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五島列島【ごとうれっとう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

五島列島
ごとうれっとう
長崎県西端の島嶼群。西は東シナ海,東は五島灘に面し,中通島若松島奈留島久賀島福江島および諸属島を総称して五島列島と呼ぶ。北東から南西に約 80kmにわたり,大小 140あまりの島々からなる。行政的には佐世保市小値賀町新上五島町五島市に属する。地質時代には東シナ海に突出する九州の大半島であった。福江島を除き主産業は漁業で,揚繰網一本釣り延縄定置網による漁業が行なわれ,中通島南部の奈良尾は揚繰網漁の最大の基地。福江島は古くからサツマイモの産地として知られたが,タバコ,ミカンの栽培や畜産も行なわれる。北東方の平戸島九十九島(くじゅうくしま)とともに西海国立公園に属し,特に若松島東岸の若松瀬戸,福江島南西岸の玉之浦が景勝地として名高い。遣唐使倭寇に関する遺跡が多い。江戸時代にカトリック信者が多数入植したことから,潜伏キリシタンの集落が点在し,野崎島の集落跡(小値賀町),頭ヶ島(かしらがしま)の集落(新上五島町),奈留島の江上集落,久賀島の集落(ともに五島市)は,2018年「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として世界遺産の文化遺産に登録された。上五島空港と福江空港があり,後者は長崎,福岡と結んでいる。面積 618.80km2(有人島のみ)。人口 8万1139(1995)。

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デジタル大辞泉

ごとう‐れっとう〔ゴタウレツタウ〕【五島列島】
長崎県西部、東シナ海上にある列島。福江島・久賀島・奈留島・若松島・中通(なかどおり)島など約140の島からなり、リアス式海岸発達。漁業が盛ん。

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世界大百科事典 第2版

ごとうれっとう【五島列島】
長崎県に属し,長崎市西方の東シナ海にある列島。北東から南西方向に約140の大小の島が並ぶ。総面積約690km2。行政上は,自然地理的な五島列島の範囲をとって福江市と南松浦郡の10町,北松浦郡の宇久(うく),小値賀(おぢか)の2町が含まれ,人口は全体で8万9757(1995)。人口は1955年以降,減少の一途をたどり,姫島,折島など無人となった島もある。列島の胴体部は地塁山地で,その後の沈水により多くの瀬戸や湾入を生じ,美しいリアス海岸をみせる。

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大辞林 第三版

ごとうれっとう【五島列島】
長崎県西部、東シナ海にある列島。中通なかどおり・若松・奈留・久賀ひさか・福江の五主島と多くの属島からなる。リアス式海岸が発達し、景観に富む。漁業が盛ん。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

五島列島
ごとうれっとう
長崎県西部、東シナ海に浮かぶ島嶼(とうしょ)群。北東から南西方向に並ぶ中通島(なかどおりじま)、若松島(わかまつじま)、奈留島(なるしま)、久賀島(ひさかじま)、福江島(ふくえじま)の五つの主島と約200の属島からなる。総延長約80キロメートル、面積637.78平方キロメートル。行政的には五島市と南松浦(みなみまつうら)郡新上五島町(しんかみごとうちょう)を形成。古くは、平戸島(ひらどしま)とともに値嘉郷(ちかのさと)とよばれ、大陸にもっとも近いので、遣唐使の寄港や倭寇(わこう)の根拠地となるなど、対外関係上重要な位置を占め、その遺跡も多い。中世は宇久(うく)氏の支配下にあり、江戸時代は小値賀島(おぢかじま)が平戸藩に属するほかは大部分が五島藩(福江藩)に属した。明治以後は全域にわたって要塞(ようさい)地帯に指定されたが、第二次世界大戦後解消され、1955年(昭和30)列島の各地が西海国立公園(さいかいこくりつこうえん)に指定されている。1959年の総理府告示では、北松浦郡に属する宇久島、小値賀島、野崎島などを平戸諸島に加え、前述の五つの主島とその属島を五島列島とよぶことにしている。人口6万2696(2010)。[石井泰義]

自然

列島は北東―南西方向の一つの地塁山地であったが、沈降によって五つの島に分かれ、各島間に若松、滝ヶ原(滝河原(たきごはら))、奈留、田ノ浦の瀬戸を生じ、また玉之浦湾(たまのうらわん)などの著しい溺れ谷(おぼれだに)を生じている。海岸には海食崖(がい)が発達、嵯峨ノ島(さがのしま)の断崖は130メートル、大瀬崎(おおせざき)では100メートルの断崖が延々と続いている。地塁山地の東側には鬼岳(おんだけ)火山(315メートル)、只狩山(ただかりやま)火山、西側には京ノ岳(きょうのたけ)(183メートル)、嵯峨ノ島の男岳(おだけ)、女岳(めだけ)などを噴出している。これらが海洋とともに特殊な自然景観を展開している。[石井泰義]

産業

江戸時代には、農民が地方(じかた)、浜方、竈方(かまかた)百姓の三つの職域に分化され、地方は農業、浜方は漁業、竈方は製塩、製炭を主とした歴史を背景に、だいたい、奈留島以北では主漁副農、久賀島以南では主農副漁となっている。対馬(つしま)暖流に洗われる沿岸は豊富な魚族に恵まれ、五島藩時代、一時は捕鯨の一大中心地でもあった。現在はアジ、サバ、イワシの揚繰網(あぐりあみ)(巻網の一種)を軸として、ブリの定置網やイカの一本釣りのほか、ハマチ、エビ、タイ、真珠などの養殖が盛んである。五島するめの特産もある。また、男女(だんじょ)群島近海ではサンゴ採取が行われる。農業は段々畑でのサツマイモ作が主で、有畜農家が多く五島牛の特産がある。福江島では葉タバコの栽培が盛ん。[石井泰義]

集落の特色

江戸時代以来のキリシタン集落が多く、各地に天主堂、教会がみられる。「チャンココ」や「オーモンデー」といった念仏踊などの無形民俗文化財を継承する農漁村が多いが、一般的には生産性は低い。姫島(ひめしま)、折島(おりしま)、葛島(かずらしま)などの属島では激しい人口流出に伴う集落の消滅(無人島化)がみられる(列島全体で、1965年から20年間に人口3万7867の減少)。おもな観光地には鬼岳、鐙瀬(あぶんぜ)溶岩海岸、大瀬崎断崖、荒川温泉、若松海域公園、赤岳断崖のほか、五島最古の歴史をもつ堂崎教会(どうざききょうかい)や石田城跡などがある。[石井泰義]
〔世界遺産の登録〕野崎島の集落跡、頭ヶ島(かしらがしま)の集落、久賀島の集落、奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)は、2018年(平成30)、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「長崎と天草(あまくさ)地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として、世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。[編集部]

交通

福岡・長崎両空港から福江空港への定期空路がある。長崎港から奈良尾(ならお)港、福江港へはジェットフォイルが就航し、五島各地へはフェリーボートが、佐世保(させぼ)港から有川(ありかわ)港には高速船とフェリーが運航される。ほかに博多(はかた)港から平戸経由で五島各地を経て福江港に至る定期船がある。[石井泰義]
『『五島列島―九十九島―平戸島学術調査書』(1952・長崎県) ▽長崎県生物学会編『五島の生物』(1981・長崎出版文化協会)』

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精選版 日本国語大辞典

ごとう‐れっとう ゴタウレッタウ【五島列島】
長崎県西部、東シナ海にある列島。福江島および久賀(ひさか)島・奈留島・若松島・中通(なかどおり)島の五つのおもな島と約二〇〇の属島が約八〇キロメートルにわたってひろがる。奈留島以北を上五島、久賀島以南を下五島と呼ぶ。沿岸・沖合漁業の基地。リアス式海岸・ホマーテなど自然景観に富み、キリシタン遺跡・倭寇に関する史跡も多い。西海国立公園に属する。五島。

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