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仮名手本忠臣蔵【かなでほんちゅうしんぐら】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

仮名手本忠臣蔵
かなでほんちゅうしんぐら
浄瑠璃。時代物。 11段。2世竹田出雲三好松洛並木千柳 (→並木宗輔 ) 合作。寛延1 (1748) 年大坂竹本座初演。人口に膾炙 (かいしゃ) した赤穂義士討入りを材料として,時代を『太平記』の世界にとり,吉良上野 (きらこうずけ) を高師直 (こうのもろなお) ,浅野長矩 (ながのり) を塩谷判官 (えんやはんがん) ,大石良雄を大星由良之介とする。史実に新解釈を加え,趣向,仕組みに変化をもたせつつ構成に統一を保つ。特にお軽勘平の登場から山崎の農家の悲劇を描いた5段「山崎街道・二つ玉」,6段「お軽身売り・勘平腹切」,はなやかで哀愁のある7段「祇園一力茶屋」,前半の母娘の情と後半の父性愛の両立が至難とされる9段「山科閑居」が傑出する。初演以来何百回となく操 (あやつり) と歌舞伎に上演を繰返してきた。義士劇隆盛を現出させ,またその頂点に立つ作品であり,今日でも歌舞伎 12月興行によくあてられている。

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デジタル大辞泉

かなでほんちゅうしんぐら【仮名手本忠臣蔵】
浄瑠璃時代物。11段。竹田出雲並木千柳(宗輔(そうすけ))・三好松洛(みよししょうらく)らの合作。寛延元年(1748)大坂竹本座初演。赤穂義士のあだ討ちに取材したもの。人形浄瑠璃歌舞伎の代表的名作。通称「忠臣蔵」。

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世界大百科事典 第2版

かなでほんちゅうしんぐら【仮名手本忠臣蔵】
人形浄瑠璃。時代物。2世竹田出雲三好松洛並木宗輔(千柳)作。1748年(寛延1)8月,大坂竹本座初演。11段。《菅原伝授手習鑑》《義経千本桜》と並ぶ人形浄瑠璃全盛期の名作。前年,京中村粂太郎座で上演され,初世沢村宗十郎の大岸宮内(大石内蔵助)の名演で評判となった《大矢数四十七本》に刺激されて作られたもので,〈忠臣蔵物〉の最高峰に位置する。興行中,九段目の演出をめぐって人形遣い吉田文三郎と太夫竹本此太夫とのあいだに争いが生じ,此太夫らは退座して豊竹座に移り,代わって豊竹座から竹茂都大隅らを迎えて続演,それを機として竹本・豊竹両座の曲風が混淆するという,浄瑠璃史上,注目すべき事件が起こったことでも名高い。

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大辞林 第三版

かなでほんちゅうしんぐら【仮名手本忠臣蔵】
人形浄瑠璃の一。時代物。竹田出雲・三好松洛・並木千柳作。1748年竹本座初演。通称「忠臣蔵」。赤穂あこう義士の仇討ち事件を題材としたもの。時代を「太平記」の世界にとり、塩谷えんや判官(浅野内匠頭たくみのかみ)の臣大星由良之助(大石内蔵助くらのすけ)ら四十七士が高師直こうのもろなお(吉良上野介きらこうずけのすけ)を討つことを主筋に、お軽・勘平(萱野三平)の恋と忠義などを副筋に脚色。初演後すぐに歌舞伎にも移された。人形浄瑠璃・歌舞伎の代表的演目で、興行して不入りのことがないところから、芝居の独参湯どくじんとう(起死回生の妙薬)と称せられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

仮名手本忠臣蔵
かなでほんちゅうしんぐら
浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。時代物。11段。竹田出雲(いずも)、三好松洛(みよししょうらく)、並木千柳(せんりゅう)合作。1748年(寛延1)8月、大坂・竹本座初演。赤穂(あこう)浪士の仇討(あだうち)に取材した古今の戯曲中の代表作で、通称「忠臣蔵」。近松門左衛門の『碁盤太平記(ごばんたいへいき)』をはじめとする多くの先行作に基づき「太平記」の世界を借り、吉良上野介(きらこうずけのすけ)は高師直(こうのもろなお)、浅野内匠頭(たくみのかみ)は塩冶判官(えんやはんがん)、大石内蔵助(くらのすけ)は大星由良之助(おおぼしゆらのすけ)などの役名で脚色している。名題は、いろは仮名の数に合致する四十七士の意味、武士の手本となる忠臣を集めた蔵の意味のほか、大石内蔵助の蔵を利かせたもの。
 本筋は、塩冶判官の妻顔世(かおよ)御前が足利直義(あしかがただよし)の面前で新田義貞(にったよしさだ)の兜(かぶと)を鑑定した日、執事高師直の横恋慕に悩まされる(大序―鶴が岡(つるがおか)社頭)のを発端とし、師直が恋のかなわぬ恨みから殿中で判官を侮辱、刃傷(にんじょう)になり(三段目―松の間)、扇が谷(おうぎがやつ)塩冶館(やかた)の判官切腹の場へ駆けつけた城代家老大星由良之助が仇討の決意を固めること(四段目―判官切腹・城明け渡し)へと発展。この間に、判官の同僚桃井若狭之助(もものいわかさのすけ)の家老加古川本蔵が主人の無事のために師直へ金品を贈ること(二段目―桃井館、三段目―進物)、判官の家来早野勘平(かんぺい)が腰元お軽との恋愛のため主君の大事に遅れること(三段目―裏門)などを挟む。ついで、浪人した勘平の再起を計る資金調達のためお軽が身売りすること、その金を持った親与一兵衛(よいちべえ)が山賊斧定九郎(おのさだくろう)に殺されること、定九郎を鉄砲で撃った勘平が舅(しゅうと)を殺したと思い込んで切腹して死ぬこと(五段目―山崎街道、六段目―勘平腹切)など、波瀾(はらん)に富んだ筋が展開する。さらに、祇園(ぎおん)で敵の目をくらます由良之助の遊興、遊女になったお軽と兄寺岡平右衛門(へいえもん)の再会(七段目―一力(いちりき)茶屋)、本蔵の妻戸無瀬(となせ)が娘小浪(こなみ)を大星の息力弥(りきや)に嫁がせるための苦労、本蔵が刃傷のときに判官を抱きとめた申し訳に一命を捨てて娘の恋をかなえさせる話(八段目―「道行旅路の嫁入」、九段目―山科(やましな)閑居)、討入りの武器調達を頼まれた商人天河屋義平の侠気(きょうき)(十段目―天河屋)などを経て、討入り本懐(十一段目)に至る。
 史実にとらわれない自由な脚色だが、作劇、人物描写ともに優れ、とくに観客が劇中の判官と同じように主役の登場を待ちかねる四段目と、観客が知っている真相を主人公の勘平が知らずに破滅する六段目は、劇的な盛り上がりの点で双璧(そうへき)といえる。浄瑠璃初演の同年11月に早くも歌舞伎(かぶき)に移されてから、演出面に代々の名優のくふうが積み重ねられ、「独参湯(どくじんとう)」(特効薬)とよばれるほど、不入りのときでも景気を挽回(ばんかい)する人気狂言になった。数多い義太夫狂言のなかでは通しで上演されることがもっとも多いが、三段目の「裏門」はたいていの場合、三升屋二三治(みますやにそうじ)が清元(きよもと)舞踊として改作した『道行旅路の花聟(はなむこ)』(1833。通称「落人(おちうど)」)で代行する。また、二段目と十段目の上演は少なく、十一段目の「討入り」は明治以後にできた実録風の脚本・演出によって演じられることが多い。[松井俊諭]
『乙葉弘校注『日本古典文学大系51 浄瑠璃集 上』(1960・岩波書店) ▽戸板康二著『忠臣蔵』(1957・創元社)』

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精選版 日本国語大辞典

かなでほんちゅうしんぐら【仮名手本忠臣蔵】
浄瑠璃。一一段。時代物。二世竹田出雲・三好松洛・並木千柳(宗輔)合作。寛延元年(一七四八)大坂竹本座初演。赤穂四十七士のあだ討ちを題材とする。塩谷(冶)判官が高師直の無礼に堪えかねて刃傷に及び、その身は切腹。忠臣大星由良之助が苦難の末、同志とともに師直邸に討ち入り仇を討つ。初演後間もなく歌舞伎に移され、人気狂言となる。日本における上演回数最高の記録を持つ浄瑠璃、歌舞伎の代表的作品。通称「忠臣蔵」。仮名手本。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

仮名手本忠臣蔵
かなでほん ちゅうしんぐら
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
竹田出雲 ほか
補作者
奈河亀助(1代) ほか
初演
寛延1.12(大坂・嵐座)

出典:日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」
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