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内積【ないせき】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

内積
ないせき
inner product
(1) ベクトルの内積 二つのベクトルの積の一種であり,スカラー積ともいう。二つの n次元ベクトルを x=(xi),y=(yi)(i=1 ,2,…,n)とするとき,内積は xyx1y1x2y2+…+xnyn で定義される。この内積に対して,(a) 交換法則 xyyx,(b) 結合法則 (αx)・y=α(xy)(αはスカラー),(c) 分配法則 x・(yz)=xyxz,(d) 正値性 xx≧0,(e) 非退化 すべての yxy=0なら x=0,(f)直交 xy が垂直ならば,xy=0が成り立つ。ベクトル x の大きさ(長さあるいはノルムともいう)を, で定義する。内積の定義された空間を,一般に n次元ユークリッド・ベクトル空間または単に n次元ユークリッド空間と呼んでいる。相対論などでは,定符号でない内積を考えるが,この場合には性質(d)が成立しない。また,空間が複素空間であれば成分は複素数となり,yi の共役複素数を ȳi とするとき,内積を xyx1ȳ1x2ȳ2+…xnȳn で定義する。この共役複素数 1y12y2+…,nyn と定義することもある。この場合,性質(a)が xyyx(エルミート性)に変わること以外は実数空間と同様の議論が成り立つ。
(2) 関数空間の内積 二つの複素関数 fx),gx)に対して区間[ab]上での内積を次式で定義する。
このような場合を含めて,内積をもった空間を内積空間または前ヒルベルト空間といい,それから決まるノルムの収束について完備なときヒルベルト空間という。関数系 fix)(i=1,2,3,…)が内積
をもつとき,正規直交関数系であるという。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ない‐せき【内積】
二つのベクトルの単位座標ベクトルに関する成分どうしの積の和。ベクトル, があって、二つのなす角をθとするとき、||||cosθの値をいう。=(a1, a2), =(b1, b2)と成分表示するとき、内積はa1b1a2b2の値になる。スカラー積。

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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ないせき【内積】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ないせき【内積】
〘数〙 二つのベクトル のなす角を θ とする時、||・|| cos θ を内積という。二つのベクトルが直交することと、内積の値が 0 となることとは同値である。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

内積
ないせき
スカラー積ともいう。二つのベクトルの単位座標ベクトルに関する成分どうしの積の和をいう。たとえば三次元空間における内積とは、以下のようにして定まる実数値のことである。いま空間に単位座標ベクトルe1e2e3を定め、ベクトルの成分はこれに関して表すものとする(図A)。二つのベクトル
 a=(a1,a2,a3), b=(b1,b2,b3)
の内積(a,b)は、
  (a,b)=a1b1+a2b2+a3b3
で定義される。abが0でないとき、それらのなす角をθとすれば、余弦定理によって
  (a,b)=|a||b|cosθ
が成り立つ(図B)。とくに、(a,a)=|a|2である。さらに、abが垂直であるとき(a,b)=0となり、abが単位ベクトルのとき(a,b)=cosθとなる。たとえば、いまe1e2e3を単位座標ベクトルとしているが、このことは、
  (ei,ei)=1, (ei,ej)=0
  (i,j=1,2,3 i≠j)
と書き表すことができる。このような性質をもつ座標ベクトルの組は、また内積に関する一つの正規直交系であるともいわれる。内積については次の法則が成り立つ。
(1)(a,a)≧0
  もし(a,a)=0なら、a=0である
(2)(a,b)=(b,a)
(3)任意のスカラーkに対して
  (ka,b)=k(b,a)
(4)(a+b,c)=(a,c)+(b,c)
 これを一般化して、ベクトル空間の任意のベクトルabに対して実数(a,b)が定められていて、上の条件を満たすとき、(a,b)はabの内積という。
 一方、単位座標ベクトルe1e2e3が右手系をなすとき、二つのベクトル
 a=(a1,a2,a3), b=(b1,b2,b3)
に対して、これから定まる
 (a2b3-a3b2,a3b1-a1b3,
  a1b2-a2b1)
というベクトルをabの外積またはベクトル積といい、a×bと書く。abの一方が他方のスカラー倍になっているとき、a×b=0となる。そうでないとき、外積a×bは次のようにしてabから図形的に定まるベクトルになっている。図Bにおいて、a=,b=として、右ねじを平面OABのOのところに立てる(したがって、ねじはこの面に垂直となる)。このねじをaからbへ180度以内で回したとき、ねじの進む方向に点Cをとり、OCの長さがOA,OBを2辺とする平行四辺形の面積|a||b|sinθ(θ=∠AOB)に等しくなるようにする。このとき、a×b=と表せる。外積については次の法則が成り立つ。
(a)a×b=-b×a
(b)任意のスカラーkに対して
  (kab=k(a×b)
(c)(a+bc=a×c+b×c
 また、内積と外積について次のような代表的な関係式がある。
(イ)a×(b×c)=(a,c)b-(a,b)c
(ロ)(a,b×c)=(b,c×a)=(c,a×b)[高木亮一]

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精選版 日本国語大辞典

ない‐せき【内積】
〘名〙 二つのベクトルの単位座標ベクトルに関する成分どうしの積の和。ベクトル二つのなす角をθとするとき、||||cosθ の値をいう。=(a1, a2), =(b1, b2) と成分表示するとき、内積は a1b1+a2b2 の値。スカラー積。

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