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元首【げんしゅ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

元首
げんしゅ
chief of state
国家を外に向って一般的に代表する資格をもつ機関。元の公的行為はすなわち国家の行為であり,その行為の効果は国際法上国家に帰属する。そのような行為の主要なものとして,外交官や領事官の派遣と接受,条約の締結,宣戦および講和などがあげられる。元首は国家の威厳を代表する者として,外国に滞在する場合には,儀礼,不可侵権 (名誉,身体,住居など) ,治外法権 (裁判権,警察権,課税権からの免除) など,広い特権を享有する。歴史的には,国家有機体説に基づいて,主権者にして行政権のにない手であるという背景において対外的に国家を代表する君主を国家の頭になぞらえるところから生じたものであるが,君主制の衰退に伴い,行政権の首長にして条約締結権その他の対外的代表権をもつものを,さらには対外的代表権に局限してその資格をもつものを元首と考えるようになった。ある国においてどの地位にある者が元首の資格をもつかは通常憲法で定められている。明治憲法下の天皇は本来の元首といえ,憲法でも天皇を「国ノ元首」と規定していた。しかし日本国憲法下でだれが元首かは必ずしも明確ではない。日本国憲法上条約締結権や外交関係を処理する機能は内閣にある (73条2,3号) から,元首は内閣ないし内閣の代表権をもつ内閣総理大臣ともいえるが,天皇も全権委任状信任状の認証,批准書その他の外交文書の認証および外国の大使・公使の接受をなし (7条5,8,9号) ,その限り国を代表する機能を果しており,諸外国も天皇を元首扱いしている。

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デジタル大辞泉

げん‐しゅ【元首】
国の首長。
国際法上、外部に対して一国を代表する資格をもつ国家機関君主国では君主、共和国では大統領など。

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もと‐くび【元首】
首の根もと。また、頭。
「冑のしころより―まで鋒(きっさき)五寸ばかりぞ打ち込みたる」〈太平記・一四〉

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世界大百科事典 第2版

げんしゅ【元首 head of the state】
有機体としての国家の首部だとか,国家権力の全能者という元首の観念はほとんど歴史的役割を果たし終え,今日では,通例,対外的に国家を代表する地位にある国家機関をいい,条約の締結,外交使節の任免,全権委任状・信任状の発受などの外交権能を伴う。元首を,君主のように世襲によるものとするかどうか,合議機関(例,旧ソ連邦最高会議幹部会)とするかどうか,また実質上行政の首長として国政を統轄するものとするかどうかは,それぞれの国の憲法の定めるところによる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

げんしゅ【元首】
一国の首長。
国際法上、外部に向かって国家を代表する資格をもつ国家機関。君主国では君主、共和国では大統領。日本では明治憲法下の天皇。 日本国憲法には規定がないため、学説上見解が分かれているが、国際慣行上は、天皇が元首として扱われている

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日本大百科全書(ニッポニカ)

元首
げんしゅ
head of the state英語
Staatsoberhauptドイツ語
一般には国の首長を意味する。この元首という概念は、国家を生物に例えた場合(国家有機体説)その頭の部分にあたることから由来した。したがって元首とは、対外的にその国を代表する地位と権限をもつ者のことであるが、国内的には統治権や行政権をもつ者を元首とよぶ。普通は君主国における君主、アメリカ合衆国のような共和国における大統領が元首にあたるが、旧ソビエト連邦の最高会議幹部会(その議長が元首として扱われることもあった)などのように合議体が元首である場合もある。では、日本国憲法のもとでの元首とはだれか。明治憲法では第4条において「天皇ハ国ノ元首ニシテ統治権ヲ総攬(そうらん)スル」と明記されていたが、現憲法では元首を定める規定がないためさまざまな見解が主張されている。学説の大多数は、条約の締結権や外交使節の任免権のほか一般に外交関係を処理する権限をもつ内閣を元首とみるか、あるいは行政権の首長として内閣を代表する内閣総理大臣を元首とみなしている。しかし最近では、対外的に国家を儀礼的に代表する権限をもつだけで十分とし、国家の名目的・儀礼的な象徴の地位にある者を元首的性格をもつ者とみる考え方も出てきた。この場合には天皇が元首であるということになろう。[田中 浩]

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精選版 日本国語大辞典

げん‐しゅ【元首】
〘名〙
① 国の首長。国家の統治者。君主。天皇。
※懐風藻(751)述懐〈文武天皇〉「猶不往古、何救元首望
※古道大意(1813)下「万国の元首則(すなはち)かしらで、人体で譬やうならば額の処」 〔書経‐益稷〕
② 国際法上、外部に対して一国を代表する資格を持つ国家機関。君主国では君主、共和国では大統領。
※大日本帝国憲法(明治二二年)(1889)四条「天皇は国の元首にして統治権を総攪し」
③ 年のはじめ。〔晉書‐律歴志中〕

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もと‐くび【元首】
〘名〙
① 首の根もと。また、そこから上の頭。
※太平記(14C後)一四「冑のしころより本頸(もとクビ)まで鋒(きっさき)五寸計ぞ打こみたる」
② 元凶。張本人。
本福寺跡書(1560頃)東山大谷殿破却之事「あのもとくびがしなしぞ。ただなかとをさん」

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