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千鳥【ちどり】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

千鳥
ちどり
(1) 狂言の曲名 古名を『はま千鳥』『津島祭』ともいう。各流。太郎冠者物。主人の命令で支払いの滞った酒屋へ行った太郎冠者が,渋る酒屋に伊勢の浜辺の千鳥の話から尾張の津島祭の模様を演じてみせ,酒樽をさらって逃げる。 (2) 地歌 本調子。繁太夫物。近松門左衛門作『平家女護島』の鬼界ヶ島の段,丹波小将と海女千鳥の別離の部分。 (3) 箏曲 吉沢検校作曲の『千鳥の曲』。 (4) 戯曲名 田中千禾夫作。3幕。 1959年 10月,千田是也演出によって俳優座初演。かつての豪農,貴族院議員で第2次世界大戦後没落した佐葦田光之進の,娘の不義によって生れた孫娘千鳥に対する強い愛と憎しみを描く。東野英治郎が好演した。

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デジタル大辞泉

ち‐どり【千鳥/×鵆】
チドリ目チドリ科の鳥の総称。約60種が南極を除く世界中に分布。くちばしは短く、足の指はふつう3本。海岸や河原で、少し歩いては地をつついてえさをとる。イルカチドリ・シロチドリケリコチドリなど。 冬》「星崎の闇を見よとや啼く―/芭蕉
たくさんの鳥。いろいろの鳥。ももどり。ももちどり。
「夕狩りに―踏み立て追ふごとに」〈・四〇一一〉
[補説]作品名別項。→千鳥

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ちどり【千鳥】[作品名]
狂言。太郎冠者が、千鳥を捕らえるまねや津島祭の話などをして酒屋の亭主の目をごまかし、酒樽(さかだる)を取って逃げる。
鈴木三重吉の処女小説。明治39年(1906)「ホトトギス」誌に発表した短編。夏目漱石が絶賛したことでも知られる。
田中千禾夫の戯曲。昭和34年(1959)、俳優座が初演。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション

ちどり【千鳥】
愛媛の日本酒。県産米と「名水百選」指定の「観音水」で仕込む。繊細で柔らかな酒質の「おなご酒」を目指す。大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒などがある。原料米は松山三井。蔵元の「宇都宮酒造」は明治43年(1910)創業。所在地は西予市宇和町卯之町。

出典:講談社
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世界大百科事典 第2版

ちどり【千鳥】
狂言の曲名。太郎冠者狂言。大蔵,和泉両流にある。主人は太郎冠者を呼び出し,支払いのとどこおっている酒屋へ行き,今度も代金なしに酒を買ってこいと言いつける。冠者は,酒屋が話好きなのにつけこみ,伊勢の浜辺で見た千鳥を伏せるところの話を始める。まず酒屋に〈浜(はんま)千鳥の友呼ぶ声は〉と囃させ,自分は〈チリチリヤ,チリチリ〉とうたいながら酒樽を千鳥に見立てて持って行こうとするが,酒屋に制止される。次に津島祭に山鉾(やまほこ)を引き回すようすを見せようと,これも酒樽を山鉾に見立てて綱で引き寄せるが失敗する。

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大辞林 第三版

ちどり【千鳥】
狂言の一。金なしで酒を求めるよう主人に命ぜられた太郎冠者は、すでに借りのある酒屋へ行き、千鳥を捕らえるまねや津島祭の話などをしてまんまと酒をせしめる。津島祭。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

千鳥
ちどり
狂言の曲名。太郎冠者(かじゃ)狂言。主人は太郎冠者(シテ)に、支払いのたまっている酒屋へ行ってまた代金なしに酒を求めてこいと言いつける。思案に暮れながらも酒屋に出向いた冠者は、なんとか言いくるめて樽(たる)に酒を詰めさせはしたが、さすがに酒屋も容易に樽を渡してくれない。そこで津島祭のようすを語って聞かせることにし、まず途中の浜辺で見た千鳥を伏せるところから始め、千鳥に見立てた酒樽(さかだる)を持って行こうとするが見破られる。次に山鉾(やまぼこ)を引くようすをみせようと、酒樽に綱をつけてたぐり寄せるが、これも失敗。今度は流鏑馬(やぶさめ)の模様をまねて、酒屋に人払いの役を与え、自分は射手になり馬に乗った体で走り回りながら、すきをみて酒樽を持って逃げて行く。以上は大蔵流の筋で、和泉(いずみ)流には山鉾のくだりはない。冠者の計略の成否がスリルを感じさせる、緻密(ちみつ)に構成された曲。津島祭は愛知県津島市の津島神社の祭礼でいまに伝わる。[林 和利]

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動植物名よみかた辞典 普及版

千鳥 (チドリ)
動物。チドリ科に属する鳥の総称

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精選版 日本国語大辞典

ち‐どり【千鳥】
[1]
① 多くの鳥。無数の鳥。ももどり。ももちどり。
※万葉(8C後)一七・四〇一一「朝猟に 五百つ鳥立て 暮(ゆふ)猟に 知登理(チドリ)踏み立て」
※吾妻鏡‐脱漏・嘉祿元年(1225)八月二日「御所侍内千鳥飛行。驚有御沙汰、及御占
② (多数で群をなして飛ぶところから) チドリ科の鳥の総称。ふつう、ムナグロ、ダイゼンなどを除き、主としてチドリ属の鳥をいう。全長一五~二〇センチメートルくらい。くちばしは比較的短く、先端がふくれている。あし指は三本だけで後指はない。体の下面が白く背面は灰褐色で、胸・頭部に黒斑のあるものが多い。海岸・河原などにすみ小動物を捕食。多くは渡り鳥で、日本で繁殖する種類にシロチドリ、コチドリ、イカルチドリなどがある。古来、詩歌などに詠まれ、人々に親しまれている。《季・冬》
※万葉(8C後)七・一一二三「佐保川の清き川原に鳴く知鳥(チどり)(かはず)と二つ忘れかねつも」
※源氏(1001‐14頃)須磨「例の、まどろまれぬあか月の空に、千とりいと哀になく」
③ チドリ科およびその近縁の科の鳥の総称。ふつうはチドリ類という形で使われる。ケリ類のように草原の地上棲のものもあるが、一般に水辺の鳥で、脚とくちばしはシギ類ほど長くない。ミヤコドリ、カニチドリ、イシチドリ、ツバメチドリ、ヒバリチドリなどの諸科がある。
④ 向き合った踊りの列で左右が交互に縫うように入れかわって踊ること。また、その踊り。特に、歌舞伎で、一人の人物を中心にして、多勢の者が一人ずつかかり右と左に縫うように入れかわる立ち回りをいう。
※歌舞伎・暫(1697)「皆々、千鳥に入替り、立役を囲って、思入、きっとなる」
⑤ 香木の名。分類は伽羅(きゃら)。香味は苦酸。六十一種名香の一つ。
※建部隆勝香之筆記(香道秘伝所収)(1573)「一、千鳥(チドリ)、聞上々の伽羅に御座候」
⑥ 遊里で、禿(かぶろ)の通り名として用いられた語。
※雑俳・柳多留‐四八(1809)「浅草へみどり千鳥の放生会」
※滑稽本・古今百馬鹿(1814)上「其手を両方の袖の中へ入れて押へるの、アレサ、手を鵆(チドリ)にして」
※雑俳・川柳評万句合‐天明三(1783)梅二「㒵はさる足は千鳥に人だかり」
[2]
[一] 狂言。各流。酒を断わられた太郎冠者は、酒屋に津島祭の千鳥や流鏑馬(やぶさめ)のことを仕形まじりに話し、油断しているすきに酒だるを取って逃げる。狂言記で「津島祭」、天正狂言本で「浜千鳥」。
[二] 地唄の曲名。
(イ) 二上がりもの。作者未詳。いろいろな千鳥をよみこんだ抒情的な曲。
(ロ) 繁太夫もの。本調子。近松門左衛門作の浄瑠璃「平家女護島」第二段鬼界が島の段の中の、丹波少将と海女の別離の部分の一節より作曲。
[三] 小説。鈴木三重吉作。明治三九年(一九〇六)発表。瀬戸内海のある島を舞台に、藤さんという美しい女性に寄せる淡い思慕を浪漫的香気高く描く。作者の処女作。
[四] 名物茶碗の一つ。のんこう七種の一つ。のんこうの黒楽茶碗中の白眉とみなされる。胴に千鳥を連想させる白釉の斑文が点存しているところからこの名がある。大阪、藤田美術館蔵。
[語誌](1)「万葉集」では、淡水の水辺に棲むものを詠んだものが多く、特に奈良市内の佐保川のものが詠まれ、後世まで続く。
(2)平安時代の和歌では海辺に棲(す)むものも詠むようになり、海の場合は月と、川の場合は霧と取り合わせ、鳴き声を聞いて物思いすると歌うことが多い。冬に日本にいる種は少ないが、冬の季語とするのは、「堀河百首」で冬の題としたことの影響か。
(3)鳴き声をチと聞いて、「しほの山さしでの磯に住む千鳥君がみ代をばやちよとぞ鳴く〈よみ人しらず〉」〔古今‐賀〕のように、祝賀の意を持たせることがある。後世には「チリチリ」〔虎明本狂言・千鳥〕、「チンチン」〔歌謡・松の葉‐三・ちんちんぶし〕と聞きなす。これらによれば語源は鳴き声からとするのが妥当か。
(4)浜などに印する足跡を取り上げることがあるのは、古代中国の蒼頡が鳥の跡を見て文字を作った故事によるとする説がある〔顕昭古今集註〕。

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