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八虐【はちぎゃく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

八虐
はちぎゃく
大宝,養老律劈頭にみえる,特に悪質と認められた8つの犯罪群。母法である「唐律」では「十悪」であったが,日本律は,不睦,内乱を除いて,(1) 謀反,(2) 謀大逆,(3) 謀叛,(4) 悪逆,(5) 不道,(6) 大不敬,(7) 不孝,(8) 不義の8項目にまとめている。内乱の削除は,日唐慣行の相違から生じたことであるが,不睦のほうは,その必要を慣習の差異に帰しがたい。その理由は,周礼の八刑の制が参酌されたこと,10を9に改訂すると,数字の整合性が失われると考えられたことなどにあったと考えられる。八虐に属する犯罪は,その法定刑がたとい軽微であっても,その処分において,除名を伴うなど,さまざまな加重措置を受けることになっていた。なお八虐条は明治初年頭の刑法典『仮刑律』には採用されたが,その後明治3 (1870) 年9月六議条とともに削除された。

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デジタル大辞泉

はち‐ぎゃく【八虐/八逆】

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世界大百科事典 第2版

はちぎゃく【八虐】
律の条文のうち,主として儒教的見地から道徳上の教えに違反する罪を集めて,それを謀反(むへん)(反をはかる),謀大逆(大逆をはかる),謀叛(むほん)(叛をはかる),悪逆,不道,大不敬,不孝,不義の8項目に分類し(表参照),それに特別な法的効果を付与した規定。したがって八虐に当たる罪に対する刑罰がすべて重いとは限らない。日本律の八虐は,唐律の十悪を模したものであるが,十悪の不睦に当たる罪の大半を不道に移し,また十悪の内乱に当たる罪の一部を不孝に加えて,唐律の不睦,内乱を削って八虐としたものである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

八虐
はちぎゃく
大宝(たいほう)・養老(ようろう)二律の名例律(みょうれいりつ)に規定された八つの大罪。唐律を模し、その十悪のうち不睦(ふぼく)・内乱を整理し8項とした。(1)謀反(むへん)(「国家」すなわち天皇を害することを謀る罪)、(2)謀大逆(ぼうだいぎゃく)(山陵または皇居を毀(こぼ)つことを謀る罪)、(3)謀叛(むほん)(内乱または外患を謀る罪)、(4)悪逆(祖父母・父母を殴り殺そうと謀り、伯叔父(はくしゅくふ)・姑(こ)〈父の姉妹〉などを殺す罪)、(5)不道(一家の死罪にあたらない者3人を殺すなどの罪)、(6)大不敬(だいふきょう)(大社を毀ち、天皇の御物を盗み、天皇を誹謗(ひぼう)し、詔使(しょうし)の命に従わないなどの罪)、(7)不孝(ふきょう)(祖父母・父母を告訴し、または詛(のろ)い罵(ののし)るなどの罪)、(8)不義(帳内(ちょうない)・資人(しじん)が主人を殺し、本国の守または恩師などを殺し、夫の喪中に再婚するなどの罪)、である。悪逆以下は別に規定される犯罪のうち、とくに名教を損ずるものをあげたものである。総括すれば、律令(りつりょう)国家の秩序維持に重要なものを八虐と称したのである。八虐を犯した者は議請減(ぎしょうげん)・贖(しょく)の特典を失うし、また常赦(じょうしゃ)にあっても赦されなかった。なお、「謀る」は未遂または2人以上の共謀を意味する。[石井良助]

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