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冷害【れいがい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

冷害
れいがい
夏季に低温が続いて起こる農業被害。日本でいちばん冷を受けるのは北海道と東北地方の太平洋岸。特に米作の被害が大きく,麦類,豆類の被害がこれに次ぐ。冷害は,オホーツク海に発達する高気圧が例年よりも強く,この気圧から吹き出す冷たい北東風 (やませ) が顕著なときや,梅雨明けが遅れ,梅雨型の気圧配置が長く続くようなときに発生する。後者の場合,冷害は低温そのものによるよりも,曇雨天が続くために発生するいもち病のような病害によって被害を受けることが多い。冷害を防ぐには,天候の長期予報によって,春のうちに夏の冷害を予想し,予防手段を講ずる,冷害に強い品種を選ぶ,迂回配水や温水ため池など水温を上昇させる工夫をする,冷害に伴って発生するいもち病の防除をする,などが必要である。

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デジタル大辞泉

れい‐がい【冷害】
夏季の異常低温や日照不足のために、稲などの農作物が実らない被害。特に、北日本に多い。 夏》

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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

れいがい【冷害】
夏季の低温により農作物が受ける被害。北日本や高冷地で,イネや豆類が主に被害を受ける。低温となる時期が農作物の発育のどの段階かで被害のようすが違う。栄養生長期に低温にあうと,生育が遅れて十分に成熟できないので減収する遅延型冷害となる。幼い花器(イネでは幼穂)の伸長期,穂ばらみ期,開花期の低温では,花器が大きい障害を受けて障害型冷害となる。現実には両型が併発することも多く,これを混合型冷害と呼ぶ。東北では江戸時代初期から明治中期までの300年間に100回前後の冷害を受けたと推定されている。

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大辞林 第三版

れいがい【冷害】
夏季の低温のために稲作などに被害を受けること。また、その被害。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

冷害
れいがい
夏になっても日本付近に太平洋の高気圧の張り出しが弱く、そのため気温が低く、日照時間も少ないために、北日本のイネをはじめ夏作物が実らない災害をいう。ただ北海道にあっては、オホーツク海高気圧に覆われているため、日照はあるが、気温が上らず、冷害となることがある。
 冷害はおよそ三つの型に分けられる。イネの茎葉の繁茂する栄養成長期に、低温寡照(かしょう)で生育が遅れ、十分に実らないうちに秋になってしまうものを遅延型冷害といい、イネの穂の生育期、とくに減数分裂の時期に急に低温になり、受精が不十分なために米が形成されない型を障害型冷害という。またイネの生育期全般にわたって気温が低く、これらの二つの型が同時におこる型を併行型冷害という。被害のもっとも大きいのは、併行型であり、ついで障害型、遅延型の順である。近年の大きな冷害は、1980年(昭和55)、93年(平成5)、2003年が平行型冷害であった。とくに、93年の冷害は「平成の大冷害」ともよばれ、沖縄を除く全国で冷害の被害があり、東北地方を中心とした米の凶作により、米の緊急輸入という事態となった。また、2003年は全国的に冷夏であったが、西日本は残暑で生育が回復したものの、東北地方の太平洋側と北海道では冷害が発生した。
 歴史的にみてもっとも大きい冷害は、1695年(元禄8)、1755年(宝暦5)、1783年(天明3)、1838年(天保9)で、いずれも大飢饉(ききん)となり、東北地方の人口はこのために3分の1を減じたという。
 明治に入っても冷害が頻発し、昭和の初期にも多くおこった。このように冷害はある時期にまとまっておこることがあり、これを凶作群という。火山の大爆発による火山灰や、汚染物質の空気中への停滞などが、地球上への太陽の日射を阻害し、冷害の誘因となるといわれている。[安藤隆夫・饒村 曜]
『関正治著『冷害――その構造と農家の対応』(1986・明文書房) ▽石川武男編『検証 平成コメ凶作』(1994・家の光協会) ▽渡部忠世監修、農耕文化研究振興会編『現代の農耕状況を問う』(2000・大明堂) ▽卜蔵建治著『ヤマセと冷害――東北稲作のあゆみ』(2001・成山堂書店)』

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精選版 日本国語大辞典

れい‐がい【冷害】
〘名〙 夏季の異常低温または日照不足によって農作物に生じる被害。日本では、特に北海道・東北地方の水稲に多い。《季・夏》 〔新語常識辞典(1936)〕

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