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力学【りきがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

力学
りきがく
mechanics
物体に働く力と運動との関係を論じる物理学の部門。力学は最初に発展した精密物理学であって,巨視的な物体に対する古典力学は 19世紀に完成し,微視的な系に対する量子力学は 20世紀に展開された。古典力学は G.ガリレイ,I.ニュートンに基礎づけられ,その初歩的な形式をニュートン力学,これを数学的に整備した形式を解析力学という。量子力学には W.ハイゼンベルクが提案した行列力学と E.シュレーディンガーが提案した波動力学の2形式がある。しかし,両者は同等であることが明らかとなって量子力学と総称されている。力学は種々の立場から以下のように分類される。まず,物体が静止しているときの力の釣合いを論じる分野を静力学,力が作用したときの物体の運動を論じる分野を動力学という。また,力の効果は考えないで物体の運動の様子を記述するだけの幾何学を運動学という。対象とする物体に応じた分類には,質点力学質点系力学,剛体の力学弾性体力学,流体力学などがあり,弾性体や流体のような連続体の力学は場の理論とも呼ばれる。応用対象による分類には,天体の軌道を論じる天体力学,砲弾やロケットの軌道を論じる弾道学,振動に関する振動学音響学などがある。また工学への応用は応用力学と総称され,空気力学水理学材料力学構造力学,機械力学などに細分される。古典力学も量子力学も,運動物体の速さに応じて相対論的力学と非相対論的力学とに分類され,前者は光の速度に近い高速物体に適用される。また,非常に多数の微視的な同種の粒子の集団の運動を統計的に論じるものに統計力学があり,これを用いて巨視的な物体の物理的性質を論じることができる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

りき‐がく【力学】
物体間に働く力と運動との関係を研究する物理学の一分野。ガリレイニュートンによって古典力学が完成。熱学電磁気学の確立後は熱力学・電磁力学が発展し、統計力学相対論的力学量子力学が開かれた。狭義には古典力学をさしていう。ダイナミックス
個人や団体などがそれぞれ持っている影響力のかかわりぐあい。力関係。ダイナミックス。「派閥間の力学が変化する」
[補説]書名別項→力学

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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りきがく【力学】[書名]
《〈ラテン〉Mechanica》スイスの数学者、オイラーの著作。1736年刊行。全2巻。第1巻では自由運動、第2巻では束縛運動を中心に論じる。

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世界大百科事典 第2版

りきがく【力学 mechanics】
物体に働く力とそれによって起こる運動もしくはその変化との間の関係を論ずる学問。運動やその変化が生じないような場面,すなわち複数の力の平衡関係を論ずる場合を静力学statics,そうでない場合を動力学dynamicsとして区別することもある。また,もっぱら運動の状態を記述することに場面を限定し,運動(とその変化)の原因としての力をもち出さない場合を運動学kinematicsと呼ぶ。英語においてmechanicsがそうした意味で用いられるようになったのは17世紀で,dynamicsははるかに後世(19世紀)の使用である。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

りきがく【力学】
物理学の一部門。物体にはたらく力と物体の運動との関係を研究する。力の平衡を論ずる静力学、力と運動との関係を論ずる動力学、運動だけを論ずる運動学がある。古代ギリシャに研究の萌芽がみられる。ガリレイやニュートンによって基礎が完成された古典力学は、自然現象を数理的手段によって分析しようとする自然科学の研究方法の典型とみなされた。狭義には古典力学をさすが、広義には統計力学や相対論的力学、また、量子力学などをも含めていう。
状況が変化し始めると、新しいつり合いを求めて組織・集団・個人などにはたらく力。ダイナミックス。 「群集心理の-」 「政治の-」
努力して学ぶこと。りょくがく。 「その英才を以て-せしにより/西国立志編 正直」 〔が原義。「工学字彙」(1886年)に英語 dynamics の訳語として載る〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)

力学
りきがく
mechanics
物体に力が働いたときどのような運動を行うか、運動の原因としての力とそれによる運動に関する法則を明らかにする学問で、自然の構造を解明するうえでもっとも基本的な役割をもつ。17世紀末ニュートンによって、慣性の法則、運動の法則、作用・反作用の法則の三法則として確立された。20世紀になって、光速度に近い速さで運動する物体については相対論として、また原子のような微視的粒子については量子力学として発展し、それぞれの体系ができあがっている。通常、相対論・量子力学を含めない力学をニュートン力学、相対論まで含めて古典力学とよぶ。ニュートン力学は剛体、弾性体、流体などにも適用され、それぞれの力学の分野が形成されている。また統計力学は、非常に多数の粒子の集合体に適用し統計的にその集合体の総括的な性質を導くものである。以下では、ニュートン力学に限る。
 ギリシア時代に、土木・建築工事などを通じて、てこ・斜面・浮力などに関する静止した物体の力のつり合いについては、定量的な認識がかなり得られ、静力学とよばれる力学の分野がほぼできあがった。物体の運動を扱う動力学については、当時の人力・畜力のような接触力と摩擦の多い運動の経験からでは表面的な認識しか得られなかった。また天体運行の動因を自然界そのものに帰す考えには、自然哲学は別として、到達できなかった。16世紀ころ、生産技術の発達とともに技術・科学に従事する人々の層も広がり、17世紀には実験・観測手段が発達した。コペルニクスは天体運行の記述の数学的簡潔さと合理性から地動説を唱え、ガリレイは望遠鏡により他の惑星の地球との類似性を直接観測し、ケプラーはティコ・ブラーエの残した精密な観測データから、惑星運動について、太陽を焦点とする楕円(だえん)軌道であることなど三つの法則を発見した。ガリレイは物体の運動を実験的に調べ、落下の法則や慣性の法則をみいだした。ニュートンはこれらの成果のうえに、地上の物体と天体の運動とを統一することによって、万有引力を発見するとともに、力学の体系を三つの法則に定式化した。仮説と実証、分析と総合など体系的認識の手法が用いられることにより、力学が近代科学として初めて成立した。力学は、多くの実験や生産への適用によってその正しさが確かめられ、19世紀には解析力学として体系的に整備された。またそれに伴い、自然の現象がすべて力学の法則に基づいて決定されているとする力学的自然観を生んだ。
 慣性の法則は、物体は外部からの影響が及ばないという極限の状況では、静止または等速直線運動の状態を続けるということを述べたものである。慣性の法則は、物体の運動がそのように記述される座標系が存在することを主張しており、その座標系を慣性系という。慣性系を基準にしたときに、物体のその状況からの変化を引き起こすものが力である。この運動の変化は加速度aによって表されるので、加速度を生じる原因として力を規定している。同じ力が働いても、生じる加速度が物体によって異なるので、各物体はそれぞれ固有の質量mをもつとし、このときの力をFとすると、運動の法則はma=Fという量的関係式で表される。mは同じ力に対して加速度と逆比例の関係にあり、物体の慣性の大小を示しているので慣性質量とよばれる。初期条件が与えられると、この関係式から運動が定まる。作用・反作用の法則は、2個の物体が相互に及ぼし合う力は両者を結ぶ直線方向に働き、それぞれ大きさは等しく向きは反対であることを内容としている。外部からの力が働かない集合体全体の運動量や角運動量は保存するが、これは作用・反作用の法則の現れである。[永田 忍]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

りき‐がく【力学】
〘名〙
① 物体間に作用する力と運動との関係を論ずる学問。一七世紀末ニュートンによって力や質量の概念がとり入れられ、物理学の基礎分野として確立された。大別して、力の平衡を論ずる静力学と運動に関する動力学とがあり、剛体の力学・弾性体の力学・流体力学・熱力学・電磁力学などに分けられる。また、二〇世紀にはいって相対論力学や量子力学が発展した。
※佐久間象山上書稿‐文久二年(1862)九月「力学、器学を興し、外蕃の通り便利の器械をも製し候て、人力を助け」
② 転じて、組織や集団などで、状況の変化により新たなつり合いを求めて働く力。
搦手から(1915)〈長谷川如是閑〉病める革命家の日記から「実際の勝敗は道学や法学によって決せられずして力学(リキガク)に依って決せられてゐる」
[語誌]英語 mechanics (機械学)と dynamics (動力学)の訳語。当初、mechanics は中国での訳語「重学」のほかに、「器械学」〔英和対訳袖珍辞書〕などとも訳され、dynamics は「動学」〔哲学字彙〕などとも訳された。

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りょく‐がく【力学】
〘名〙
① (━する) 努力して学ぶこと。一所懸命学問をすること。
※日本詩史(1771)三「緊苦力学、志節凜凜」 〔白居易‐悲哉行〕
② =りきがく(力学)〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕

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