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凝固【ぎょうこ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

凝固
ぎょうこ
solidification
固化ともいう。物質が液体から固体に変る現象。一定の圧力のもとで液体を冷却していくとき,凝固が進行している間は一定の温度が保たれる。この温度は物質に固有であって,凝固点または氷点と呼ばれ,融点と一致する。凝固の際に放出される潜熱凝固熱と呼ばれ,融解熱に等しい。液体を静かに冷却していくと,凝固点以下の温度になっても液体のままに保たれることがあり,これを過冷却という。気体が直接に固体に変る現象をも凝固ということがあり,この昇華という。

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凝固
ぎょうこ
coagulation
凝血ともいう。脊椎動物の血液にみられる血液凝固のこと。血液を血管外に取出し試験官などに移すとやがて凝固し,不溶性の塊 (血餅) と上澄み液 (血清) とに分れる。この血餅が負傷時の止血作用として重要な役割を果す。遺伝的な欠陥で凝固反応に異常があると血友病の症状を呈する。一方,止血に役立った血餅がいつまでも残っていたり,種々の理由で血管内で凝固が起きると血液の正常な流れを妨げる血栓症を引起す。そこで血液中にはこれを再溶解する物質 (プラスミノーゲンが活性化されてできるプラスミン) も存在する。このように血液凝固の反応は微妙なバランスを保ってコントロールされている。凝固の直接の原因は血漿中の可溶性蛋白質,フィブリノーゲンが不溶性のフィブリンに変り血球を包み込んだ凝固塊が生成するためである。この最終反応が起きるまでには複雑な連鎖反応系があり,各々の反応に関与する因子は第I因子,第 II因子などと呼ばれる (この番号は発見された順で,連鎖反応の順序ではない) 。連鎖反応の引き金には外因性と内因性の2種類がある。外因性の場合には血漿中にはない活性化因子 (凝固因子 III,組織トロンボプラスチン) が負傷した組織から血中に放出され,最初の反応が始る。内因性の場合には血漿中の因子 (凝固因子 XII,ハーゲマン因子) が組織配列が乱れて露出した結合組織や血小板などに触れて活性化されることが引き金になる。凝固因子にはヘパリンで阻害されるもの,カルシウムイオンを必要とするものがあるので,採血液の凝固を防ぐにはヘパリンやカルシウムキレート剤 (EDTA,クエン酸,シュウ酸) を加える。

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デジタル大辞泉

ぎょう‐こ【凝固】
[名](スル)
こりかたまること。「血液が凝固する」
液体または気体が固体に変わる現象。水が氷になるなど。
凝結2」に同じ。

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岩石学辞典

凝固
(1) 液体が固体になる変態,あるいは蒸気から固体または液体になる変態.凝固を液化ということがある[片山ほか : 1970, 長倉ほか : 1998].(2) 凝結(coagulation)のことを凝固ということがある.(3) 縮合(condensation)の意味で用いられることがあるが,相図ではほとんど使用されない.

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凝固

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栄養・生化学辞典

凝固
 液体が固体になる現象.溶液がゲルになったりゲルが固まる場合にも使う.

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世界大百科事典 第2版

ぎょうこ【凝固 solidification】
物質が液体から固体になる現象で固化ともいう。融解の逆の現象である。気体が直接固体になる現象を含めることもあるが,これはふつう昇華と呼んで区別する。凝固は,液体を冷却あるいは圧縮することによって起こる一次相転移であり,温度,圧力一定の下で密度が不連続に変化する。純粋な物質では,一定の圧力のもとで凝固が始まってから全部が凝固し終わるまで温度は一定に保たれる。この温度を凝固点solidifying point(freezing point)といい,水の凝固点はとくに氷点と呼ばれる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ぎょうこ【凝固】
スル
こりかたまること。 血液が-する
液体または気体が固体に変わる現象。分子運動からみると、液体または気体の温度が下がると熱運動が低下し、分子相互の位置関係が規則的な配列となってエネルギーの低い状態に落ち着くこと。 ⇔ 融解ゆうかい
凝結ぎようけつに同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

凝固
ぎょうこ
solidification
(1)物質が液体あるいは気体状態から固体状態に変化することで、融解の逆の現象である。気体状態からの凝固は昇華ということもある。融解している液体が一定圧力で冷却されて凝固するとき、始まりから終わりまで温度が一定に保たれる。この温度は凝固点とよばれ、純物質では融解の始まる温度すなわち融点と一致する。一定圧力のもとでは純物質はそれぞれ特定の凝固温度を示す。凝固点降下測定でよく知られるように、液体を冷却する際、凝固を始めるときに温度が一時的に凝固点より低下して過冷却の現象を示すことがある。
凝固熱
物質が凝固するとき放出する熱量を凝固熱という。凝固熱の値は融解熱の値と等しいが符号が反対であり、純物質では特有の定数でもある。化学では凝固熱は冷却法で測定しても融解熱といわれることが多い。一般には圧力を増加すると凝固点は高くなるが、水のように凝固の際に体積が増加する物質では凝固点は下がる。
 ガラスのような無定形物質とか、ある種の高分子物質では、明確な凝固点を示さないものもある(これは軟化といって凝固とは区別される)。とくに液晶などでは段階的な凝固、融解現象もみられ、理論、応用の両面から注目されている。
(2)液体または気体中に分散している粒子(おもにコロイドなど)が集合して大きな粒子となる現象を凝固ということもある。すなわち、ゾルの凝結coagulationと同義にも用いられる。生体内で流動的な血液が、生体外で血漿(けっしょう)中のフィブリノゲンがフィブリンになり不溶化して血餅(けっぺい)になる。これを血液の凝固という。[吉田俊久]

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精選版 日本国語大辞典

ぎょう‐こ【凝固】
〘名〙
① 液体や気体が固体に変化する現象。
※舎密開宗(1837‐47)内「鉄型を温め油を塗て之を注ぎ凝固し」
③ 塗られた塗料がかわき固まること。
④ (比喩的に) 感情や考えがこりかたまること。こりかたまって不動の状態になること。
※雲は天才である(1906)〈石川啄木〉二「唯其周囲の大気が、凝固したる陰欝と沈痛と悲惨の雲霧であるのだ」

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こり‐かたまり【凝固】
〘名〙
① 凝って固くなること。凝結してかたまっていること。また、そのもの。
※彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉須永の話「優しい一図から出る女気の凝(コ)り塊(カタマ)り」
② いちずに信じこむこと。ある事をかたくなに思いこんで、他を顧みないこと。また、その人。
※人情本・恩愛二葉草(1834)三「固より愛著の凝(コ)り塊(カタマ)りが、我が身となりし恩あれば、何ぞ是れを忘るべき」

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こり‐かたま・る【凝固】
〘自ラ五(四)〙
① 凝結して固くなる。流動性を失って固体状になる。凝固する。集中してひとまとまりとなる。
※車屋本謡曲・白髭(1541頃)「一切衆生、悉有仏性如来常住無有変易の浪のこゑ、一葉のあしにこりかたまって、ひとつの嶋となる今の」
② こわばる。
※普請中(1910)〈森鴎外〉「凝り固まったやうな微笑を顔に見せて〈略〉女の手は、人には知れぬ程顫ってゐた」
③ 一つのことに熱中して他を顧みなくなる。ある考えにとらわれて、他の考えを受けいれられなくなる。
※俳諧・去来抄(1702‐04)修行「宗因師、一たび其こりかたまりたるを打破り給ひ、新風天下に流行し侍れど」

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化学辞典 第2版

凝固
ギョウコ
solidification, coagulation

】solidification.液相から固相に変化する相転移をいう.一次の相転移現象であり,液体が一定圧力のもとで冷却されて一時的に過冷却液体になることもあるが,凝固しはじめてから終わるまでは温度は一定に保たれる.この温度を凝固点という.一般に純粋な低分子物質の場合は,凝固点と融解温度はまったく一致する.凝固する際には一般に,体積エンタルピーエントロピーが減少する.【】coagulation.ゾルコロイド粒子が集まって沈殿する現象.凝析ともいう.液体または気体中に分散している微粒子が集合して大きな粒子をつくる現象や,タンパク質のようなものを熱すると固まる現象(凝結)や,血漿中のフィブリノーゲンが生体外に出たときに不溶性のフィブリンになる現象,ラテックス中のゴム粒子がしょう液より分離して固まる現象(凝固)など,いろいろの呼び方がある.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
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東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
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東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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