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公理【こうり】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

公理
こうり
axiom
数学の理論をつくるときの基礎におかれる命題で,無証明命題ともいわれる。公理という言葉は,ユークリッドの『原本』に述べられた公準および共通公理からきたものであるが,のちに,幾何学を構成する際の基礎におかれる命題の意味に使われるようになった。しかし,現在では,数学のあらゆる理論は,公理と呼ばれる基礎の命題から出発して,純粋に論理的に組立てられている。ある一つの理論の基礎におかれた公理全体を,公理系あるいは公理群という。初等幾何学における公理としては,点や直線平面の基本性質のほか,平行線結合,合同,順序,連続性などの基本的性質があげられる。またや体の公理といえば,「加法結合法則」をはじめ「乗法の結合法則」「分配法則」など演算の諸法則のうちのいくつかをさしていう。特に可換体は演算の諸法則の全部を公理系としている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

こう‐り【公理】
一般に通用する道理。
数学で、論証がなくても自明の真理として承認され、他の命題の前提となる根本命題。
自明であるととを問わず、ある理論の前提となる仮定

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

こうり【公理 axiom】
数学や論理学における各理論は,いくつかの命題を前提とし,それらだけを用いて理論が展開される。その前提とする各命題がその理論の公理であり,前提とするいくつかの命題を併せたものが公理系である。採用する公理系を変えれば理論が証明する定理にも変化が起こる。ふつうの幾何学の公理系によるユークリッド幾何学に対し,平行線の公理の採用をやめて,次の(1),(2)の一方を採用した2種類の非ユークリッド幾何学の存在はその例である。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

公理
こうり
axiom 英語
axiome フランス語
Axiom ドイツ語

ある理論の出発点となる仮定を公理という。数学における各理論は、いくつかの命題を前提とし、それらのみを仮定として展開される。すなわち、最初に仮定された命題や、それらからすでに導かれている命題を前提として、次々に新しい命題が導かれるのである。この仮定される最初の前提が、その理論の公理(あるいは公理系)とよばれるものである。

 そのような例としては、たとえば、自然数論の公理系として有名なペアノの公理がある。次の(1)~(5)がそれである。

(1)1は自然数である。

(2)nが自然数ならばn+1も自然数である。

(3)nが自然数ならばn+1≠1である。

(4)n+1=m+1ならばn=mである。

(5)自然数xについての述語P(x)について、P(1)および「任意の自然数kについてP(k)ならばP(k+1)」が成立すれば、すべての自然数nについてP(n)である。

 かつては、公理とは「自明な命題」のことと考えられていた。つまり、いくつかの「自明な命題」から自明でない正しい命題を導き出すものが理論である、と考えられていたのである。紀元前300年ごろ集大成されたといわれているユークリッドの『幾何学原本』(ストイケイア)では、すでに、幾何学がこのように公理的に構成されている。そこでは、「任意の点から任意の点まで直線が引ける」などの公理からなっているが、そのなかには「平行線公理」といわれるものも含んでいる。この公理は他に比べて複雑で、あまり自明とも思われなかったため、他の諸公理から導けるものと考えられていたが、19世紀に至って、平行線公理のかわりに、その否定命題を公理としても新しい幾何学ができることが確かめられた。これが非ユークリッド幾何学である。

 公理とは「自明な命題」ではなく「理論の前提となる仮定」であるという認識は、このような歴史的展開から得られたのである。

[廣瀬 健]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

こう‐り【公理】
〘名〙
① 一般に通用する道理。社会を通して行なわれるはずの道理。公道(こうどう)
※上杉家文書‐永正一六年(1519)一二月二一日・長尾景行書状「就之公理御越度には罷成間敷候哉」
※もはや「戦後」ではない(1956)〈中野好夫〉「なんと云われようと勝手だが、公理だからやはりこれを云う」 〔呉志‐張温伝〕
② 論理学で、演繹(えんえき)的理論の出発点として、証明なしに採用される命題。古くは、自明の理と考えられるものだけがそれに値するとされたが、現在では、その無矛盾性を証明することは不可能であっても、直接に自明の理として承認され、それによって他の命題を証明することのできる基本命題をいう。〔教育・心理・論理術語詳解(1885)〕

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