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内部摩擦【ないぶまさつ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

内部摩擦
ないぶまさつ
internal friction
(1) 固体外部から力を加えたときに,弾性変形が伝わる過程で各部分間の運動摩擦によって,外から加えた力学的エネルギーの一部が熱エネルギーに変化する現象。周期的外力に対する転移緩和現象として論じられている。固体による音波吸収と関係がある。 (2) 流体内部の各部分間の運動摩擦粘性力の原因と考えられる。

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デジタル大辞泉

ないぶ‐まさつ【内部摩擦】
物質内部の各部分に働く運動摩擦。流体では、流速の大きい部分と小さい部分との間に生じる抵抗、すなわち粘性としてあらわれ、固体では結晶粒子間のかみ合いによる摩擦をいう。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

ないぶまさつ【内部摩擦 internal friction】
外部から加えられた力学的エネルギーが,物体内部で原子あるいは電子の熱運動エネルギーに変換され,衰すること。内耗ともいう。たとえば板ばね振動では,内部摩擦のために,強制振動させると温度が上昇し,自由振動させると振動が減衰する。金属に内部摩擦が発生する機構には,外力に応じて,原子が弾性波として直接運動することによるものと,結晶中の異種原子転位,強磁性ドメイン(磁区)境界などの界面などが運動することによる間接的なものとがある。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ないぶまさつ【内部摩擦】
物体に加えられた変形エネルギーが物体内部で熱エネルギーに変換され減衰すること。ばねの減衰振動や流体の粘性などはその例。内耗。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

内部摩擦
ないぶまさつ
物体に弾性範囲内の力を加えて、これを急に取り去ると振動するが、その振幅はしだいに小さくなり、やがて静止する(図A)。物体を細い糸で吊(つ)るし、周りを真空にするなど、エネルギーの外部への逃げ道をいかに断ったとしても、機械的振動はやがて止まってしまう。これは、振動エネルギーが物質の内部で熱に変わり消散してしまうためである。この効果は、エネルギーが外部との摩擦ではなく、内部における摩擦により消散するという意味で内部摩擦とよばれている。楽器用の材料やお寺の鐘は内部摩擦が小さいほどよいし、タービンや航空機など変な振動が発生するとぐあいが悪い部分には、内部摩擦が大きい材料が望まれる。
 内部摩擦は1サイクル当りのエネルギー損失ΔWWWは振動エネルギー、ΔWは1サイクル当りに失われるエネルギー)あるいは応力に対するひずみの遅れ角(ラジアン)φの正接、tanφと定義され、両者間には、
  ΔWW=2πsinφ2πφ…(1)
の関係がある。一方、内部摩擦を測定する場合には、物体の振動が自然に減衰するときの振幅の変化から求めることが多い。すなわち、次式で定義される対数減衰率(内部摩擦の大きさ)δ
  δ=(1/n)ln(A0An)…(2)
も内部摩擦の尺度としてよく用いられる。ここで、A0Anはそれぞれ初回およびn回目の振幅である。δとφの間には、
  δ=πφ…(3)
という関係がある。
 前記以外によく使われるものにQ-1がある。これは電気的共振回路の共振の鋭さを表わすQ値quality factorに由来するもので、共振曲線の半値幅に対応し、Q-1はφに等しい。内部摩擦を共振曲線の半値幅以外から求めた場合にも慣習上Q-1を用いることが多い。
 以上に述べた内部摩擦を表す諸量の関係は以下のようにまとめられる。
  Q-1=φ=ΔW/2πW=δ/π……(4)
通常、内部摩擦はたかだか10-2程度なのでsinφ≒tanφ≒φとしてよい。[小岩昌宏]

スネーク・ピーク

対数減衰率を温度を変えて測定すると、金属中の不純物や格子欠陥の量、動きやすさなどを知ることができる。図Bは、炭素を含む鉄の内部摩擦の大きさを温度の関数として示したものであるが、30℃付近にピークが現れている。このピークは、試料の振動数(この場合は約0.6ヘルツ)と鉄中の炭素原子のジャンプ頻度がほぼ等しくなる温度に現れ、ピークの高さは鉄中の炭素量に比例することが知られている。この現象を詳しく研究したのはオランダの研究者スネークJ. L. Snoek(1902―1950)であり、その名を冠して、スネーク・ピークとよばれている。[小岩昌宏]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ないぶ‐まさつ【内部摩擦】
〘名〙
① 物質内部の各部分に働く運動摩擦。流体では、流速の大きい部分と小さい部分との間に生じる抵抗、すなわち粘性としてあらわれ、固体では結晶粒子間のかみ合いによる摩擦をいう。
※錬成スキーと雪・冬山(1944)〈河上寿雄〉五「砂は内部摩擦は大きいが粉雪は砂に比べて甚だ少い」
② 組織内部でのあつれき。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

内部摩擦
ナイブマサツ
internal friction

外部から加えられた変形エネルギーの一部が熱エネルギーに変化する現象をいう.流体の内部摩擦を普通粘性という.粘弾性固体を自由ねじり振動させると,外部との摩擦をすべて除いても,内部摩擦のために振動は減衰する.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
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東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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