものや、放射相称に卵巣をもつものがある。卵巣は体腔(たいこう)上皮の生殖隆起からできるが、卵は卵黄嚢(のう)から移動してくる。[高杉 暹]

ヒトにおける卵巣

ヒトの卵巣は女性の生殖器で、男性の精巣(睾丸(こうがん))に相当する。所在部位は大骨盤と小骨盤の境となる骨盤分界線のやや下で、子宮の両側に位置している。卵巣は扁平(へんぺい)な楕円(だえん)体で、かなり固い実質性臓器である。肉眼的には赤みを帯びた灰白色をしている。大きさは、日本人の場合長さ2.5~3.5センチメートル、幅1.2~1.9センチメートル、厚さ0.6~1.1センチメートル、重さは4~10グラムであるが、年齢、機能状態、個人差などでさまざまに相違がある。卵巣の表面は性的成熟期前では平滑であるが、大きな卵胞(らんぽう)が発育を始めると卵巣表面は膨隆し始め、排卵によって瘢痕(はんこん)が形成されるため、凹凸が多くなる。しかし、排卵現象がなくなれば萎縮(いしゅく)状態となる。卵巣は、小骨盤内でその長軸をほとんど垂直に向けているが、経産女性ではその長軸が水平に近くなる。
 卵巣には内外2側面がある。内側面は骨盤腔(くう)に面し、その大部分は卵管に接している。外側面は骨盤壁に面している。また、後縁は遊離縁(自由縁)とよび、鈍円で強い隆起を示し、後内方を向くが、前縁は間膜縁とよび、直線に近く、前外方を向いている。間膜縁からは卵巣間膜が始まっている。間膜縁には血管や神経が出入する溝(みぞ)があり、卵巣門とよぶ。卵巣上端は卵巣端とよび、鈍縁となっているが、卵管漏斗(ろうと)に面し、卵管采(さい)に達している。卵巣下端は子宮端とよび、鋭く突出し、平滑筋を含む結合組織性の固有卵巣索(さく)によって子宮と連結している。卵巣の位置を固定しているのは、この固有卵巣索と、卵管端から骨盤側壁に張っている卵巣堤索(ていさく)である。
 卵巣の内部は、外側部の皮質と中心部の髄質とに分けられるが、髄質には卵巣支質とよぶ線維の多い結合組織が充満している。皮質にはさまざまな発育状態を示す卵胞が含まれるが、排卵近い胞状卵胞(直径200マイクロメートルの成熟卵細胞を含んでいる)が著しく大きくなると皮質全層を占めるほどになり、卵巣表面に膨隆する。排卵直前の卵胞を成熟卵胞(グラーフ卵胞)とよぶ。排卵されたあとは、大きな空隙(くうげき)内に周囲の血管から血液が流入し、内部を満たすが、まもなく吸収され、結合組織性の黄体(おうたい)ができる。黄体には黄体細胞が含まれるが、この細胞が黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する。卵が受精しないときには2~3週後には萎縮し、6~7週で消失してしまう(これを月経黄体という)。黄体が消失したあとに生じた瘢痕組織を白体(はくたい)という。卵が受精すると、黄体は発育して大きくなり、出産まで存在する(妊娠(にんしん)黄体という)。卵巣の中心部の髄質は柔らかい組織で、血管、リンパ管や神経が豊富である。
 卵巣組織には、新生女児であっても、左右で40万個ほどの原始卵胞がみられるが、性成熟期から月経閉鎖期までに排卵に達する卵胞は、およそ400個ほどにすぎないとされる。[嶋井和世]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

らん‐そう ‥サウ【卵巣】
〘名〙
① 動物の生殖器官の一つ。卵子を生じる器官で、無脊椎動物では体制により数および排列状態が異なる。脊椎動物では左右に一対ある。卵巣内の卵細胞は濾胞細胞にかこまれ成熟する。哺乳類では濾胞は脳下垂体前葉の濾胞刺激ホルモンの作用で成熟し、このホルモンと黄体ホルモンの相乗作用で排卵される。成熟卵巣は発情ホルモンを分泌し、排卵後は黄体ホルモンを分泌する。
※解体新書(1774)四「卵巣。其形平而鈍円。且有小丸子。多附之」
② 植物学で子房のことをいった。
※植学啓原(1833)一「植体之可於目徴者、凡三十四、〈略〉心蕋〈略〉之三部〈柱頭、花柱、卵巣〉」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

卵巣」の用語解説はコトバンクが提供しています。

卵巣の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.