Rakuten infoseek

辞書

公地公民【コウチコウミン】

デジタル大辞泉

こうち‐こうみん【公地公民】
土地と人民はすべて国家の所有とし、私有を認めないこと。大化の改新の際に打ち出され、以後律令制原則となった。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

こうちこうみん【公地公民】
日本古代の律令国家の国制の基本的な性格の一つとして,近代史学がつくりあげた概念。すべての土地と人民は朝廷に属するとし,豪族の私地私民に対立する概念。大化改新によって私地私民を廃止し,公地公民の政策が打ち出され,約半世紀後の大宝律令の施行によって公地公民制が確立したというのが通説である。しかし,すでに中田薫が指摘しているように,律令においては,口分田(くぶんでん)は私田とされていた。口分田を公民に班給する班田収授制は,公地公民制の中心的な施策と考えられてきたが,その口分田が律令においては公田でなく私田とされていたのである。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

こうちこうみん【公地公民】
皇族・諸豪族の私有地・私有民を廃止し、すべての土地・人民を国家すなわち天皇の所有とすること。大化の改新で宣言され、律令制の基本とされた。 ⇔ 私地私民

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

公地公民
こうちこうみん
律令(りつりょう)制の基本原則の一つ。大和(やまと)国家は私地私民を原則として直轄領以外は諸豪族による国土の間接支配を行い、世襲職制によってしだいに政治組織を整備していったが、7世紀に入って東アジアの緊張が中国と朝鮮の間で高まり、日本は軍事力の強化と国内の政治的安定のために、強力な中央集権国家の形成が急務となった。このため、まず645年(大化1)に中大兄(なかのおおえ)皇子、中臣鎌足(なかとみのかまたり)らは旧体制を維持しようとする蘇我(そが)氏をクーデターによって排除し、翌年正月に国制改革の方針を「改新の詔」の形で発表した(大化改新)。これは、中国の律令制度を導入して公地公民主義を採用し、すべての土地(主として既耕の水田)と人民を国家の領有とするとともに、官僚制による強力な中央集権体制を樹立しようとするものであり、以後、この方向に沿って大宝(たいほう)律令(701)の制定までの約半世紀にわたって、公地公民の確立に努めた。公地と公民は律令の法文上では天皇の所有のような表現がとられているが、現実には中央豪族(貴族)全体による共有とみるべきであり、旧来の氏姓制体制下での彼らの諸特権は、いろいろな形で確保されている。公地の中心をなすのは口分田(くぶんでん)であるが、そのほか官田、位田、職田(しきでん)、功田、賜田、諸司田、寺田、神田があった。公民とは口分田の班給を受け、戸籍に登録されて国家に租税を納める良民をいい、品部(しなべ)、雑戸(ざっこ)もこのなかに含まれているが、貴族や賤民(せんみん)はこれから除外されている。推古(すいこ)天皇のころから公民という語が使われているが、これは屯倉(みやけ)の田部(たべ)や各種の職業部、あるいは御名代(みなしろ)の部のような朝廷所属の民を公民といっているにすぎないので、律令的公民の理念を示したものとみるべきではない。[平田耿二]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

こうち‐こうみん【公地公民】
〘名〙 令制における土地・人民の公有制を説明する用語。大化改新の詔によって私地私民制を廃し、収公して天皇の土地・人民とした原則。戸籍によって国家に把握された公民は、租庸調を課された人民で、貴族・僧侶・賤民を含まない。奈良時代には過重な負担からのがれて浮浪し逃亡する公民が後をたたず、一方、天平一五年(七四三)墾田永年私財法によって土地公有の原則がくずれ、ここに公地公民制の崩壊は決定的となる。ただし、「公民」の語は律令には使用されていないなど、近代歴史学が用いた学術用語であり、律令法とは必ずしも一致しない。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社日本史事典 三訂版

公地公民
こうちこうみん
土地・人民の私有を許さないという律令制の原則
大化の改新で,屯倉 (みやけ) ・田荘 (たどころ) や部民を廃し,土地・人民を国有とした。この国有の土地が公地で,国有の人民が公民である。この制度の上に,班田収授制をしき,公民に口分田を給して,租・調などを負担させた。奈良時代三世一身の法(723)・墾田永年私財法(743)以後,荘園が発達するとともに崩壊した。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
金澤利明 竹内秀一 藤野雅己 牧内利之 真中幹夫
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

公地公民」の用語解説はコトバンクが提供しています。

公地公民の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.