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【いん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典


いん
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デジタル大辞泉

いん【印】
個人・団体・官職のしるしとして文書に押し、その責任や権威を証明するもの。木・竹・石・角・金属などに、文字や記章を彫ったもの。印形(いんぎょう)。判。はんこ。
《〈梵〉mudrāの訳。封印・標識の意》仏教で、手指をもってつくる種々の形。その形によって菩薩(ぼさつ)の悟りや誓願の内容などを象徴的に表す。密教では特に重んじられ、刀剣・蓮華などの持物(じぶつ)をもいう。印契(いんげい)。印相(いんぞう)。「を結ぶ」
忍術使いが術を行うときの指の組み方。
インド(印度)」の略。「日会談」

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いん【印】[漢字項目]
[音]イン(呉)(漢) [訓]しるし しるす
学習漢字]4年
〈イン〉
はんこ。「印鑑印章押印検印刻印極印実印代印調印捺印(なついん)封印拇印(ぼいん)烙印(らくいん)
版を押して刷る。「印行印刷影印
文字・形などをしるす。「印字印象
インド。「印欧語族蘭印
〈しるし(じるし)〉「旗印星印目印矢印
[名のり]あき・かね・しる

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かね【印】
牛馬などの家畜ももに押す焼き印。飼育地・飼い主・品位などを示す。かなやき。

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しるし【印/標/証】
他と紛れないための心覚えや、他人に合図するために、形や色などで表したもの。目じるし。「非常口の―」「持ち物に―をつける」
抽象的なものを表すための具体的な形。
㋐ある概念を象徴するもの。「平和の―の鳩」「純潔の―の白い衣装」
㋑(証)ある事実を証明するもの。証拠になるもの。「見学した―にスタンプを押す」
㋒(証)気持ちを形に表したもの。「感謝の―に記念品を贈る」「お近付きの―におひとついかがですか」
所属・家柄などを表すもの。記章・旗・紋所など。「会員の―」
(「璽」とも書く)
㋐官印。印綬。押し手。
「未だ―及び公財を動かさしめず」〈今昔・一〇・三〉
㋑三種の神器の一である、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)。神璽(しんじ)。
「今天皇のみ―を上(たてまつ)るべし」〈允恭紀〉
結納(ゆいのう)。
「―を厚く調へて送り納(い)れ、良き日をとりて婚儀(ことぶき)を催しけり」〈読・雨月・吉備津の釜〉
[下接語](じるし)合い印家印糸印馬印笠標(かさじるし)風標(かざじるし)木印袖標(そでじるし)爪(つま)印苗標(なえじるし)荷印墓標(はかじるし)旗印船(ふな)印星印無印目印矢印槍(やり)印

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じるし【印】
[接尾]人名や事物名の後半を略した形に付いて、その人や事物を遠まわしに言い表すのに用いる。
「丹―にかかるとまことに愚智だよ」〈人・梅児誉美・後〉

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世界大百科事典 第2版

いん【印】

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大辞林 第三版

いん【印】
木・竹・象牙ぞうげ・水牛の角・石・玉・水晶・金属などに文字を彫刻し、個人・官職・団体のしるしとして公私の文書に押し、証明とするもの。印章。印形いんぎよう。判。印判。はんこ。印鑑。
文書類に押された印影。 課長の-をもらう 捨て-
指を種々の形に折り曲げて、仏や菩薩ぼさつの悟りや力を象徴的に表すもの。手にする道具で示すこともある。特に、密教で重視する。印相。印契いんげい -を結ぶ
忍者が術を行うときに指を組み合わせること。

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かね【印】
飼い主・飼育地・品位などを表すために馬や牛などに押す焼き印。かなやき。 色葉字類抄

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じるし【印】
接尾
人名や事物名の下略形に付いて、その人や事物を遠まわしに言い表すのに用いる。 それはさうと、丹-はどうしたのだ/人情本・辰巳園

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日本大百科全書(ニッポニカ)


いん

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精選版 日本国語大辞典

いん【印】
〘名〙
① 判(はん)。木、角(つの)、鉱物、金属などに文字や図形を彫刻し、それに墨や印肉を付けて、文書などに押し、個人、官職、団体などのしるしとするもの。はんこ。印判。印形。印章。おしで。
※続日本紀‐慶雲四年(707)三月甲子「給鉄印于摂津伊勢等廿三国。使牧駒犢」 〔史記‐留侯世家〕
しるし。記号。
③ (mudrā 牟陀羅の訳語標識の意) 仏像の手指の示す特定な形。その種類によって仏、菩薩の悟りや誓願の内容が示される。密教では僧が本尊を観念し呪文を唱える時に、指でいろいろな形をつくること。また、その形。印相。印契。→印を作る印を結ぶ
茶道の蓋置(ふたおき)に用いた、名士の印章。〔南方録(17C後)〕
⑤ 「インド(印度)」の略。
[補注]①は、古く中国では、天子の用いるものを「璽(じ)」、臣のものを「印」として区別した。

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いん‐・す【印】
〘自他サ変〙 ⇒いんする(印)

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いん‐・する【印】
[1] 〘他サ変〙 いん・す 〘他サ変〙 (古くは「いんず」とも)
① 印や型を押す。
※俳諧・蕪村句集(1784)秋「一行の雁や端山に月を印す」 〔旧唐書‐職官志・三〕
② ある力などを加えたしるしを残す。あとをつける。
※正法眼蔵(1231‐53)出家功徳「剃髪染衣すれば、たとひ不持戒なれども無上大涅槃の印のために印せらるるなり」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九「吾が顔に印せられる痘痕の銘」 〔薛昭薀‐浣渓沙詞〕
③ 物の影や光などを他の物の上に投げかける。また、人の心に強い印象を与える。
※悪魔(1903)〈国木田独歩〉五「此時ほど我心に其清くして澄たる、意味ありげなる趣を印(イン)したことはないからである」 〔范成大‐丙戌登姑蘇台詩〕
④ 教えなどを人に強く吹きこむ。
※日蓮遺文‐守護国家論(1259)「一代聖教之外仏印迦葉此法
[2] 〘自サ変〙 いん・す 〘自サ変〙
① ある力の加わったしるしが残る。あとがつく。
※四河入海(17C前)八「屐をはいて遊だあとが苔に印して有ぞ」
② 物の影や光が他の物の上に現われる。
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉湘南雑筆「カイヅは隊をなして〈略〉水を游(およ)げば、其影ちらちらと底に印(イン)せり」
③ 仏語。師と弟子の心が一致する。会得開悟する。
※空華日用工夫略集‐永和三年(1377)五月二日「高野大師嘗印禅宗曰、以西天仏心東土仏心

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かね【印】
〘名〙 牛や馬の股におす焼き印。飼い主、飼育地、品位などを表わす。その形によって、琴柱(ことじ)、菴(いおり)、雀、目結(めゆい)、輪違(わちがい)、引両(ひきりょう)、四目結(よつめゆい)、丸、遠雁(とおがり)、鹿笛(ししぶえ)などの名がある。らくいん。かねやき。かなやき。
※尺素往来(1439‐64)「其印(カネ)鹿笛者北方、飛雀者南方、此内羽折雀・小雀、殊可御賞翫候」

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じるし【印】
〘接尾〙 人名や事物を表わす、ある語の後半を略した形に付けて、その人や物を遠まわしに表現するのに用いる。元来、近世の通人の間に用いられた言い方。「ワじるし」「フじるし」など。
※浮世草子・世間侍婢気質(1771)三「与印より おのぶどのへ」
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後「丹印(たんジルシ)にかかるとまことに愚智だョ」

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