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判例【ハンレイ】

デジタル大辞泉

はん‐れい【判例】
裁判の先例のこと。裁判所が特定の訴訟事件に対して下した判断同種の事件を裁判するさいの先例となるもの。判決例

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世界大百科事典 第2版

はんれい【判例】
先例としての価値を有する裁判を判例という。類似した事件についてある裁判所が下した判断が同一のまたは他の裁判所が後に判断するに当たって参考になることは当然であり,弁護士や当事者本人が裁判の予測を試みるに際して重要な資料となる。類似の事実関係について類似の判決が出ることは,法の安定のために重要であり,法の下における平等を求める市民的理念や裁判の予測可能性を求める企業的要請にも合致する。 この意味において,近代法の下では,先に行われた裁判は多かれ少なかれ,後に行われる裁判に対して拘束力を持つ。

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大辞林 第三版

はんれい【判例】
過去の裁判において、裁判所が示した判断。特に最高裁判所が示した判断のことを指すこともある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

判例
はんれい
先例として一般性をもつ裁判。これに対し「判決」とは、ある特定の事件につき裁判所が下した法判断のことをいうから、両者は概念的に区別されなければならない。わが国では、憲法第76条により裁判官は憲法および法律のみに拘束されるから、同種の事件につきある裁判所の法判断(判決)が存在するからといって、他の裁判所はこれに拘束されないのが原則である。ただ、この原則は司法の独立または裁判官の独立を保障するためのものであり、同種の事件につきある裁判所が他の裁判所の判決を参考にしたり、これに従うことを禁止する趣旨でないことはいうまでもない。むしろ、逆に、法的安定性の見地から、同種の事件につき裁判所により法判断が異なることは好ましいことではない。そこで、裁判所は同種の事件につき他の裁判所の法判断がある場合には、これを参照すべきであろうし、現に、この判決が程度の差こそあれ一定の規準として後の判決形成に事実上の影響力をもっている。とりわけ、同趣旨の判決が繰り返されていたり、上級裁判所(とくに最高裁判所)の判決がすでに存在する場合には、これらの判決は先例として後の判決に拘束力をもつといってよい。このことは、判例違背が上告理由とされていたり、最高裁判所が従来の判例を変更する場合には、大法廷を開くべきものという慎重な手続を要求していることなどから判断しても、法制上も認められているといえよう。このような事実上または実定法上の根拠に基づき、「判例」という概念が成り立ちうるのである。
 前記のような「判例」は法として法源性をもちうるか。この問題は「法」をどのように理解するか、ということに帰着する。この点につき、英米法系における判例法主義のもとでは、法制上、判例が法源の基本をなし、「判例法」、すなわち判例が法であるという考え方が当然の前提とされているのに対し、大陸法系では、三権分立の原則のもとに立法機関の定める法(法規)のみが法源とされるから、判例の法源性は一般に否定される。ただ、わが国は大陸法系に属するとしても、前述したように、裁判規範のレベルでは、事実上または法制上、判例には規準として一定の拘束力を認めざるをえない。しかも、わが国では、「法の解釈」または「法の適用」という名のもとに、実定法の明文に反するような判例が存在するという事実も否定できない。そうだとすれば、判例法という観念を認めるか否かは別として、法を国家意思の発現として実体的・機能的に理解するならば、実定法研究とともに判例研究の重要性が指摘されなければならない。[名和鐵郎]

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精選版 日本国語大辞典

はん‐れい【判例】
〘名〙 裁判の先例。類似の事件や同じ法律上の問題点について、同趣旨の判決が繰り返されているなど、先例として一般性をもつもの。最高裁判所の判例は、実務上とくに重要な意味をもつ。裁判例。判決例。
※学生と教養(1936)〈鈴木利貞編〉教養としての社会科学〈蝋山政道〉六「法令の発布、法典の制定、判例の集積等に伴ふて法律解釈学が発達し」

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