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個人破産【こじんはさん】

大辞林 第三版

こじんはさん【個人破産】
自己破産のうち、返済の支払いが不能となった個人が申し立てて受ける破産宣告。免責を受ける代わりに、不動産・自動車・生命保険などの資産はすべて処分され、数年間はクレジットカードやローンなどの利用も不可能となる。 → 個人再生

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

個人破産
こじんはさん
破産法上、破産手続開始の決定を受けた者を破産者といい、それは法人の破産によるものと個人の破産(自然人破産)によるものに区別できる。個人破産とは、事業者の破産を含む自然人の破産をさすが、個人破産に属するものに消費者破産あるいは多重債務者破産がある。これは、債務を負担した原因が生活上のものであり、弁済資力を欠いているにもかかわらず、主として個人、その家族および世帯のために過大な消費債務を幾重にも負担した債務者が、自らの申立て(あるいは債権者の申立て)に基づき破産手続開始の決定を受けた場合をいう。最近の傾向として個人破産事件に占める消費者破産事件、多重債務者破産事件の割合は高い。
 破産手続は、弁済能力を欠いた債務者のすべての財産を金銭に換価し、これをすべての債権者に対して平等に弁済するための裁判上の手続である。裁判所は破産手続開始の決定と同時に破産管財人を選任し、これに破産者の財産の管理・処分を行わせる(破産法2条12項、31条1項、78条1項)。破産手続開始のときに有するすべての財産は破産財団を構成し、破産管財人が管理・処分する(同法34条。固定主義)。これが最終的に債権者に対する弁済の原資となる。差押えが禁止されている財産、手続開始後に破産者が自らの労働や事業などを通じて取得した財産などは破産財団には組み込まれず(同法34条3項)、破産者はこれを手続開始後に自らの事業や活動に用いることができる(自由財産)。破産手続を通じて弁済できなかった残債権は、非免責債権を除いて免責の対象となり、裁判所の免責許可決定に基づいて、破産手続が終了した後にそれらを弁済する責任を免れる(破産法253条1項本文。破産免責)。
 個人破産事件では、破産財団を構成する財産がほとんどない場合が多い。そのため、破産手続開始後の手続(財産を換価して金銭で債権者に平等に配当する手続)が行われない同時破産廃止(裁判所がその決定に基づいて破産手続開始の決定と同時に破産手続を将来に向かって取りやめる処理。破産法216条)となるケースが多い。このような場合では、債権者に対して配当が行われないにもかかわらず、形式的にせよいったんは破産手続が開始されて破産者となったことを前提として、その後に破産免責がなされる。
 破産免責制度は破産者を経済的に再起・更生させることを目的に、英米法の下での制度を参考にして、1952年(昭和27)に旧破産法に設けられた。破産事件の総数が比較的少なかったこともあり、1970年代中ごろまでは、破産免責制度は過重な取引上の債務を負担して破産した事業者(商店を含む個人事業主など)を経済的に再起・更生させるための制度としての意味合いが強かった。しかし1970年代後半からは、消費者金融やクレジットカードの普及に伴って、多重・多額な消費債務を負った者の破産事件が大幅に増加したために、破産免責制度のあり方が問題になっていた。2004年(平成16)の破産法全面改正により、破産手続開始の申立てと同時に免責許可の申立てをしたものと原則としてみなされる(破産法248条4項本文)、破産免責許可決定の裁判が確定するまでの間に強制執行等が禁止される(同法249条)など、さまざまな手当てがなされた。[加藤哲夫]
『加藤哲夫著『法律学講義シリーズ 破産法』(2009・弘文堂)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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