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十返舎一九【じっぺんしゃいっく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

十返舎一九
じっぺんしゃいっく
[生]明和2(1765).駿河,府中
[没]天保2(1831).8.7. 江戸
江戸時代後期の戯作者。本名,重田貞一。通称,与七。別号,十偏斎,酔斎など。町同心の次男。初め江戸で小田切土佐守に仕え,大坂に赴任,同地で職を辞し,材木屋の婿となるが離縁になり再び江戸へ帰った。大坂在住中に近松余七の名で浄瑠璃『木下蔭狭間 (このしたかげはざま) 合戦』 (1789) などを合作。江戸では書店蔦屋重三郎の居候となり,寛政7 (95) 年『心学時計草』を刊行,黄表紙界に進出,以後自作自画の黄表紙,合巻 (ごうかん) など数百部のほか,洒落本滑稽本,読本,人情本,狂歌などを手がけた。享和2 (1802) 年初編刊行の『東海道中膝栗毛』は 20年にわたって書き継がれるほどの好評を博し,中本形式の滑稽本の先駆となった。ほかに洒落本『野良 (やろう) の玉子』 (01) ,黄表紙『化物太平記』 (04) ,滑稽本『風流田舎草紙』 (04) など。

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デジタル大辞泉

じっぺんしゃ‐いっく【十返舎一九】
[1765~1831]江戸後期の戯作者駿河の人。本名、重田貞一。初め江戸に出て、のち大坂に行き、浄瑠璃の合作で文筆活動を始めた。江戸に戻り、洒落本黄表紙などを書き、滑稽本東海道中膝栗毛」で有名になった。他に人情本「清談峯初花」など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus

十返舎一九 じっぺんしゃ-いっく
1765-1831 江戸時代後期の戯作(げさく)者。
明和2年2月8日生まれ。武士の子といわれる。大坂で浄瑠璃(じょうるり)作者となり,寛政5年江戸にでて版元蔦屋(つたや)重三郎のもとで,黄表紙,洒落(しゃれ)本,読み本などをあらわし,滑稽(こっけい)本を得意とした。天保(てんぽう)2年8月7日死去。67歳。駿河(するが)(静岡県)出身。姓は重田。名は貞一(さだかつ)。幼名は市九。通称は与七。別号に酔斎など。著作に滑稽本「東海道中膝栗毛」「江之島土産」など。
【格言など】この世をばどりゃお暇(いとま)に線香の煙とともに灰左様なら(辞世)

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江戸・東京人物辞典

十返舎一九
1765〜1839(明和2年〜天保10年)【戯作者】歯切れのよいユーモアと諷刺で、傑作『東海道中膝栗毛』を著わす。 駿河国生まれ。本名は重田貞一。もとは奉行所に勤めていたが、で役職を辞し、浄瑠璃を修行。江戸の版元「蔦屋」の食客となり、黄表紙・合巻・洒落本・滑稽本・中本型読本・咄本など約400種を多作した作家。代表作は弥次さん北さんの滑稽な旅もの語り『東海道中膝栗毛』。江戸町人独特の歯切れのよい洒落とユーモアを描いた。戯作以外にも往来物、案文類などの実用書を著す。

出典:財団法人まちみらい千代田
監修:江戸東京博物館 都市歴史研究室長 北原 進
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世界大百科事典 第2版

じっぺんしゃいっく【十返舎一九】
1765‐1831(明和2‐天保2)
江戸後期の黄表紙・洒落本・滑稽本・合巻作者。本名は重田貞一,通称は与七。十偏舎,十遍舎とも書く。駿河府中で武士の子として生まれ,若くして江戸に出て武家奉公をするが,まもなく大坂に移り,商家の養子となり,25歳で浄瑠璃《木下蔭狭間合戦(このしたかげはざまがつせん)》(1789初演)を若竹笛躬(ふえみ),並木千柳と合作している。1794年(寛政6)江戸に帰り,書肆蔦屋重三郎方に寄食し,翌95年《心学時計草》など黄表紙3部を出版,戯作者として登場する。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じっぺんしゃいっく【十返舎一九】
1765~1831) 江戸後期の戯作者。本名重田貞一。駿河の人。江戸に出て武家に仕え、のち大坂に移り浄瑠璃を書くが名を成さず、江戸に戻り黄表紙・洒落本などを書き、滑稽本「東海道中膝栗毛」が大当たりし、以後多くの続編で人気を得た。式亭三馬とともに滑稽本の二大作家と称される。他に「心学時計草」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

十返舎一九
じっぺんしゃいっく
(1765―1831)
江戸後期の洒落本(しゃれぼん)、黄表紙(きびょうし)、滑稽本(こっけいぼん)、合巻(ごうかん)作者。本名重田貞一(しげたさだかず)、通称与七。十返舎は香道の十返(とがえ)しにちなみ、一九は幼名市九による。酔斎、十偏舎、十偏斎などとも号す。前半生の伝記は詳しくわからないが、駿府(すんぷ)で武家の子として生まれ、ある大名の家に仕えたがまもなく浪人し、23歳ごろ大坂で町奉行(まちぶぎょう)小田切土佐守(おだぎりとさのかみ)に仕えたというが、これもまもなく致仕したらしい。1789年(寛政1)近松余七の筆名で浄瑠璃(じょうるり)『木下蔭狭間合戦(きのしたかげはざまがっせん)』を若竹笛躬(ふえみ)、並木千柳と合作するが、94年江戸に出、翌年黄表紙『心学時計草(とけいぐさ)』以下3種を発表し、以後毎年20種近くの黄表紙を発表している。享和(きょうわ)(1801~04)に入っては洒落本も執筆するが、1802年(享和2)滑稽本『東海道中膝栗毛(ひざくりげ)』初編を出版した。読者の熱狂的歓迎を受けたこの作品は、22年(文政5)に完結するまで、21年間にわたって続編に続編を重ねて出版され続けた。この間、『道中膝栗毛』の作者として人気の高まるとともに、読本(よみほん)、人情本、咄本(はなしぼん)、滑稽本とあらゆるジャンルに筆を染め、黄表紙、合巻だけでも360種に達する作品を発表した、江戸時代の作家としては最大の多作家であった。読者の好尚に忠実にこたえようとした大衆作家としての姿勢からであり、同時に生活を筆で維持するためでもあった。事実、一九はその後半生を原稿料だけで生活をたて、そのためには戯作(げさく)以外にも、通俗的な庶民教科書としての往来案文類などを多数出版するとともに、また書肆(しょし)の依頼によっては素人(しろうと)作者の原稿を編集して出版し、名前を貸すなどしている。江戸後期の最大の大衆作家であった。天保(てんぽう)2年8月7日没。墓は東京都中央区の東陽院にある。[神保五彌]
『松田修著『十返舎一九――東海道中膝栗毛』(1973・淡交社)』

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367日誕生日大事典

十返舎一九 (じっぺんしゃいっく)
生年月日:1765年2月8日
江戸時代中期;後期の黄表紙・洒落本・合巻作者
1831年没

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精選版 日本国語大辞典

じっぺんしゃ‐いっく【十返舎一九】
江戸後期の戯作者。本名、重田貞一。別号、十遍舎・十遍斎・酔斎。はじめ大坂で、浄瑠璃作者として文筆にたずさわったが、寛政六年(一七九四)江戸に出て蔦屋(つたや)重三郎に寄食、翌年処女作の黄表紙「心学時計草」を発表。以後、洒落本、滑稽本、読本、咄本などにも筆を染め、健筆多作で知られた。著「東海道中膝栗毛」など。明和二~天保二年(一七六五‐一八三一

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