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労働協約【ろうどうきょうやく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

労働協約
ろうどうきょうやく
労働条件その他について,労働組合使用者との間に結ばれる書面協定協約事項は大きく2つに分けられる。1つは賃金労働時間など労働条件に関するもので,これらは規範的効力をもち,個々の労働者労働契約内容を直接に規律する (労働組合法 16) 。もう1つは組合員の範囲,ショップ制団体交渉,組合活動,争議など組合と使用者との関係に関するもので,これらは両者の間で債務的効力をもち,一方がこれに違反したときは,他方は対抗措置や賠償請求をすることができる。協約は書面に作成して両当事者署名または記名捺印しなければ効力を生ぜず (14条) ,また有効期間を定める場合は3年をこえることができない (15条) 。1つの工場,事業場で常時使用される同種の労働者の4分の3以上の労働者が,1つの労働協約の適用を受けるにいたったとき,その労働協約は当該工場,事業場で使用される同種の他の労働者にも適用される (一般的拘束力。 17条) 。労働協約と就業規則の規定が相違する場合は,労働協約の定めるところが優先する (労働基準法 92) 。

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デジタル大辞泉

ろうどう‐きょうやく〔ラウドウケフヤク〕【労働協約】
労働組合または労働者団体と、使用者またはその団体との間で、労働条件などについて締結する協定。労働基準法に基づいて労働者と使用者が結ぶ労使協定とは異なる。

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労働協約
・労働協約とは、使用者と労動組合との取り決め(約束)のことである。
・具体的には、規範的部分(賃金、労働時間、休日等の労働条件・待遇についての基準を定めた部分)と債務的部分(団体交渉のルール、組合活動に関すること等使用者との関係を定めた部分)について、交渉をし、出た結論・結果を書面にし、両当事者の署名又は記名押印をしたものである。
・労働協約の有効期間を3年以上に設定することはできない。また、有効期間を定めない場合、90日前までに労使どちらかが署名又は記名押印した文書により相手に予告をした場合解約することができる。
・労働協約はあくまで使用者と労働組合との取り決めであるため、労働組合が結成されていない企業では、労働協約を締結することはできない。
・労働協約は、労働契約(労働者の使用者の個別的な契約)、就業規則(使用者が作る会社のルール)より効力が強い。但し、労働協約に定められる労働条件等が、法律・省令政令に反したものであった場合、その部分は無効となり法律・省令・政令の内容が適用される。

出典:(株)アクティブアンドカンパニー

ナビゲート ビジネス基本用語集

労働協約
労働諸条件や労働組合の活動等について、労働組合が使用者と団体交渉を行い締結する協定のこと。 労働協約は、就業規則や労働契約(労働者と使用者が個別に締結するもの)に優先して効力を発揮する。 その有効期間は労使双方の約束によって定められるが、3年を超えて設定することはできない。

出典:ナビゲート
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世界大百科事典 第2版

ろうどうきょうやく【労働協約】
労働組合と使用者または使用者団体との間に労働条件その他の労働関係に関して締結される協定(契約)。まれには団体協約ともいう。
[労働協約と労働契約]
 労働協約も労働契約もともに両当事者の合意に基づいて成立する契約であるが,次のような相違がある。すなわち労働協約は労働組合という団体自体と使用者または使用者団体とを当事者(主体)として締結されるものであり,労働契約は個々の労働者と個々の使用者とを当事者として締結されるものである点において両者は区別される。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ろうどうきょうやく【労働協約】
労働組合または労働者団体と使用者またはその団体との間で交わされる、賃金・労働時間などの労働条件についての協定。労協。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

労働協約
ろうどうきょうやく
労働組合と使用者(またはその団体)との間で締結された、労働条件その他についての取決めをいう。

意義と機能

労働者は、個別に使用者と向かい合ったのではどうしても使用者のいうままの労働条件に従わざるをえない立場にある。また労働者同士が足の引っ張り合いをして労働条件を引き下げることも生じる。こうしたことを防ぐため、労働者は団結して労働組合を結成し、労働組合を通して使用者と労働条件などにつき交渉し取り決めるようになる。この団体交渉の結果、労働組合と使用者(またはその団体)との間で結ばれた取決めが労働協約である。労働者の労働条件は、当該労働者と使用者とが結んだ労働契約によって定められるのが原則であるが、労働組合が団結の力を背景に結んだ労働協約が存在する場合は後者が優先する。
 労働協約は、労働者側に労働条件の向上と組合活動上の諸権利の確立をもたらすとともに、労働組合の組織強化・拡大にも役だつ。同時に使用者側にとっても、取り決められた事項に関して紛争を回避することができ、労使関係の安定がもたらされるとともに、労働協約が地域・職種単位で結ばれると使用者相互の競争条件が均一化されることにもなる。とりわけ、産業別、職種別の超企業的労働組合が支配的な諸外国においては、労働協約は産業・職種の労働条件の最低基準を定めることになり、その社会的機能は大きい。日本の場合は、一般に労働組合が企業別に組織されている関係で労働協約も企業単位で締結されている。このため労働協約が広く産業や職種の労働条件を規制する状態になっていない。また、同一企業内でも非正規従業員に適用されないとか、中小規模の企業での労働協約締結率がきわめて低いなどの問題が存在する。[木下秀雄・吉田美喜夫]

締結

労働協約の締結当事者は労働組合と使用者またはその団体である。特定独立行政法人および国有林野事業、ならびに地方公営企業の労働組合も労働協約を締結することができるが、国家公務員法、地方公務員法の適用を受ける労働組合は労働協約の締結を認められていない。労働組合という場合、連合団体や労働組合の支部・分会も含まれる。労働協約の形式は、書面に作成することが必要で、両当事者の署名または記名・押印によって発効するとされている(労働組合法14条)。協約に有効期間を定める必要はないが、これを定める場合は3年を超えることはできない(同法15条)。[木下秀雄・吉田美喜夫]

効力

労働協約は規範的効力と債務的効力を有する。企業内の法規範としての効力である規範的効力のなかでもっとも重要な内容は「不可変的効力」とよばれる。これは、労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分を無効にし、無効になった部分および労働契約に定めのない部分について労働協約の基準に従ってその内容を決定する効力(労働組合法16条)である。たとえば、労働協約で最低保障賃金月20万円と定めていた場合、個々の労働契約で15万円の賃金を定めていてもその部分は無効となり、少なくとも20万円の賃金が労働契約上の賃金となるのである。またこの協約の労働条件基準を決定する効力は就業規則の定めにも優越する(労働基準法92条)。労働者の解雇などの人事に関する条項ないし協定にも規範的効力が認められ、これに違反する人事の効力は否定される。なお、労働協約の基準より有利な労働条件を個別の労働契約で定めた場合については争いがある。「抜け駆け」を許さないほうが労働組合の団結を守るうえで正当であるとする説と、協約は最低基準を定めるにとどまり、これを上回る分については認められるとする説とが対立している。
 労働協約の債務的効力とは、規範的効力のように当然に労働契約の一部を無効にしたり補充する効力ではなく、協約も一種の契約であるとして、遵守しない場合に協約当事者相互に債務不履行の責任が生じるような効力である。協約当事者が、協約存続中、協約で定めた事項について争ってはならないといういわゆる平和義務や、ユニオン・ショップ条項は債務的効力を有すると考えられ、これらの規定や義務に違反した場合は、損害賠償および協約の解除が可能となる。[木下秀雄・吉田美喜夫]

一般的拘束力

労働協約の規範的効力が拡張され、協約締結組合の組合員ないし使用者以外の者を拘束する効力を「一般的拘束力」という。日本では、ある工場・事業場に常時使用されている同種の労働者の4分の3以上の者が一つの労働協約の適用を受けるようになったとき、当該工場・事業場に使用される他の同種の労働者にも当該労働協約が適用される(労働組合法17条)。また、一定地域の同種の労働者の大部分が一つの労働協約の適用を受けるに至ったときにも、協約当事者の申立てに基づき、労働委員会の決議と厚生労働大臣または知事の決定により当該地域における他の同種の労働者および使用者に当該労働協約が適用される(同法18条)。[木下秀雄・吉田美喜夫]
『日本労働法学会編『現代労働法講座6 労働協約』(1981・総合労働研究所) ▽青木宗也ほか編『労働判例大系14 労働協約・就業規則』(1991・労働旬報社) ▽労働省労政局労働法規課編『よくわかる労働協約』(2000・労務行政研究所) ▽日本労働法学会編『講座21世紀の労働法3 労働条件の決定と変更』(2000・有斐閣) ▽厚生労働省政策統括官編『労働協約等の実態 現状分析から規定例まで』(2001・労務行政研究所) ▽萱谷一郎著『労働協約論』(2002・信山社) ▽古川景一・川口美貴著『労働協約と地域的拡張適用』(2011・信山社出版)』

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精選版 日本国語大辞典

ろうどう‐きょうやく ラウドウケフヤク【労働協約】
〘名〙 使用者またはその団体と、労働組合との間で結ばれる賃金・労働時間などの労働条件の基準を定めた協定。〔労働組合法(1949)〕

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