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医療保障【いりょうほしょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

医療保障
いりょうほしょう
明確な定義については現在まだ定説はないが,一般には,すべての人々に対し,いつでも,どこでも必要かつ十分な医療が受けられるよう保障することをいう。医療は今日,単に治療ばかりでなく,健康増進,疾病予防,リハビリテーションを含めて考えられるようになってきているが,こうした医療を,憲法第 25条に規定された「健康で文化的な……生活を営む権利」の一つとして保障することととらえるのが医療保障の基本的考え方といえる。こうした医療保障の実現には,医療保険公費負担医療,公衆衛生サービスの拡充,医療機関や医療従事者など医療供給体制の整備,確立などが必要になる。一方,社会保障を所得の不足による生活困難に対する経済保障,所得保障としてとらえる立場からは,医療保障も雇用保険や年金,手当などと同じく,所得保障の一環として一元的に位置づけようとする説もある。この説によれば,医療保障とは医療に要する費用を保障することで,医療保険や医療扶助などで足りるとされる。

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世界大百科事典 第2版

いりょうほしょう【医療保障】
すべての国民に対して必要な医療を提供する組織ないしは制度の総称。第2次大戦後の社会保障の普及・発展のなかからこの言葉が生まれたと考えてよく,国際的にはmedical care (system)という。社会保障制度の中心として所得保障をあげるときに,医療という固有の分野を主張することによって,医療保障という言葉と概念は成立する。すなわち,所得保障が家計への収入の減少・中絶・断絶に対して手当金一時金・年金で対応し,家計の収支均衡を安定させていく経済保障であるのに対し,医療は経済的保障というよりも人間の生命にかかわることとして理解されるゆえに,所得保障と異なる分野として医療保障が形成されると主張される。

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大辞林 第三版

いりょうほしょう【医療保障】
医療に関する社会保障。医療保険・医療扶助などのほか、医療サービスの確保などを含む場合もある。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

医療保障
いりょうほしょう
社会保障における医療に関する保障の総称。狭義には医療費の保障、広義には医療提供体制をも含む概念である。先進諸国の広義の医療保障について、政府が関与する程度によって類型化すると、医療費保障および医療供給体制ともに公的部門中心で大きく社会化した国(イギリス、北欧諸国)と、医療費保障は社会化しながらも医療提供体制は民間部門と公的部門を併存させている国(日本、ドイツ、フランス)、医療費保障および医療提供体制ともに民間部門の比重が高い国(アメリカ)に分けられる。また、公的な医療費保障システムについてみると、イギリスや北欧は税財源による保健サービス方式、日本、ドイツ、フランスは職業別に制度が分立した社会保険方式であり、アメリカは高齢者・障害者を対象とする社会保険(メディケア)と低所得者を対象にした医療扶助(メディケイド)があるのみである。
 日本の医療費保障は、全国民が医療保険制度に加入する国民皆保険体制を基本とし、これを補足する形で各種の公費負担医療制度(原爆被爆者援護法、感染症法、精神保健福祉法、生活保護法、障害者総合支援法、児童福祉法、母子保健法、難病法など)がある。また、医療提供体制では、一般診療所はほとんどが個人・医療法人などの民間で、病院も約8割(病床数では約7割)が民間である。[山崎泰彦]
『日本社会保障法学会編『医療保障法・介護保障法』(2001・法律文化社) ▽山崎泰彦・尾形裕也編著『医療制度改革と保険者機能』(2003・東洋経済新報社) ▽田中滋・二木立編著『医療制度改革の国際比較』(2007・勁草書房) ▽二木立著『医療改革――危機から希望へ』(2007・勁草書房) ▽二木立著『医療改革と財源選択』(2009・勁草書房) ▽西村淳著『社会保障の明日――日本と世界の潮流と課題』増補版(2010・ぎょうせい) ▽島崎謙治著『日本の医療――制度と政策』(2011・東京大学出版会) ▽真野俊樹著『入門 医療政策』(2012・中央公論新社) ▽松田晋哉著『医療のなにが問題なのか――超高齢社会日本の医療モデル』(2013・勁草書房) ▽池上直己著『医療・介護問題を読み解く』(2014・日本経済新聞出版社) ▽岩渕豊著『日本の医療――その仕組みと新たな展開』(2015・中央法規出版) ▽二木立著『地域包括ケアと地域医療連携』(2015・勁草書房) ▽島崎謙治著『医療政策を問いなおす――国民皆保険の将来』(2015・ちくま書房) ▽健康保険組合連合会編『図表で見る医療保障』各年版(ぎょうせい) ▽厚生労働統計協会編・刊『保険と年金の動向』各年版』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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