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公武合体【こうぶがったい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

公武合体
こうぶがったい
江戸時代末期における政治運動の一つ。「公」は公家すなわち京都の朝廷を,「武」は武家である江戸の幕府をさす。朝廷と幕府との合体は,本質的には朝廷が古来から日本民族統合の権威的象徴であり,権力を掌握した幕府がその統治権を正統化して支配体制を強化する目的で朝廷の権威を制御しつつも利用しようとしたことに始る。江戸幕府は,それゆえ他の大名が朝廷に直接関係することを厳格に規制し,朝廷が反幕勢力の拠点とならないように諸種の制度を設け,表面上朝廷を尊崇するたてまえをとり,将軍の宣下は,形式的には朝廷から与えられるならわしであった。しかし,江戸時代末期に水戸学を中心として日本民族の正統な支配者は皇室であるとの主張が,いわゆる尊王論となって勃興し,幕府支配のイデオロギーに対する有力な挑戦がなされるようになった。のみならず,開国条約の勅許を幕府が朝廷に請願し,また,諸大名に意見を諮問したことから従来の体制そのものに変化が生じた。朝廷は鎖国攘夷を主張し,尊王攘夷派の拠点となって,諸大名も朝廷の意見を動かし幕府と対立する勢いを示すようになった。大老井伊直弼が暗殺 (→桜田門外の変 ) されたあと,老中安藤信正 (→坂下門外の変 ) らは,衰えつつある幕府の統治力を,朝廷との融和,結合をはかることによって回復しようと考え,孝明天皇の妹和宮を将軍家茂に降嫁させることに尽力した (→和宮降嫁問題 ) 。また薩摩藩,長州藩のなかにも,幕府あるいは朝廷のいずれかを優越させた公武合体による連合政権の樹立に奔走する動きがでた。そのように公武合体は尊王攘夷と対決する立場にあって,文久2 (1862) 年,薩摩藩が幕府と協力して尊王攘夷派を京都から追放し,一時は公武合体が成立するかにみえたが,まもなく内部抗争から瓦解し,薩摩藩は討幕へと方針を転換した。

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デジタル大辞泉

こうぶ‐がったい【公武合体】
江戸末期、朝廷幕府とが一致して外敵の難を処理し、同時に幕府の体制の立て直しを図ろうとした構想。大老井伊直弼(いいなおすけ)の死後、老中安藤信正らが主張、和宮(かずのみや)降嫁が実現したが、のち、戊辰(ぼしん)戦争で討幕派に圧倒された。

出典:小学館
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防府市歴史用語集

公武合体
朝廷(公)と幕府(武)が協力して、政治を行うことを理想とする思想です。この思想を持つ公家などの働きによって、孝明天皇[こうめいてんのう]の妹の和宮[かずのみや]と将軍徳川家茂[とくがわいえもち]が結婚しました。

出典:ほうふWeb歴史館
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大辞林 第三版

こうぶがったい【公武合体】
幕末期、朝廷の伝統的権威と結び付き、幕藩体制の再編強化を図ろうとした政治論、およびその運動。桜田門外の変後、和宮降嫁で具体化したが次第に行き詰まり、倒幕派に圧倒された。

出典:三省堂
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精選版 日本国語大辞典

こうぶ‐がったい【公武合体】
〘名〙 幕末期、幕藩体制の再強化をはかるために幕府が朝廷の伝統的権威と結びつこうとした政治的構想および思想。万延元年(一八六〇)桜田門外の変後、井伊政権から久世・安藤政権に引きつがれ、孝明天皇の妹和宮が一四代将軍徳川家茂に降嫁。しかし尊王攘夷運動が高まると、公武合体運動は佐幕的傾向をもち、結局、戊辰戦争によって薩長の討幕派に圧倒されてしまう。
※久保清太郎・久坂玄瑞宛吉田松陰書簡‐安政六年(1859)八月一三日「去年薩侯の内命にて上京、三条公に謁し公武合体の論を陳ず」

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