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人権宣言【じんけんせんげん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

人権宣言
じんけんせんげん
Déclaration des droits de l'homme et du citoyen
人権をうたった宣言を広くいう場合もあるが,一般にはフランスの「人および市民の権利の宣言」 (1789) を指す。イギリスのマグナ・カルタ (1215) や権利宣言 Declaration of Rights (1689) ,権利章典 Bill of Rights (89) などを経て,1776年近代的,体系的な人権宣言の起源とされるバージニア権利章典が採択される。そこではヨーロッパの社会契約説あるいは天賦人権思想の影響を受けて,生命,自由,財産の権利を含む広範な人権,自由がうたわれている。その後アメリカ諸邦 (ステイツ) の権利宣言や独立宣言の影響のもとにフランスの「人および市民の権利の宣言」が生れた。前文と 17ヵ条から成るこの宣言の基本的仕組みは,まず自然的諸権利の存在を宣言し,それを保全するために政治的結合=国家が形成され,この国家形成の基本原則として市民的諸権利を保障するというものである。この宣言はヨーロッパ内外に甚大な影響を与え,近代のほとんどの成文憲法が人権宣言を含むようになった。その後 20世紀には,社会権的基本権を含む人権宣言や社会主義的人権宣言の登場によって,人権宣言はその内実の変容をとげた。また世界人権宣言 (1948) ,国際人権規約 (66) などにより人権の擁護,確立は国際的な課題とされるにいたった。

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知恵蔵

人権宣言
人間が人間らしく生きていくために必要な基本的な自由と権利を明記し、それを尊重し保障することを宣言した文書。権利宣言と呼ぶこともある。人間が国家以前の自然状態においても不可譲の固有の権利を持つことは、1776年7月の米国独立宣言で表明され、続いて米国諸州の憲法の中にも採用された。しかしバージニアの権利章典は、すでに同年6月12日に採択されており、人権宣言の先駆をなす。1789年8月26日、フランス革命を機に採択されたフランス人権宣言(人及び市民の権利宣言)も、その影響を受けている。その後に作成された諸国の憲法の中には、この人権宣言に相当する規定が多く含まれており、それらも広義で人権宣言として取り扱われている。当初は、各種の自由に対する国家権力の干渉を排除する内容の自由権を中心とし、参政権を付加するものが多かったが、第1次大戦後、社会国家的考え方から社会権的諸権利(社会保障、教育権、労働権)が加えられた。第2次大戦後、1948年の世界人権宣言を始め、人権の国際的保障が強く進められるようになった。
(宮崎繁樹 明治大学名誉教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

じんけん‐せんげん【人権宣言】
フランス革命当初の1789年8月26日、憲法制定議会が採択した宣言。正式には「人間および市民の権利の宣言」。前文と、人間の自由・平等、圧政への抵抗権国民主権、権力の分立所有権不可侵などを規定した17条からなる。
世界人権宣言のこと。

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世界大百科事典 第2版

じんけんせんげん【人権宣言】
近代国家において人または国民の基本的な権利を宣言・保障する一群の成文規定をいい,多くは憲法典の一部となっている。権利宣言または権利章典ともいう。イギリスのマグナ・カルタ(1215)やのちの権利請願(1628),人身保護法(ヘビアス・コーパス,1679),権利章典(1689)は,封建領主の要求を国王に認めさせ,あるいはイギリス人の伝統的な権利と自由の尊重を要求する文書であり,人間として当然に有する人権を宣言するものではなかった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

じんけんせんげん【人権宣言】
フランス革命当初の1789年8月、フランスの国民議会が議決した「人と市民の権利の宣言(Déclaration des droits de l'homme et du citoyen)」のこと。前文と一七条から成り、第一条で「人は生まれながらにして自由かつ平等の権利を有する」とうたい、主権在民、法の前の平等、所有権の不可侵などを宣言する。
世界人権宣言のこと。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

人権宣言
じんけんせんげん
Dclaration des Droits de l'Homme et du Citoyenフランス語
フランス革命初期、1789年8月26日、国民議会で採択され、「1791年憲法」の前文となった宣言。正式には「人間および市民の権利宣言」。根本の思想は自然法とそれに発する自然権思想で、18世紀啓蒙(けいもう)思想の影響を受け、また直接にはアメリカ合衆国の独立宣言や、その諸州の権利章典などを範としている。「市民」とは、政治的・倫理的共同体を構成する公民的存在を意味する。多くの草案を経て成立した宣言は、これを発する主旨を述べた前文と、本文17条とからなる。各条文の要点は次のとおりである。
 第1条では人間は自由で権利において平等に生まれ、かつ生きること、第2条では自由、安全や所有権、圧制に対する反抗権のごとき自然権の保全、第3条では主権在民、第4条では自由の意味、第5条から9条までにおいては法の意義、法の作成、法の前の平等、法の遵守など、第10条では宗教上の寛容、第11条では思想および言論の自由、第12条では諸権利を保障するための公権力の必要、第13条では租税の不可欠とその平等、第14条では租税に関しての権利と義務、第15条では公務員に対し行政上の報告を求める権利、第16条では権力の分立、第17条では所有権の神聖かつ不可侵であることなどが述べられている。
 人権宣言は「アンシャン・レジーム(旧制度)の死亡証書」と評されるように、近代市民社会の原理を示す不朽の文献であり、後世への影響は少なくない。[山上正太郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

じんけん‐せんげん【人権宣言】
[一] 一七八九年八月二六日、フランス革命のはじめに立憲議会が採択した宣言。正確には「人間と市民の権利の宣言」。基本的人権(人権の自由平等、言論出版の自由、所有権の神聖)、主権在民、三権分立など、近代市民社会の基本原理を規定。前文と一七条から成る。九一年憲法に前文として掲げられた。
[二] 一九四八年一二月一〇日、第三回国連総会で採択された「世界人権宣言」のこと。

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