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偏光【へんこう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

偏光
へんこう
polarization of light
光の電気ベクトルまたは磁気ベクトルの振動方向が,あらゆる方向に一様に分布しているのではなく,方向性をもつとき,その光を偏光または,かたよった光という。光の進む方向と電気ベクトルの方向とを含む面を偏光面という。偏光は,偏光面の方向分布が一様でない光のことであって偏光面が一平面に限られている光を直線偏光,偏光面が光の進行につれて光の周波数で回転していくものを回転偏光という。回転偏光は電気ベクトルまたは磁気ベクトルの振幅が一様な円偏光と,一様でなくて楕円的に変化する楕円偏光とに区別される。

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デジタル大辞泉

へん‐こう〔‐クワウ〕【偏光】
光波の振動方向の分布が一様でなく、つねに一定の平面に限られている光。振動方向が一直線上に限られる直線偏光、円や楕円を描く円偏光楕円偏光がある。自然光は反射すると偏光になる。⇔自然光

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栄養・生化学辞典

偏光
 光の振動の面が一つの面だけになった光.光学活性体を通過すると面の角度入射面と変わる.

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世界大百科事典 第2版

へんこう【偏光 polarized light】
光による回折・干渉実験から,光が波の性質をもつことがわかるが,この光波は,進行方向に対して垂直方向に振動する横波なのか,あるいは進行方向と振動方向とが一致する縦波なのであろうか。このことを調べるために次のような実験をしてみよう。結晶軸に平行に切った電気石の薄い板を通して光源を見ながら,その板を回しても,明暗の変化は起こらない。しかし,この板を2枚重ねて,一方を回してみると,2枚の結晶軸の方向が平行のときはもっとも明るく,垂直のときはもっとも暗くなる。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

へんこう【偏光】
電場ベクトル(あるいは磁場ベクトル)の振動方向の分布が一様でなく、かたよっている光。振動方向が一直線上に限られる直線偏光、円を描いて振動する円偏光などがある。 ⇔ 自然光直線偏光回転偏光

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日本大百科全書(ニッポニカ)

偏光
へんこう
polarization of light
光波の振動方向が規則的なものおよびその状態。光は電磁波の一種で、一様な媒質中ではその電界・磁界の振動方向、伝搬方向の三つが互いに垂直な横波である。[田中俊一]

偏光の分類

直線偏光は図Aのように電界E(したがって磁界Hも)が伝搬方向(z軸)を含む面内(Exz面内、Hyz面内)に正弦波状に振動している光で、このため平面偏光ともよばれる。Eの振動を式で表せば

で与えられ、Aは電界の振幅、νは振動数、tは時間、δは初期位相で、図の波動は全体としてzの正方向へ速度vで伝搬することになる。一般の偏光は互いに垂直方向に振動する二つの直線偏光の合成とみなすことができ、それらの電界を

で表せば、合成されたEの軌跡は普通、図Bに示すように螺旋(らせん)状に回転し、このような光は回転偏光とよばれる。そのxy面への射影は一般に楕円(だえん)で、この光を楕円偏光というが、とくにAx=Ayでかつδyx=mπ/2ラジアン(mは奇数の整数)の場合は円になり、これを円偏光という。直線偏光の場合と同様に、光波は全体として速度vzの正方向に伝搬するので、螺旋が図Bのように右ねじの場合は、あるzの面(たとえば図のxy面)を螺旋が切る点は、偏光に正対して見たとき、時間の経過とともに時計回りに回転し、この場合を右回り楕円偏光または円偏光という。逆に螺旋が左ねじの場合は左回り偏光である。とくにδyx=mπラジアン(mは整数)の場合はxy面への射影は直線となり、これは先に述べた直線偏光に相当する。
 これに対して、刻々に見れば振動方向が不規則な変化をしているが、ある時間の平均をとったときには、方向分布があらゆる方向に一様である光を自然光といい、自然光と偏光が合成されたとみなされる光を部分偏光という。部分偏光に対して、純粋な偏光(楕円、円、直線偏光)を完全偏光ということもある。[田中俊一]

偏光の応用

普通の光源から出る光は近似的に自然光とみなされる。自然光が粒子や粒子群で散乱されるときの散乱光や、ガラスなどの非吸収性媒質の表面で反射や透過をする光は一般に部分偏光になる。1808年フランスのマリュスはガラス面からの反射光についてはじめて偏光を発見した。とくにブルースターの法則を満足する入射角のときには、反射光は直線偏光になる。
 自然光を偏光に変える素子を偏光子polarizer(または偏光器)といい、ニコルのプリズムや偏光板がその例であるが、非吸収性媒質表面での反射や透過を利用するものもある。偏光子はまた光の偏光状態を調べるのにも用いられ、この場合はとくに検光子analyserという。偏光子、検光子を図Cのように配置したものは偏光計polarimeter(偏光器ということもある)とよばれ、試料による偏光の変化を、普通、検光子を光軸の周りに回転して調べ、試料の物理的性質を明らかにするのに用いられる。とくに砂糖溶液の濃度を測定するために用いられるものを検糖計という。図Cは直線偏光の変化を調べるものであるが、楕円偏光の測定を行うものもある。
 人間の目は、網膜が屈折率や吸収率の異方性をもつ物質で構成されているので一種の検光子の働きをし、入射する光の電界の振動方向を知覚することができる。すなわち、直線偏光の白色視野を注視すると、図DのAのように電界の振動方向に垂直に伸びる黄色でやや暗い砂時計状の模様が見え、その大きさは視角で2~4度、また周りに青みを帯びた部分がある。これは発見者の名前をとってその形状からハイディンガー・ブラシとよばれているが、入射する偏光の振動方向を固定すると、じきに見えなくなってしまう。ミツバチの複眼を構成する各個眼も入射偏光方位を識別でき、それぞれの個眼に入射する偏光方位の相違から、太陽の方向(大気中の微粒子の散乱によって太陽光は偏光している)を視角にして精度1~5度で検知できるといわれている。[田中俊一]
『土井康弘著『光学技術シリーズ4・偏光と結晶化学』(1975・共立出版)』

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精選版 日本国語大辞典

へん‐こう ‥クヮウ【偏光】
〘名〙 ある特定の方向にだけ電場ベクトルの振動する光。直線偏光、楕円偏光、円偏光がある。〔鉱物字彙(1890)〕

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