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人類学【じんるいがく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

人類学
じんるいがく
anthropology
人類に関する学問広義には「文化をもつ動物」である人類を総体的に把握しようとするもので,人類を生物として研究する自然人類学と,文化的側から研究する文化人類学とに分けられる。狭義には,自然人類学のみをさす。ヨーロッパ大陸諸国では主として狭義に用いられ,イギリスでは広義に用いられる。アメリカではイギリスと同じように用いられていたが,第2次世界大戦を契機として文化人類学者が急増し,それを単に人類学者と呼ぶことがある。人類学はヒトへの関心から生じたが,近代科学として成立したのは 18世紀で,人種分類の体系化を試みることから始り,19世紀後半の進化思想と結びついて,人類の進化と変異の体系化を目指して展開した。一方同時代の,異民族文化を研究する民族学,先史時代文化を研究する先史学は,今日では包括されて文化人類学と呼ばれることもある。日本における研究は 1884年に日本人類学会の母体となった東京人類学会の設立に始った。人類学としては広義に解釈される傾向が強いが,現在の日本学術会議では理学部門のなかの一分科である。

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デジタル大辞泉

じんるい‐がく【人類学】
人間の生物的側面と文化的所産とを研究する学問。生物としての人間を扱う形質人類学と、人間が築き上げてきた文化を課題とする文化人類学とに二分される。初めは前者を意味したが、19世紀半ばごろから後者が発達。

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世界大百科事典 第2版

じんるいがく【人類学 anthropology】
人類を対象とする総合的な科学。人種・民族など人類の集団間の差異と類似に関する記述と説明を行うことを主要な目的とする。人類を対象とする種々の学問と異なる点は,集団の変異を比較することによってとらえる方法論ばかりでなく,人類の身体や文化についての全様相を時間的・空間的に可能な限り広く解明しようという全体論的な姿勢にある。〈アントロポロゴスanthropologos〉という言葉を最初に使用したのはアリストテレスだとされているが,それはうわさ話をする人のような意味であったし,16世紀のラテン語〈アントロポロギウムanthropologium〉も身体構造をさすにすぎなかった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じんるいがく【人類学】
人類およびその文化の特質を研究する学問。生物としての人類の面から研究する自然(形質)人類学、人類が形成する文化・社会の面から研究する文化人類学に大別する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

人類学
じんるいがく
anthropology
人類学はギリシア語の「人間」をさすanthroposと「学」logosからなり、文字どおり「人間の学」を意味する。しかし、人類学の研究領域についての考え方は欧米の間においても異なる。アメリカでは、人類学を、生物としての人間と文化を担う人間とを切り離さずに、総合的に研究する学問としてとらえ、大学の人類学科は、生物学的人類学(自然人類学、形質人類学ともいわれる)、先史考古学、言語人類学、文化人類学の四つの領域の研究を重視している。これはアメリカ人類学会が1902年に創設されてからの伝統である。現在では人類学の細分化の進展によって、これらの四つの領域が同じように深く、一人の人類学者によって研究されることはないが、アメリカの人類学においては、人間の研究では、「全体的holistic」な研究を進めるために、これらの四つの領域の研究はやはり重視すべきであるという考え方が強い。事実、この領域間の共同研究も行われ、たとえば、旧ハワイ王国の歴史に関する、考古学者カーチと文化人類学者サーリンズによる詳細な共同研究の成果が1992年に刊行されている。
 アメリカの文化人類学はさらに社会人類学、経済人類学、生態人類学、心理人類学、認識人類学、象徴人類学などに分かれている。さらに医療人類学や、「開発」に関する問題を研究する開発人類学が生まれている。
 ドイツ、オーストリアでは、人類学という語はアメリカの生物学的人類学のみをさし、文化面を扱うものとして民族学がある。後者は民族文化史を扱い、考古学もこれに含まれる。イギリスでは人類学を生物学的人類学、先史考古学、社会人類学に分け、社会人類学を文化人類学の一分野とみなさず、独立の学問と考え、文化人類学という名称は使わない傾向にある。社会構造の分析を重視するイギリスの社会人類学と文化の研究を重んずるアメリカとの間に1950年代に論争があったが、いまではその違いはあまりない。ただイギリスの社会人類学は、アメリカと異なり、言語学も含まない。研究方法としては、イギリスの社会人類学はアメリカと異なり、フランスのデュルケームやモースに由来する社会学的方法が重視されてきているのに対して、アメリカでは、心理学的方法が尊重されることが少なくない。
 フランスでは、従来は民族学という語が使われていたが、最近では社会人類学という名称も使われている。フランスで最高の研究・教育機関であるコレージュ・ド・フランスで社会人類学の講座が創設されたのは1958年で、この最初の教授がレビ(レヴィ)・ストロースである。
 現在、人類学という語が文化人類学や社会人類学をさす場合がアメリカやイギリス、そしてわが国においても少なくない。[吉田禎吾]

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精選版 日本国語大辞典

じんるい‐がく【人類学】
〘名〙 人類とその文化を研究する学問。生物としての観点から人類の起原・形質・進化などを研究する形質人類学(自然人類学)と、文化の観点から研究する文化人類学とに大別される。〔哲学字彙(1881)〕
※毎日新聞‐明治二一年(1888)七月六日「両氏は、人類学取調として昨日横浜出帆の和歌浦丸に搭じ」

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