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【シュツ】

デジタル大辞泉

しゅつ【出】
その土地・家系などから出ること。生まれ。出身。「藤原氏の
そこから出ること。また、出るもの。
出来のよいこと。
「稽古、安心をなさば、などか、―不出の其のゆゑを知らざらん」〈拾玉得花〉

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しゅつ【出】[漢字項目]
[音]シュツ(漢) スイ(呉)(漢) [訓]でる だす いず いだす
学習漢字]1年
〈シュツ〉
内から外へでる。だす。「出火出荷出願出血出港出世出入出発出版出力案出外出救出支出進出退出脱出提出摘出転出搬出輸出流出
現れる。「出現現出百出頻出露出
生まれる。「出自出生(しゅっしょう・しゅっせい)出身嫡出
抜きんでる。「出色傑出
ある場所におもむく。「出演出勤出社出場出席
〈スイ〉だす。「出師出納(すいとう)
〈で〉「出口出先出窓家出死出早出人出船出
[名のり]いずる・で
[難読]出雲(いずも)出(い)で座(ま)し出来(しゅったい)出会(でくわ)す見出(みいだ)す

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ず〔づ〕【出】
[動ダ下二]で(出)る」の文語形

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すい【出】[漢字項目]

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で【出】
外へ出ること。「日の
出る状態・度合い。「水のがいい」「人のが少ない」
ある場所に出ること。
㋐出勤すること。「明日もだよ」
㋑俳優などが舞台に登場すること。また、芸人が高座に出ること。「楽屋でを待つ」
㋒芸者が招かれて客の座敷に出ること。「の着物」
物事のはじめ。書き出し、歌い出しなどをいう。「がうまくいけばあとは大丈夫」
出どころ。出身地・出身校などをいう。「九州の」「旧家の」「大学
物の出ている部分。
㋐建築物の突出部。また、その寸法。「軒(のき)の
㋑艫(とも)の最も高い部分。
(多く動詞の連用形に付き、下に「ある」「ない」を伴って)物事をなすのに十分な分量。また、物事をなしおえるのに要する時間・労力。「読みがある」
「西洋の新聞は実に―がある。…残らず読めば五六時間はかかるだろう」〈漱石・倫敦消息〉

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大辞林 第三版

いだし【出】
(動詞「出だす」の連用形)

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しゅつ【出】
( 名 )
出席すること。出勤すること。 ⇔
そこから出ること。また、出るもの。
ある血族・土地の出身であること。 「信卿の子、宇野氏の-/伊沢蘭軒 鷗外
そこをぬけ出ること。 「 -エジプト記」
( 名 ・形動ナリ )
出しゃばること。さしでがましいこと。また、そのさま。 「もとより楽阿弥は、-なる面差つらざしにて/狂言・楽阿弥」

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しゅつ【出】
【出】 [音] シュツ ・スイ
でる。
内から外へ移動する。 「出家・出獄・外出・退出・脱出」
ある場所へ行く。 「出勤・出向・出仕・出征・出席・出動・出馬・出処進退」
人の見える所にあらわれる。 「出現・出没・現出・再出・突出」
ぬきんでる。すぐれている。 「出色・傑出」
おこる。 「出火・出来しゆつたいしゆつらい)」
だす。
内から外へ移す。 「出願・案出・移出・提出・摘出・派出」
金をしはらう。 「出資・出費・出納すいとう・歳出・支出」
人に見えるようにする。あらわす。 「出題・出版・演出・露出」
社会に送りだす。 「輩出」
でどころ。 「出自・出典・嫡出」

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ず【出】
( 動下二 )
でる

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で【出】
内から外へ出ること。また、出る具合・程度。 「人の-が少ない」 「水の-が悪い」
勤め人・役者・芸者などが仕事の場に出ること。 「午後からの-」 「楽屋で-を待つ」 「早-」
ほかの物や基準の線から突き出ていること。 「日の-」 「軒の-」
物事をする時のしはじめ。でだし。 「 -が一拍遅れる」
何らかの作用によって、物事が現れること。また、その具合。 「色の-が悪い」
人や物の経てきたところ。出身・出自・素性・出所など。 「この壺つぼなら-は確かでございます」 「高校-の選手」
予想以上に労力・時間を要すること。また、それによって得られる充実感・満足感。 「歩いてみると歩き-がある」 「読み-がない」 「使い-がある」

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精選版 日本国語大辞典

い・ず いづ【出】
[1] 〘自ダ下二〙 (ある限られた所、外から見えない所、私的な所などから)広々とした所、人目にたつ所、表だった所などに現われる。でる。
① (ある限られた場所から)その外へ進み動いて行く。また、外のある場所に位置を変える。
(イ) (出発点に重点がおかれ、動作性が強い場合) 外へ行く。出かける。出発する。
※古事記(712)上・歌謡「青山に 日が隠らば ぬばたまの 夜(よ)は伊伝(イデ)なむ」
※書紀(720)崇神八年一二月二〇日・歌謡「味酒(うまさけ) 三輪の殿の 朝戸にも 伊弟(イデ)てゆかな 三輪の殿戸を」
(ロ) (目的先に重点がおかれ、状態性が強い場合) 姿を現わす。(特に、目的先が、ある働きを必要とするような場所の場合) 出仕、出陣、出場、出演、出席などする。
※万葉(8C後)二〇・四三六〇「浜に伊泥(イデ)て 海原見れば」
※方丈記(1212)「頼むかたなき人は、みづからが家をこぼちて、市にいでて売る」
(ハ) (ある働きをやめる事情が含まれている場合) 離れる。去る。離職、離縁、出家、卒業などする。
※栄花(1028‐92頃)月の宴「その暁にいで給ひて、法師になり給ひにけり」
② (今まで隠れていたものや、なかったものなどが)表に現われる。
(イ) (さえぎられたり、おおわれたりなどして隠れていたものが)表に現われてくる。出現する。
※万葉(8C後)一四・三三六八「足柄(あしがり)の土肥の河内に伊豆流(イヅル)湯の世にもたよらに子ろが言はなくに」
※古今(905‐914)雑上・八七七「おそくいづる月にもあるかなあしひきの山のあなたも惜しむべらなり〈よみ人しらず〉」
※平家(13C前)一二「もし世に出(いで)てたづねらるる事もこそあれ」
(ロ) (なかったものが)新しく生じる。発生する。生まれる。また、ある土地から産出する。
※伊勢物語(10C前)九六「身に瘡(かさ)も一つ二ついでたり」
※浮世草子・好色一代男(1682)三「神崎中町にしろど、白目などいへる遊女の出(いで)し所也」
(ハ) 表だった所に発表される。特に、出版される。「掲示に出づ」「新聞に出づ」「大著出づ」
③ (多く助動詞「たり」を伴って) 外に向かってはりだす。でっぱる。つきだす。
※徒然草(1331頃)三四「口のほどの、細長にしていでたる貝のふたなり」
④ ある限界、標準などを超える。超越する。ぬきんでる。
※宇治拾遺(1221頃)一「生死のさかひをいでなんと思ひとりたる聖人に候ふ」
※花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉上「政府の歳入は僅々八千万円の上に出でず」
⑤ (あることに)原因がある。もとづく。
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「是れしかしながら、アルレゴリイと勧懲主眼の小説との差別(けぢめ)を知らぬに出(イデ)たることにて」
⑥ (動詞の連用形に付いて) その動詞の示す作用や状態によって、現われる意。「歩みいづ」「起きいづ」「逃げいづ」「降りいづ」
[2] 〘他ダ下二〙
① 外に現わす。いだす。
※万葉(8C後)一七・四〇〇八「言に伊泥(イデ)て言はばゆゆしみ」
※古今(905‐914)春下・一〇四「花見れば心さへにぞうつりける色にはいでじ人もこそ知れ〈凡河内躬恒〉」
② (動詞の連用形に付いて) その動詞の示す作用によって、表に現わす意。「言ひいづ」「染めいづ」「取りいづ」「召しいづ」
[補注]自動詞は後に一段活用となって、口語「でる」となる。他動詞には、四段活用の「いだす」およびその口語形「だす」がある。

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いだ・す【出】
〘他サ四〙
[一] (ある限られた所、外から見えない所などから)人目にたつ所、表立った所などに現われるようにしむける。だす。
① (ある限られた場所から)その外へ進み動くようにしむける。また、外のある場所に位置を変えさせる。
(イ) (出発点から離れることに重点が置かれる場合) 外へ行かせる。出かけさせる。
※万葉(8C後)一五・三五八二「大船を荒海(あるみ)に伊太之(イダシ)います君つつむことなく早帰りませ」
※竹取(9C末‐10C初)「ちゃうのうちよりも出さずいつきやしなふ」
(ロ) (姿を現わす場所に重点が置かれる場合) ある場所に現われるようにしむける。特に、その場所がある働きを必要とする所である場合には、出仕、出陣、出席などさせる意。
※源氏(1001‐14頃)須磨「宮仕へにいだし給へりしに」
② (今まで見えなかったもの、なかったものなどを)外に現わす。
(イ) (隠れていたものや、しまってあったものなどを)人前に現わす。提出する。提供する。
※伊勢物語(10C前)六九「女がたよりいだすさかづきの皿に」
※源氏(1001‐14頃)行幸「世の人聞きに、しばしこのこといださじと」
(ロ) (なかったものを)新しく生じさせる。発生させる。ひきおこす。
※大鏡(12C前)三「きのふこといだしたりしわらはべとらふべしといふ」
(ハ) 声に表わす。言う。歌う。吟じる。また、模様や色として表面に現わす。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「いろにもいださせ給はずなりぬるを」
※讚岐典侍(1108頃)上「すこし出されたるをきけば、〈略〉長行をぞよまるる」
(ニ) 内から外へ延ばし現わす。特に、出だし衣(ぎぬ)をする。
※古今(905‐914)仮名序「花すすき、ほにいだすべき事にもあらずなりにたり」
※枕(10C終)二三「固紋(かたもん)の指貫(さしぬき)、しろき御衣(ぞ)ども、うへには濃き綾の糸あざやかなるをいだしてまゐり給へるに」
(ホ) 表立った所に登場させる。文章などを発表する。掲載する。また、出版する。
※風姿花伝(1400‐02頃)七「花伝にいだす所の条々を」
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「われまた軒下に店をいだして」
[二] 補助動詞として用いられる。動詞の連用形に付く。
① その動作が内から外に向かって行なわれる意を表わす。「言い出だす」「見出だす」「眺め出だす」など。
② その動作によって表、外に現われるようにする意を表わす。「染め出だす」「書き出だす」「作り出だす」など。
③ その動作が始まる意を表わす。「言い出だす」「歌い出だす」など。
[語誌]「虎明本狂言」の調査結果によれば、当時の口語において、単独の動詞としてはダスが一般に用いられ、イダスには補助動詞としての用法が多かったことがうかがえる。

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い・づ【出】
〘自ダ下二〙 ⇒いず(出)

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しゅつ【出】
〘名〙
① その人の腹から生まれたこと。その家の出身であること。生まれ。出身。
※渋江抽斎(1916)〈森鴎外〉五三「岡西氏の出(シュツ)次男矢嶋優善二十四歳」
② そこから出ること。また、出るもの。
※文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉五「費散者は出を量りて入を制するに非ず」
③ 良くできること。でき上がりのよいこと。
※拾玉得花(1428)「是、力なき時節と申しながら、稽古・安心をなさば、などか、出(シュツ)・不出(ふしゅつ)の其ゆへを知らざらん」
④ (形動) さしでがましいこと。出しゃばること。また、そのさま。
※京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一八「賢者が是非を別せいでえ申さぬではない、申たらば必ずしゅつなど云て必ず罪科せられう程に」
※咄本・醒睡笑(1628)二「おのれがしゅつな。何事をいのる」

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じょず ぢょず【出】
連語〙 (動詞「でる(出)」の未然形に推量の助動詞「うず」のついた「でうず」の変化したもの) 出ようとする。
※歌謡・松の葉(1703)一・飛騨組「明日はじょづもの、舟がじょづもの、思たげもなと、お寝(よ)る殿御や」
[補注]虎寛本狂言「靫猿」の小歌には、「明日は出やうず物、舟が出やうずもの」と「出やうず」の形で見られるが、「じょずるもの」「出やうずるもの」の形をとらないのは、歌謡のためか。

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【出】
〘自ダ下二〙 ⇒でる(出)

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だし【出】
〘名〙 (動詞「だす(出)」の連用形の名詞化)
① 城の一種。出城(でじろ)、出丸(でまる)のこと。
※立入左京亮入道隆佐記(17C前)「城の大手のだしにおき申女房にて候故」
② 建物などの外に張り出しているもの。
※言継卿記‐永祿一二年(1569)四月二日「又南巽之だしの磊出来、只今東之だし沙汰之
指物(さしもの)などの棹(さお)の頭につける飾り物。
※雑兵物語(1683頃)下「指物のまっ先に出しと云物が有。旦那が出しはさかばやしだぞ」
④ 端午の飾り鎧(よろい)の上などに付ける経木(きょうぎ)や厚紙の装飾。
※日葡辞書(1603‐04)「ホロノ daxi(ダシ)
※物類称呼(1775)一「越後にて東風をだしといふ」
※大草家料理書(16C中‐後か)「生白鳥料理は〈略〉味噌に出を入て、かへらかして、鳥を入候也」
⑦ 自分の利益や都合のために利用する人や物事。方便。口実。→だしに使う
※浄瑠璃・右大将鎌倉実記(1724)一「旦那の病気を虚託(ダシ)にして栄耀ぢゃな」
⑧ 「だしがい(出貝)」の略。
※雍州府志(1684)七「合貝為遊戯〈略〉右貝称地而並床上左貝称(ダシ)一箇而出置中央之隙地
⑨ (「かきだし(書出)」の略) 請求書。勘定書
※雑俳・川柳評万句合‐天明八(1788)満二「げせぬ事めでたくかしくだしへ書き」
⑩ 邦楽の用語で、「唄い出し」「語り出し」の略。現在はあまり使われない。

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だ・す【出】
〘他サ五(四)〙 (「いだす」から転じて、中世頃から用いられる)
[一] 手もとにあるものを外の方へ移動させる。
① 内のものを外へ移す。また、外の方へ向かって伸ばしあらわす。
※名語記(1275)四「出はいだす也。それをただだすといへり、如何。答 いを略してだすといへる也」
※俳諧・猿蓑(1691)一「首出してはつ雪見ばや此衾〈竹戸〉」
② ある限られた場所から外へ進み動くようにしむける。出発させる。
※史記抄(1477)一二「らんぐいさかもぎをして、人をそとへたさぬものぞ」
※日葡辞書(1603‐04)「フネヲ dasu(ダス)
③ ある場所に行くようにしむける。出勤、出場、出演、出席などをさせる。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「あまやかして奉公にも出(ダ)しませんから」
④ 追放する。また、離縁する。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「親子喧嘩の合間こまには夫婦喧嘩さ。出(ダ)しゑへもしねへくせに出て往といふ」
⑤ 郵便物などを送る。
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「返事は最(も)う出しました」
⑥ 他のところに持っていく。提出する。
※俳諧・続猿蓑(1698)上「猪を狩場の外へ追にがし〈曲翠〉 山から石に名を書て出す〈臥高〉」
⑦ 割り当てのものをさし出す。料金などを支払う。また、出資したり、貸し出したりする。
※大唐西域記長寛元年点(1163)三「家ごとに斗穀を税(ダシ)て以て饋(やしな)ひ遺る」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「其代(そんでへ)に本銭(もとで)はいらねへス。荷は借荷で損料を出(ダ)すばかり」
⑧ 買うの意にいう、酒問屋仲間などの隠語。
※洒落本・仕懸文庫(1791)二「やすくはうりやすめへ。なんぞだしなすったか」
[二] 今まで見えなかったもの、なかったものなどを外に現わす。
① 隠れているもの、しまってあるものなどを外に現わす。
※天草本伊曾保(1593)蝉と蟻との事「アリドモ アマタ アナヨリ ゴコクヲ daite(ダイテ)
※俳諧・続猿蓑(1698)冬「ふたつ子も草鞋を出すやけふの雪〈支考〉」
② 他に与えるために用意する。飲食物などを人前に用意する。
※虎明本狂言・富士松(室町末‐近世初)「たのふだ人のござったに、酒があらばだせ」
③ 上方の遊里で、置屋から茶屋へ芸娼妓を呼び迎える。
※洒落本・北川蜆殻(1826)上「さきにも綿富から出(ダ)しに来たけれど、あんまり気色がわるいよって、ことわりいふていかなんだが」
④ 生じさせる。発生させる。「芽を出す」「元気を出す」
※俳諧・曠野(1689)五「汗出して谷に突こむ氷室哉〈冬松〉」
⑤ 声や顔つきなどに表わす。意志表示をする。また、模様や色として表わす。
※日葡辞書(1603‐04)「コトバヲ dasu(ダス)
※悪魔(1903)〈国木田独歩〉七「一向に面白くない。けれども顔には少も出(ダ)さなかった」
⑥ 表だった所に発表する。また、掲示・掲載する。また、書物を出版する。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三「おめへが手本を出したから、ツイおれも」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉七「色々な投書がのって居たが、中には随分拙いのも人気とりに出してあった」
⑦ 世間に現れるようにする。輩出させる。
※黒い眼と茶色の目(1914)〈徳富蘆花〉四「弟子の中から少からぬ師にまさる秀才を出(ダ)した」
⑧ 商店や飲食店を作って営業を始める。
※当世商人気質(1886)〈饗庭篁村〉四「酒屋の跡の明家(あきや)をば仮初(かりそめ)の見世(みせ)(ダ)し」
[三] 補助動詞として用いる。動詞の連用形に付く。
① その動作によって表や外に現われるようにする意を表わす。「染め出す」「作り出す」など。
② その動作を始める意を表わす。「歩き出す」「話し出す」「読み出す」など。
[補注]古く「いだす」が他の動詞と複合する場合、上の動詞の語尾がイ段の音のとき、「だす」となることがある。「万葉‐三七六五」の「まそ鏡かけて偲(しぬ)へとまつり太須(ダス)形見の物を人に示すな」など。

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で【出】
〘名〙 (動詞「でる(出)」の連用形の名詞化)
① ある限られた場所からその外へ進み動くこと。また、出かけること。多く「船出」「門出」など他の語と複合して用いる。
※西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一二「なる程この口の潮のやうに入るばかりで出(デ)がなけりゃアマア上策(むめへ)理屈ですが」
② (隠れていたものや、なかったものなどが)表に現われること。「日の出」
※偸盗(1917)〈芥川龍之介〉六「その窓から、遠い月の出を眺めてゐる」
③ 出勤すること。また、芸者がお座敷に行くことやその時の着物もいう。「午後からの出」
※油地獄(1891)〈斎藤緑雨〉二「此芸妓が〈略〉其時まだ『出(デ)』の姿で居た」
※妻隠(1970)〈古井由吉〉「それとも今日は日曜でも出なのかい」
④ 役者や芸人などが、舞台や高座に出てゆくこと。出演の場面。
※雑俳・柳多留‐一五(1780)「出があるに早くと馬のあしをよび」
⑤ 物事のやりはじめ。特に、書きはじめ、話しはじめ、歌いはじめなど。
※恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一三「高く浪花節の出(デ)の如く引張って」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「『新年の御慶目出度申納候。…』いつになく出が真面目だ」
⑥ 人や物事の現われる状態やぐあい。「お茶の出が悪い」
※人情本・春色恋白波(1839‐41)二「今日は天気は能し、遊人(デ)が多からふから」
※それから(1909)〈夏目漱石〉九「今年は芍薬の出(デ)が早いとか」
⑦ 物の出どころ。出所や産地。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「わっちらが持て来るものは、本の事たが、出(デ)が違はア」
⑧ その人の生地、家柄、出身校、元の身分など。「中学出」「下町出」など他の語と複合しても用いる。
※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉五四「立振舞から物の言ひ様、裾捌まで一点の申分のない女ですから、〈略〉是は定めし出の宜しい者だらうと」
⑨ 分量やかさが多く感じられる状態。また、時間や労力を多く要するように感じられる状態。「書き出」「読み出」など他の語と複合しても用いる。
※雑俳・松の雨(1750か)「命には扨もでの有佐世の山」
※倫敦消息(1901)〈夏目漱石〉一「西洋の新聞は実にでがある。始から仕舞まで残らず読めば五六時間はかかるだらう」
⑩ 建築物で突出している部分。また、その寸法。「軒ので一尺五寸」
⑪ 歌舞伎の芝居小屋で、平土間よりは一段高く、下桟敷よりは低く前に出ている座席。高土間。でまご。
※浄瑠璃・替唱歌糸の時雨(1782)上ノ口「どうでよい桟敷は厶りますまい、出を取りに遣りましょかい」
⑫ 囲碁で、相手の勢力圏や要所に石をのび出させる手。
※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下「『マア喧譁をせずに、出(デ)と打たう』『サアこれで切れた。一隅みな死んだ。モウ恢復の望みはあるまい』」
⑬ 楊弓、大弓で、金銭を賭け物にする時、六銭をいう。〔随筆・一話一言(1779‐1820頃)〕

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でる【出】
〘自ダ下一〙 づ 〘自ダ下二〙
① ある限られた所から、その外へ進み動いて行く。また、外のある場所に位置を変える。いず。
(イ) (出発点に重点がおかれ、動作性が強い場合) 外へ行く。出かける。出発する。
※天草本伊曾保(1593)ネテナボ帝王イソポに御不審の条々「カノシマヲ zzuruni(ヅルニ) ノゾウデ」
※洒落本・卯地臭意(1783)「おのしゃア此ごろは、商売にゃア出(デ)るかへ」
※曠野(1964)〈庄野潤三〉六「トラックが一時間ほどしたら出るそうです」
(ロ) (行先に重点がおかれ、状態性が強い場合) ある場所に姿を現わす。行先がある働きを必要とする場所であるときには、出仕、出勤、出陣、出場、出演、出席などをする意になる。
※古本説話集(1130頃か)四九「ただあきらも刀を抜きて、御だうざまにでたるに」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「御奉公に出(デ)る為の稽古だから」
(ハ) (ある働きをやめる事情が含まれている場合) そこから離れ去る。離職、離婚、卒業などをする。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「片付た先から、出(デ)るの、引くのと」
※枯菊の影(1907)〈寺田寅彦〉「中学を出て高等学校に移った明けの春であった」
② (今まで隠れていた物やなかった物などが)表に現われる。いず。
(イ) (隠れていた物、しまってあった物、ひっこんでいた物などが)現われる。出現する。
※万葉(8C後)一四・三三七六「恋しけば袖も振らむを武蔵野のうけらが花の色に豆(ヅ)なゆめ」
※雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉上「証拠の出たのと見える」
(ロ) (なかった物が)新しく生じる。発生する。また、ある土地から産出する。
※玉塵抄(1563)三「火をきることは急にとどけてもまねば火がでぬぞ」
※人情本・英対暖語(1838)初「労症の病ひが発(デ)るだらうなんぞと」
(ハ) 表だった所に発表される。掲示、掲載、出版などされる。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「合巻とやら申(もうす)草双帋が出(デ)るたびに買ますが」
③ 外に向かって張り出す。でっぱる。つきでる。
※桑の実(1913)〈鈴木三重吉〉二六「棚の横木に釘が出てゐるのを」
④ 数量、力、値うちなどが加わる。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「『暑い中は這入人(へゑりっと)が少へ』『これから湯も入(いり)が出(デ)て来る』」
⑤ ある限界、標準などを超える。
※破垣(1901)〈内田魯庵〉一「漢江繻子だって此位なものは一両二分、片側の太織が爾うサ二両少(ちっ)と出るかナ」
※私小説の系譜(1948)〈中野好夫〉「すべて臆測を出ない」
⑥ あるもとから現われる。そこから起こる。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「目のふちへ紅を付るのも一体は役者から出(デ)た事らしいネ」
⑦ 売れたり、支払ったりして品物や金銭が手もとからなくなってゆく。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉老俗吏「世間の交際も気張らなければならず、〈略〉何かにつけて出ることが余計になるから」
⑧ 金品、食料、また、許可、暇などが与えられる。
※日葡辞書(1603‐04)「イトマガ zzuru(ヅル)
※銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉後「腹を痛めないかぎりに許しがでるのを」
⑨ ある態度をとって相手に対する。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四「足下のやうに、さう意地わるく出(デ)られては」
※夜の雪(1898)〈幸田露伴〉下「助は喜悦(よろこび)意外に出(デ)しが」
⑩ 道をたどって行ってそこに至る。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前「大森の橋の際へ出(デ)たが」
⑪ 性交する。
※雑俳・末摘花(1776‐1801)二「うじゃくひがしへとんでから一つ出る」
※咄本・落噺年中行事(1836)上「『下女にしてはいい女だ、ちらとでたい』『べらぼうめ、下女といろをするなら〈略〉』」
[語誌]古くは「いづ」が普通に用いられたが、その頭音「い」の落ちた「づ」もすでに「万葉集」に見られる。ただし、「漕ぎづ」、また、名詞形の「思ひで」「門で」など、他の語と複合した場合に多く見られ、単独で使われているのは東歌と防人歌だけである。しかし、「名語記‐四」には「出はいづ也。ただづるとばかりいへり、如何。いづるのいをいはざること例おほき也」とあるので、鎌倉時代ごろには相当広く「い」の落ちた形が使われていたと見られる。

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で・れる【出】
〘ラ下一〙 (「出る」の可能動詞) 出ることができる。本来、「出られる」であるが、五(四)段活用からできた可能動詞「書ける」「帰れる」などに引かれてできた言い方。
※日本脱出記(1923)〈大杉栄〉入獄から追放まで「集会にも出れなければ、ろくに人を訪ねる事も出来ないんぢゃ、仕方がない」

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