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光速度【こうそくど】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

光速度
こうそくど
velocity of light
光のわる速さ。真空中の光速c は重要な普遍定数で,その値は 2.99792458×108m/s である。光速度は1秒間に赤道を 7.5周する速さで,空気中の音速の約 90万倍。物質中での光速度c/n ( n は物質の絶対屈折率で1より大) であって,真空中より小さい。音の速さと違って,光の速さは光源や観測者の運動および光の進む方向に関係なく不変であるという実験事実は,光速度不変の原理として特殊相対性理論の基礎原理をなす。この理論によれば,粒子の速さは真空中の光速度 c より大きくはならない。素粒子論では c より速い粒子タキオンが仮想されているが,その存在は実証されていない。しかし,粒子は物質中で c/n より速く (もちろん c より遅く) 動くことができる。たとえばプール型原子炉の炉心近くの青白い光は水中の光速度 c/n より速く動く荷電粒子が出すチェレンコフ放射光である。光速度は真空中では光の振動数すなわち色に関係しないが,物質中では色によって違うので,プリズムや水滴では白色光が色分解される。レーダ測距儀はレーダ電波のビームを放射し,対象物からの反射波を検出するまでの時間と光速度との積から距離を精密測定する装置である。光速度の値は 1676年初めて O.C.レーマーによって,地球と木星との距離変化による木星の衛星の食周期の変動から 2.143×108m/s と求められた。地上での光速度の測定は 1849年 A.-H.-L.フィゾーにより 8.6km離れた2地点間で光を往復させて行われた。さらに 50年フィゾーと J.-B.-L.フーコーは実験室内での光速度測定に成功した。その後 A.A.マイケルソンや他の人々によって測定が繰返され,現在ではマイクロ波レーザーによる精密測定がなされている。

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デジタル大辞泉

こう‐そくど〔クワウ‐〕【光速度】
光が伝わる速度。真空中では、毎秒299792458メートル。物理定数の一つで、記号cで表す。光速。

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監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

こうそくど【光速度 light velocity】
光の伝搬する速さであるが,単に光速度といった場合は,真空中でその波長よりずっと大きな空間を伝わる光の速さを指す(以下においても光速度という場合は真空中の速さとする)。これは通常cで表され,その値はc=2.99792458(1.2)×108m/sである。ここで( )内の数字は最終桁に対する誤差を示す。光速度は光の波長に依存せず,マイクロ波でも電波でも,すべての電磁波で同じであり,したがって,光の信号速度も位相速度もこの値となる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

こうそくど【光速度】
光の伝わる速さ。真空中では毎秒約30万キロメートル で、電磁波の伝播速度に等しい。普遍定数の一。記号 c  光速。

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(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

光速度
こうそくど
speed of light
光が伝わる速さ。単に光速ともいう。真空中における光速度は、振動数に関係なく一定で、普遍定数として通常cで表す。光速は毎秒約30万キロメートル、現在c=299792.458km/secが国際的な標準値と定義されている。光は電磁波であり、電磁波の伝搬速度も、電磁的作用の伝達速度も、cである。アインシュタインが特殊相対性理論の基礎として、相対性原理とともに設定した光速度不変の原理は、互いに等速度運動をするすべての観測者(慣性系)に対して真空中の光速度はつねにcであるという原理であり、光速度は光源の運動状態によらないとも表現される。物質中を光が伝わる速さは、cを媒質の屈折率で割った値で、cより小さい。光は電磁波であるとともに、電磁場の量子として粒子性を有している。光の量子は質量ゼロの粒子であり、光子(フォトン)とよばれる。光子が伝わる速さもcである。質量をもつ粒子の速度は光速度を超えることはできない。光子以外の素粒子でも質量がゼロならば、その粒子の速度はcの大きさとなる。ニュートリノ(中性微子)のように質量が非常に小さい場合には、エネルギーは小さくても速さはcに非常に近い。特殊相対性理論の数学的枠組みのなかで、仮想的に質量を虚数にとって超光速粒子(タキオン)の理論的可能性が指摘され、実験的にも追究されたことがあったが、その証拠となるものはみいだされていない。
 光速度を測る研究は、歴史的にはガリレイにまでさかのぼる。地上の2点間を通過する時間を測る方法で、光速は非常に大きいとの結論を得たが、数値は求められなかった。彼は、数値をみいだす方法として、木星の衛星の観測による方法を示唆した。1676年にデンマークの天文学者レーマーが、木星の衛星の食周期の変化を観測して、初めて光速の数値をみいだした。その後、1727年にイギリスの天文学者J・ブラッドリー、1848年にフランスの物理学者フィゾー、1850年にJ・B・L・フーコー、1926年にアメリカの物理学者マイケルソンなど多くの学者がそれぞれ独自の方法によって測定を行っている。cを正確に決定するためには、地上の2点に離れた時計をあわせる必要がある。この困難を解消するため、反射して返ってくる光の信号が用いられるようくふうされた。
 光速度は宇宙における現象から微視的世界(原子・分子、原子核、素粒子の世界)に至る記述に表れる基礎物理定数である。その値は重要な意味をもつことから、測定値の精度の向上が絶えずなされてきた。1983年に長さの単位を時間の単位と光速度から定めることになり、前掲のcの値は定義値となった。すなわち、1メートルは光が真空中を2億9979万2458分の1秒の間に進む距離である。[玉垣良三・植松恒夫]
『小山慶太著『光で語る現代物理学――光速Cの謎を追う』(講談社・ブルーバックス)』

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精選版 日本国語大辞典

こう‐そくど クヮウ‥【光速度】
〘名〙 真空中を光が進む速さ。一秒間に約三〇万キロメートル(国際的標準値 C=299792458m/s)。光速。〔自然科学的世界像(1938)〕

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