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南シナ海【みなみシナかい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

南シナ海
みなみシナかい
Nan hai; South China Sea
太平洋西部の縁海の一つ。中国本土南部とインドシナ半島,ボルネオ,フィリピン諸島および台湾に囲まれる海域。北東の東シナ海とは台湾海峡,太平洋とはルソン海峡でつながり,ミンドロ海峡,バラバク海峡などによりスル海に,カリマタ海峡でジャワ海に,マラッカ海峡でインド洋に,それぞれ通じている。面積 232万 km2。平均水深約 1140m,最深部約 5015m。この海の北半は深く,南シナ海盆と呼ばれるが,南半は浅く,広い大陸棚が発達する。海底堆積物の特徴は火山灰の存在で,これは 1883年東インド諸島のクラカトア火山が爆発したときに,風と海流によって全海域に運搬されて沈殿したものである。シーチャン (西江) ,ソンコイ川,メコン川メナム川などが流入する。トンキン湾およびシャム湾があり,ハイナン (海南) 島をはじめ多くの島々がある。周辺にスワトウ (汕頭) ,コワンチョウ (広州) ,ホンコン,バンコク,シンガポール,マニラ,カオシュン (高雄) などの港がある。

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世界大百科事典 第2版

みなみしなかい【南シナ海 South China Sea】
中国では南海と呼ばれ,中国三大辺海の一つ。北は台湾および中国南部,東はフィリピン諸島,西はベトナムで囲まれ,ほぼ北緯10度線を境として南のボルネオ海とつらなる。面積約360万km2,中央部では深さ2000~4000mある。熱帯に位置し,珊瑚が繁殖して岩礁が形成されるのに適し,珊瑚礁島が多数ある。海底は一般に砂質で,南では泥がふえる。魚,エビなどを産し,トロール漁業が盛んである。【林 和生

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日本大百科全書(ニッポニカ)

南シナ海
みなみしなかい
South China Sea
中国の南方に広がる太平洋の付属海。中国では南海(なんかい/ナンハイ)とよぶ。西はインドシナ半島とマレー半島、東はフィリピン群島、南はボルネオ島に囲まれ、北は中国広東(カントン)省の南澳(なんおう)島と台湾島南端の鵞鑾鼻(がらんび)を結ぶ線で東シナ海と接する。面積約360万平方キロメートル、平均水深1140メートル。うち水深200メートル以浅の大陸棚に属する部分は、主として台湾と海南島を結ぶ線の北側と、メコン川河口とボルネオ島のサラワクを結ぶ線の西側に存在する。海底は比較的平坦(へいたん)で、広く砂質粘土または砂質の堆積(たいせき)物に覆われている。海上には中国が領有権を主張する800余りの島々が浮かぶが、海南島以外は小島ばかりである。これらの小島は東沙(とうさ)、西沙、中沙、南沙の四つの群島に分けられ、ほとんどサンゴ礁でできていて、東沙群島は広東省の、その他の群島は海南省の管轄下にある。また中国本土沿岸にも万山群島をはじめ多くの島々がある。熱帯の水域であるため、造礁サンゴが繁殖しているほか、魚の種類も多く860種を超える。また、サンゴ、タイマイ、天然真珠など熱帯特有の水産物に富む。さらに、クルマエビ、ムラサキイガイ、バンゴス(サバヒー)などの養殖も各地で行われている。[河野通博]

海況

海面の水温は、夏季には全域で29℃前後、冬季には北西沿岸部で18℃、中央部で27℃前後である。海流は季節風の影響を強く受け、南西モンスーンに覆われる夏季には時計回りの、また北東モンスーンに覆われる冬季には反時計回りの環流がみられる。最大流速はベトナム沖での2ノット程度である。沿岸での潮差は、フィリピン側では数十センチメートルと小さいが、インドシナ半島側では5メートルを超えるところもみられる。底質は砂または泥で、西側の大陸棚部は好漁場であるとともに、油田としても有望視されている。[長坂昂一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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