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偽装請負【ぎそううけおい】

知恵蔵

偽装請負
労働者派遣の場合は、派遣元事業主には健康保険厚生年金保険への加入、所得税法上の源泉徴収などの義務が発生する。こうした条件を満たさず、適法な労働者派遣、職業紹介の方法によらず、形式上は請負の形態で働かせること。その背景には派遣や業務下請けによる間接雇用が増加し、労働市場の2極化が進行していることがある。2006年ごろから告発が続き、社会問題化した。
(桑原靖夫 獨協大学名誉教授 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

偽装請負
実態は指揮命令を受けて働く「派遣」なのに、「請負」を装う労働形態。安全管理責任があいまいになり、職業安定法や労働者派遣法に抵触する。2000年代に社会問題化した後も建設業などで続き、原発・除染の現場でも横行している。
(2013-03-12 朝日新聞 朝刊 1総合)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ぎそう‐うけおい〔ギサウうけおひ〕【偽装請負】
実際には派遣労働であるのに、請負契約を装うことで企業が雇用責任を免れようとすること。請負事業は本来、請負業務を発注する会社(委託会社)と業務を引き受ける請負会社が請負契約を結び、請負会社が自社で雇用した労働者に指示を出して業務を完成させるものである。請負会社が委託会社に労働者を派遣し、委託会社の指示のもとで業務を行わせることは派遣事業とみなされ、労働者派遣契約を結ばずにこうした派遣を行うことは労働者派遣法および職業安定法に違反する。派遣事業の場合、派遣先の委託会社は使用者として労働時間管理や安全衛生の確保などの責任を負うが、偽装請負の場合、実質的な使用者(委託会社)と契約上の使用者(請負会社)が一致しないため、責任の所在が不明確になりがちで、雇用や安全上の問題が生じやすくなるおそれがある。
[補説]請負労働者への業務上の指示を請負会社が行わない限り、請負事業とは認められない。例えば、委託会社の管理者が請負労働者に対して作業方法などを文書または口頭で指示する場合や、請負労働者が委託会社の社員と同じ職場で作業しているため必然的に委託会社の担当者から直接指示を受ける状況にある場合、請負会社の管理者が請負労働者を兼ねていて他の請負労働者を十分に管理できない場合などは、いずれも偽装請負とみなされる。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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人材マネジメント用語集

偽装請負
・契約上は注文主と労働者との間に指揮命令関係を生じない「業務請負」の形式をとっているにも関わらず、実際には注文主の指揮命令下で労働者に業務を行わせるこ
と。
・「業務請負」では労働安全衛生法に基づく事業者責任は請負業者が負い、注文主には業務上一切責任がない。「労働者派遣」や、実態が労働者派遣となる「偽装請負」
の場合は、当該事業者責任は派遣先(注文主)が負うことになるため、注文主が事業者責任を負わない「業務請負」が広まった。
・「労働者派遣」か「業務請負」かは、契約形式ではなく実態に即して判断され、労働者と注文主との間に指揮命令関係があれば、労働者派遣と見なされるため、『偽装
請負』は「職業安定法第44条」及び「労働基準法第6条(中間搾取の排除)」に抵触する。
製造業では、2004年2月までは労働者派遣が禁止されていたために、それまではコスト抑制対策の為に「業務請負」の形式をとっている業者は多かった。
・2004年3月の製造業への労働者派遣解禁後も、製造業への労働者派遣は派遣期間が1年と限定されており、派遣期限後は労働者へ直接雇用を申し込む義務があったため、「偽装請負」の実態が減ることはあまりなかった。
・製造業に限らず、IT業界でも個人事業主や請負業者が業務を請け負っているにも関わらず、現場の指揮管理責任者がおらず、注文主から直接の指揮命令により業務を
行っていることも多い。
・近年は、大手メーカーによる偽装請負の実態がマスコミに明らかになり、また2007年3月には製造業への派遣期限が3年に延長されたことなどもあり、偽装請負の実態は
減ってきている。

出典:(株)アクティブアンドカンパニー

人事労務用語辞典

偽装請負
契約上は「業務請負」(アウトソーシング(外部委託)の一種で、製造、営業など業務を一括して請け負う形態)や個人事業主であっても、実態が人材派遣に該当する労働形態を指します。
(2006/11/6掲載)

出典:『日本の人事部』
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日本大百科全書(ニッポニカ)

偽装請負
ぎそううけおい
実態は労働者の派遣であるにもかかわらず、請負と見せかけること。A社の業務をB社が請け負った場合、その業務についての責任はB社が負い、B社の労働者がB社の指揮命令の下で働く。これが通常の請負契約だが、形だけ請負契約とし、実際にはB社がA社に労働者を送り込み、労働者はA社の指揮命令の下で派遣労働者のように働く場合を偽装請負という。A社としては直接の雇用責任を負わず、人員削減も実施しやすいことなどからメーカーの間で1990年代に広がった。職業安定法や労働者派遣法に抵触する違法行為である。
 2006年(平成18)にキヤノンなど大企業の工場で偽装請負の横行が発覚、社会問題化した。このため、大手メーカーは請負契約をやめ、法令上問題のない労働者派遣契約に次々と切り替えていった。ただ、労働者派遣法に基づく派遣期間の上限は3年であり、2006年ごろに派遣契約に切り替わった労働者の契約期限が2009年から次々と満了する。景気低迷の影響で失業が増えるなか、派遣の「2009年問題」といわれている。[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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