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傾城阿波の鳴門【けいせいあわのなると】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

傾城阿波の鳴門
けいせいあわのなると
浄瑠璃。時代物。 10段。近松半二ら5人の合作。明和5 (1768) 年大坂竹本座初演。近松門左衛門による同名の歌舞伎狂言 (1695) の改作といわれるが,原形はとどめていない。近松の浄瑠璃夕霧阿波鳴渡』,並木十輔ら合作の歌舞伎けいせい睦玉川』の影響も受けている。また,作中の玉木家当主は,明和4 (1767) 年の実録体小説,浪華散人著『阿淡夢物語』で知られる徳島藩 10代藩主蜂須賀重喜をモデルとする。玉木家御家騒動の解決に奔走する阿波の十郎兵衛,お弓夫妻を中心に,過って父に殺される娘の巡礼お鶴,遊女夕霧伊左衛門の恋,若殿を愛する傾城高尾などを織り込み,最後に悪人が滅びる筋。8段目「十郎兵衛住家」 (通称「順礼唄の段」) が最も有名で,文楽や淡路人形浄瑠璃でしばしば上演される。

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デジタル大辞泉

けいせいあわのなると〔ケイセイあはのなると〕【傾城阿波の鳴門】
歌舞伎狂言時代物。三番続き。近松門左衛門作。元禄8年(1695)京都早雲座初演。和泉国斑鳩(いかるが)家のお家騒動を描く。
浄瑠璃。時代物。10段。近松半二らの合作。明和5年(1768)大坂竹本座初演。お弓とその子お鶴の愁嘆を描く8段目「順礼歌の段」が有名で、歌舞伎では舞台をどんどろ大師前に改めて上演される。

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世界大百科事典 第2版

けいせいあわのなると【傾城阿波の鳴門】
(1)歌舞伎狂言。時代物。三番続き(3幕)。近松門左衛門作。1695年(元禄8)3月京の早雲座で初演。法隆寺仏舎利開帳を当てこんだ斑鳩(いかるが)家のお家騒動物で,〈阿波鳴門物〉とは別種。(a)序幕 斑鳩家の2人の息,大蔵と十介は,互いに兄弟と気づかず,由兵衛・松兵衛と名のり土工として働いている。十介は斑鳩家に復帰するが継母に邪恋をしかけられ再び家を出る。(b)二幕 大蔵の娘お妻が十介の恋人の和州に助けられたことから,兄弟一緒に家国横領の兵庫一味を討つことになる。

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大辞林 第三版

けいせいあわのなると【傾城阿波の鳴門】
人形浄瑠璃。時代物の一。近松半二・竹本三郎兵衛らの合作。1768年初演。「夕霧阿波の鳴渡」の改作で、夕霧伊左衛門の話に、伊達騒動を持ち込み、阿波徳島の玉木家のお家騒動とする。巡礼姿の娘お鶴に母お弓が親子の名乗りができないで別れる八段目「巡礼唄の段」が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

傾城阿波の鳴門
けいせいあわのなると
浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。世話物。10段。近松半二(はんじ)、八民(やたみ)平七、吉田兵蔵、竹田文吉、竹本三郎兵衛合作。1768年(明和5)6月、大坂・竹本座初演。「契情(けいせい)~」とも書く。近松門左衛門作の浄瑠璃『夕霧阿波鳴渡(ゆうぎりあわのなると)』に基づき、阿波徳島玉木家の御家騒動に、夕霧伊左衛門の情話と阿波の十郎兵衛の巷説(こうせつ)を取り入れた作。八段目「巡礼歌の段」が有名で、今日でも多く上演される。旧主玉木家への忠義のため、盗賊となった十郎兵衛の女房お弓が、偶然訪ねてきた巡礼娘お鶴(つる)を、わが子と知りながら、難儀をかけるのを恐れ、母親と名のらずに別れる話。歌舞伎(かぶき)では、この場を後世の改作により、どんどろ大師前の場面で演じることが多く、俗に「どんどろ」とよぶ。
 近松門左衛門には同題の歌舞伎脚本がある。1695年(元禄8)3月、京都早雲座初演。法隆寺開帳を当て込んだ斑鳩(いかるが)家の御家騒動の話で、半二の作とは関係がない。[松井俊諭]

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精選版 日本国語大辞典

けいせいあわのなると ‥あはのなると【傾城阿波の鳴門】
[一] 歌舞伎。時代物。三幕。近松門左衛門作。元祿八年(一六九五)京都早雲座初演。同年洛東の長楽寺で行なわれた法隆寺の仏舎利の開帳を当て込んだ作。和泉国斑鳩(いかるが)家のお家騒動物。
[二] 浄瑠璃。時代物。一〇段。近松半二らの合作。明和五年(一七六八)大坂竹本座初演。「夕霧阿波鳴渡」の書き替え。夕霧伊左衛門の話に伊達騒動、阿波の海賊十郎兵衛の巷説をとり入れたもの。八段目のお弓とその子お鶴の愁嘆の場が特に有名で、歌舞伎では「どんどろ大師の場」として繰り返された。阿波の鳴戸。

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