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剰余類【じょうよるい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

剰余類
じょうよるい
residue class
(1) について  H を群 G の1つの部分群,aG の任意の元とするとき,H の任意の元 ha の積 ha のすべてから成る集合 {hahH} を,a による右剰余類といい,Ha で表わす。また積 ah から成る集合を左剰余類といい,aH で表わす。単位元 eH に含まれているから,aaeea となり,aHa にも aH にも含まれる。それゆえ,G のどのような元 a をとっても,それを含む右剰余類もあれば,左剰余類もある。右剰余類と左剰余類は,HG の正規部分群であるとき一致するので,単に剰余類というときは,この場合をさす。2つの右剰余類,左剰余類は,完全に一致するか,または共通元をもたないかのいずれかである。それゆえ,GH に関して,いくつかの互いに共通元をもたない右剰余類,左剰余類に分解することができる。分解によって得られた,G における H の異なる右剰余類の個数は,異なる左剰余類の個数に等しい。この等しい個数を H の指数という。 G が有限群のとき,この H の指数と H の位数との積は,G の位数に等しくなる。 (2) 整数について 整数全体の加法群を G ,整数 m の倍数から成る G の部分群を mG とする。 G の任意の元 r に対し,r を含む剰余類は mGr={maraG} である。ところで mar は,0≦r1m である整数 r1 と適当な整数 n を選べば,(mn)ar1 に等しくできるから,mGrmGr1 が成り立つ。したがって mG による G の剰余類は,次の m 個に類別することができる。すなわち mGmG+1,mG+2,…,mG+(m-1) 。このことは,ある整数を m で割ると剰余 r は,0,1,2,…,m-1 のいずれかであり,m で割ったときの剰余が r であるような整数全体の集合を,mar で表わせば,これに属する整数は mar の形になるから,どんな整数でも重複せずに,mGmG+1,mG+2,…,mG+(m-1) のどれかに属するということを示している。これらを m を法とする剰余類という。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

じょうよるい【剰余類】

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

剰余類
じょうよるい
整数論の一つの基本概念。mを正の整数とし、整数の集合をZとする。集合Zを次のようなm個の部分集合に分ける。
 C (0)={……,-2m,-m, 0, m, 2m,……}
 C (1)={……,-2m+1,-m+1, 1, m+1, 2m+1,……}
 C (2)={……,-2m+2,-m+2, 2, m+2, 2m+2,……}
       ……………
 C (m-1)={……,-m-1,-1, m-1, 2m-1,……}
正の整数mを与えると、整数の集合Zはこのようなm個の部分集合に分けられ、この部分集合を、mを法とする剰余類という。
 整数abが同じ剰余類に入るとは、abmで割り切れるということであり、ガウスはこれをab(modm)で表し、abmを法として合同であると名づけた。modはmodulusの略で、モジュラスと読む。合同式については次のことが成り立つ。
 ab (modm), cd (modm)
  ならば
 acbd, acbd, acbd (modm)
しかしa/cは整数とは限らないので、割り算については同様なことはいえない。整数abに対してaxbとなる整数xが存在するのは、abの約数のときであるが、axb(modm)となるxが存在するのは、amの最大公約数がbの約数となるときである。合同式で重要なのは、mが素数pのときである。とくに二次の不定方程式に関連して、pと互いに素な整数aに対して
 x2a (modp)
となるxが存在するか否かが問題になる。pが3以上の素数のとき、pと互いに素な剰余類
 C (1),……, C(p-1)
は全部でp-1個あり、(p-1)/2個の剰余類に属する整数aに対して解をもち、そのようなapを法とする平方剰余であるといわれる。なお、素数pについての次の結果はウィルソンの定理として知られている。
 (p-1)!≡-1 (modp)[寺田文行]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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