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代理【だいり】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

代理
だいり
agency
本人に代って代理人法律行為を行い,その結果あたかも本人自身が法律行為をしたのと同様の効果を生じさせる制度をいう。取引形態が複雑かつ専門化している現代経済社会では,信頼できる他人に代りに取引してもらう意義は大きく,私的自治の拡張機能としてこの代理制度は重要な役割を果している。代理の特色は,まず,代理人が法律行為をすることであり,この点使や代理占有人とは異なる。次いで,本人が直接効果を取得することで,この点間接代理といわれる問屋業や仲買人とは異なる。代理の法律関係は,本人と代理人との間の代理権関係,代理人と相手方との代理行為関係,相手方と本人との間の効果帰属関係の3面に分けることができる。代理権は,本人の意思で与える任意代理と法律の規定による法定代理とがある。任意代理は委任契約と結びついていることが多い。代理人が代理行為を行う場合は,本人のためにすることを示して行わなければならない。これを顕名主義というが,この顕名主義は次第に緩和されつつある (商法 504) 。代理人が正当な代理行為を行なった場合は,その効果は本人に帰属する (有権代理) 。代理権の範囲を逸脱したような場合にまで本人が責任を負う必要はないが,例外的に本人に責任が生じることもある (→表見代理 , 無権代理 ) 。

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デジタル大辞泉

だい‐り【代理】
[名](スル)
本人に代わって事を処理すること。また、その人。「父の代理を務める」「交渉に代理を立てる」「課長代理
ある人が、本人のために第三者に対して意思表示を行い、または第三者から意思表示を受けることによって、その法律効果が直接本人について生じること。法定代理任意代理などがある。

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世界大百科事典 第2版

だいり【代理 agency】
本人と一定の関係にある者が本人に代わって意思表示をなし,または第三者の意思表示を受けることによって,直接本人にその効力を生じさせることをいう。
[沿革]
 代理制度はローマ法にはなく,17世紀以降のヨーロッパにおいて理論的・制度的に確立したものである。とくに19世紀のドイツ普通法時代には代理の本質をめぐって学上の争いがあった。そこでは,(1)代理人は本人の意思を表示するにすぎずの行為者は本人であるとする説(本人行為説),(2)代理人は一部は自己の意思を一部は本人の意思を表示するものであり本人も代理人も行為者であるとする説(共同行為説)もあったが,(3)代理人は自己の意思を表示するものであり本人はその効果を受けるにすぎないとする説(代理人行為説)が多数を占めた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

だいり【代理】
スル
その人に代わって物事を処理すること。また、その人。代行。 部長- 学長事務を-して行う
ある人が、本人のためであることを示して、第三者と法律行為をなすこと。法律効果は直接に本人と第三者との間に生ずる。 -記名

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日本大百科全書(ニッポニカ)

代理
だいり
乙が甲代理人乙という形式で契約などの法律行為を行い、その法律行為の効果が甲に直接帰属する制度。甲を本人、乙を代理人という。たとえば、乙が甲の代理人として丙と契約を結ぶと、本人甲がその契約の当事者として権利義務を取得することになる。[淡路剛久]

代理に似て非なる制度

代理に似ているがこれと異なる制度として、(1)間接代理、(2)使者、(3)代表、(4)代理占有などがある。(1)は問屋・仲買人などのように、間接代理人が他人の計算において自己の名で法律行為をなす制度であり、代理人が他人(本人)の名で行為をするのと区別される。(2)の使者は、本人が決定した意思表示を相手方に伝えるものであり、代理の場合に代理人自身が意思表示をするのと区別される。(3)の代表は、代表取締役などの法人の機関が法律行為をなし、これによって法人が直接に権利義務を取得する制度であり、代理と本質を同じくするが、通説はこれら二つを区別している。(4)の代理占有は、他人が所持をなし、その効果たる占有権が本人に帰属することであるが、占有に関する制度であり、代理が意思表示に関する制度である点で区別される。[淡路剛久]

代理の種類

代理には任意代理と法定代理とがある。任意代理とは本人の代理権授与によって発生した代理をいう。本人の代理権授与行為(授権行為)の性質については、契約と解する説と単独行為と解する説とがあるが、前者のほうが有力である。法定代理とは本人の代理権授与によるのでなくて発生した代理をいう(たとえば、未成年の子の父母など)。[淡路剛久]

代理の有効要件

代理が有効に成立するためには、代理人が本人の名で行為をなし(顕名主義)、かつその者に代理権が存在しなければならない。代理権は授権行為(授権行為が書面で表示されたものを委任状という)によって与えられる場合(任意代理)と、そうでない場合(法定代理)とがある。代理権なしに行われた代理行為を無権代理という。無権代理は本人に対して効力を生じないのが原則である(その場合には無権代理人が一定の責任を負う。民法117条)が、表見(ひょうけん)代理にあたる場合および本人の追認がある場合には本人に対して効力を生じる。表見代理とは、取引の相手方の信頼を保護する制度であり、無権代理行為が行為の外観上代理権に基づくかのようにみえる場合には、代理権があったのと同じ法律効果を与えようとするものである。民法上、代理権授与の表示による表見代理(同法109条)、権限踰越(ゆえつ)による表見代理(同法110条)および代理権消滅後の表見代理(同法112条)の三つがある。なお、代理人が自分と相手方との間の契約について相手方の代理人となり、あるいは両当事者の代理人となることをそれぞれ自己契約・双方代理というが、これらは原則として禁止されており(同法108条)、違反すると無権代理となる。[淡路剛久]

代理の効果

代理人の法律行為の効果が本人に及び、本人自ら法律行為をしたのと同じ結果となることである。[淡路剛久]

代理権の消滅

任意代理・法定代理共通の消滅原因は、本人の死亡、代理人の死亡もしくは破産または代理人が後見開始の審判を受けたこと(民法111条1項)である。また、任意代理の消滅原因は、対内関係(代理関係を発生せしめた契約など)の消滅、本人の破産(同法653条)、解除(同法651条)である。[淡路剛久]

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精選版 日本国語大辞典

だい‐り【代理】
〘名〙
① 他の人に代わって事に当たること。また、その人。代理人。名代。代弁。〔広益熟字典(1874)〕
たけくらべ(1895‐96)〈樋口一葉〉二「親父の代理(ダイリ)をつとめしより」
② 他人が本人に代わって意思表示を行ない、または、第三者から意思表示を受けることによって、その法律効果が直接本人について生ずる制度。法定代理、任意代理など。

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