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乱視【らんし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

乱視
らんし
astigmatism
屈折異常の一つ。眼の中に入るいかなる光線も1点に結像しないために,外界の物体を明することができない。眼が疲れやすく,頭が痛くなったりする。角膜湾曲のゆがみによるものが多く,水晶体球面のゆがみによるものなどもある。正乱視不正乱視とがあるが,普通,乱視といえば正乱視をさす。正乱視は先天性のものが多く,遺伝することがある。通常,円柱レンズによって視力を補正できる。不正乱視は,角膜の病気のあとなどで,その表面に凹凸や混濁ができて起るもので,コンタクトレンズで矯正される。

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デジタル大辞泉

らん‐し【乱視】
目の角膜水晶体などが球面となっていないため、光線が網膜上の一点に集まって像を結ぶことのできない状態。また、その目。

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レーシック関連用語集

乱視
均一なはずの線がムラに見えたり、一つのものが二重に見えたり、極端に眼が疲れやすい、などの症状です。水晶体が原因の場合もありますが、多くは角 膜表面のカーブが均一でないことが原因です。年齢が若く軽度の乱視の場合には、自覚症状がほとんどありませんが、年齢が進むにつれて症状が現れてくること もあります。視力障害(遠くも、近くも見えにくくなる)、単眼複視(片眼で見ても、二重に見えることがある)、眼精疲労(調節の努力のために眼が疲れるほ か、夜間に見えにくくなる、電光掲示板の文字がにじんで見える)などの症状パターンがあります。角膜が原因の場合、ウェーブフロントレーシックで治療でき ることがあります。

出典:レーシックNET
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家庭医学館

らんし【乱視 Astigmatism】
[どんな異常か]
 ふつうに見ているとき(無調節状態)に、遠いところから目に入ってきた光がどこにも像を結ばない屈折異常で、正乱視と不正乱視があります。
[症状]
 年齢が若く、軽度の場合には自覚症状はありませんが、乱視の度が強い場合や、軽度でも年を重ねると、遠くも近くも見にくいという視力障害がおこります。また、片方の目で見ても1つのものが2つに見える単眼複視(たんがんふくし)や、眼精疲労(がんせいひろう)がおこります。
[治療]
 治療法は正乱視と不正乱視とでその内容が異なります。
●正乱視の場合
 角膜(かくまく)(黒目(くろめ))のカーブの度合いが、方向によってちがうためにおこります。円柱レンズを入れて矯正(きょうせい)します。
●不正乱視の場合
 目の炎症やけがなどで、角膜の表面がでこぼこになったためにおこります。角膜が透明ならハードコンタクトレンズで矯正します。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

らんし【乱視】

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

らんし【乱視】
眼球の角膜、ときに水晶体が歪んだ状態にあるため、入射する光線が網膜上の一点に集まらない状態。また、その目。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

乱視
らんし
一般に角膜の表面、ときに水晶体の表面が球面になっていないため、あるいは角膜と水晶体の中心がずれているために、外界の一点から出る光線が網膜上に一点として結像しない状態をいう。だれでも多少の乱視はあるが、それが目の調節力の範囲を超える場合は、眼精疲労の原因となったり、小児では視力発達が阻害されて弱視となる場合もある。
 乱視には正乱視と不正乱視がある。乱視を矯正するには、角膜が上下または左右、あるいは斜めから圧迫されたような形の乱視(正乱視)の場合は、円柱レンズというレンズを用い、角膜表面の凹凸不整のための乱視(不正乱視)や強度の正乱視の場合は、ハードコンタクトレンズによる矯正のほうがよい視力が得られる。これは、涙がコンタクトレンズと角膜表面の間を埋めて角膜表面の屈折力を減少させるからである。円柱レンズというのは、ある面では凹レンズあるいは凸レンズのような屈折力をもち、それと直角な面では屈折力をもたないようなレンズで、円柱レンズを加えたほうがよいかどうかは、乱視の程度や年齢によっても異なる。なお、円柱レンズを入れると、像が多少ゆがんで見える感じがあり、よく見えるが、つらくてかけていられないという場合もある。若い人ほど順応性は高いが、中年以降になって初めて円柱レンズの入った眼鏡をかける場合、慣れるのに時間がかかることがある。ソフトコンタクトレンズは、ハードコンタクトレンズより乱視の矯正力は一般に弱いが、これは、角膜の変形に伴ってレンズが形を変えてしまうためである。強度の乱視による弱視では、とくにそれが一眼だけの場合、気づかずに成長期を過ぎて手遅れになることがあり、早期に屈折検査を受け、眼鏡により矯正する必要がある。[中島 章]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

らん‐し【乱視】
〘名〙 一般に、角膜の湾曲が正しい球面になっていないため、外界の一点から出る光線が眼内で一点に合わない状態。また、その目。
※春と修羅(1924)〈宮沢賢治〉東岩手火山「月はかすかな副像をもつ やっぱり疲れからの乱視なのだ」

出典:精選版 日本国語大辞典
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六訂版 家庭医学大全科

乱視(正乱視、不正乱視)
らんし(せいらんし、ふせいらんし)
Astigmatism (Regular astigmatism, Irregular astigmatism)
(眼の病気)

どんな病気か

 乱視とは、眼球の屈折面が球面ではなく、眼の経線方向によって屈折力が異なるため、外界の1点から出た光が眼内で1点に結像しない眼の屈折状態を総称したものです。

 乱視はその光学的性質から、図75のように分類されています。

①正乱視

 正乱視は、角膜(かくまく)または水晶体(すいしょうたい)の対称的な(ゆが)みのために生じ、円柱レンズによって矯正(きょうせい)が可能な乱視の総称です。

 円柱レンズとは、円柱を軸に平行な平面で切り取ったものです(図76)。軸方向には屈折力がありませんが、軸と垂直方向に屈折面があるレンズで、凹と凸の円柱レンズがあります。その円柱レンズと球面レンズの組み合わせのパターンにより、近視性(きんしせい)乱視、遠視性(えんしせい)乱視、混合乱視に分類されます。

 別の分類方法として、屈折力が強い強主経線が垂直方向の(ちょく)乱視、同じく強主経線が水平方向の(とう)乱視、強主経線が斜め(0度または90度以外)の方向である(しゃ)乱視という3種類に分ける場合もあります(図77)。

 さらに、強主経線が正視つまり球面レンズでの補正を必要としない(たん)乱視、強主経線とそれに直交する屈折力が弱い弱主経線が、どちらも遠視もしくは近視である(ふく)乱視、強主経線が近視で、かつ弱主経線が遠視である混合乱視という分類方法もあります。

 いずれにせよ正乱視と総称される乱視は、球面レンズだけでは光学的に補正ができず、円柱レンズを組み合わせることにより光学的に補正できる乱視と考えてよいでしょう。

②不正乱視

 屈折面での屈折が不規則で、円柱レンズで補正することができない乱視を総称して不正乱視といいます。

 原因としては円錐(えんすい)角膜翼状片(よくじょうへん)などによる角膜の非対称的な歪みや、外傷による水晶体の亜脱臼(あだっきゅう)、加齢性変化による白内障(はくないしょう)、まれに円錐水晶体などの水晶体疾患などで生じます。

 近年、不正乱視は「高次収差(こうじしゅうさ)」とも呼ばれるようになり、波面センサーという機械を用いることで、その光学的特性などを分析することができるようになりつつあります。不正乱視(高次収差)をその特性で大きく分けると、いわゆるピンぼけを生じる「球面収差」と、彗星(すいせい)の尾のように網膜(もうまく)に結像させる「コマ収差」の組み合わせともいえます(図78)。

症状の現れ方

 乱視のために視力障害、とくに低年齢で弱視(じゃくし)を生じることもあります。眼精疲労のため眼痛、頭痛を生じる場合もあります。単眼で見た時に、像が2個ないし3個見えるなど、多数にずれた像となることもあります。

治療の方法

①正乱視

 一般に角膜の歪みによる正乱視は、円柱レンズまたはハードコンタクトレンズによる矯正が適しています。

 最近では、ソフトコンタクトレンズでもトーリックレンズと呼ばれる乱視矯正レンズも多種ありますが、矯正可能な乱視屈折度数が限られていて、瞬目(しゅんもく)(まばたき)などでコンタクトレンズの軸ずれが生じ、きっちりと乱視を矯正することがハードコンタクトレンズに比べてやや難しいのが現状です。

 水晶体が原因である正乱視は、コンタクトレンズでは補正できません。また、とくに子どもでは乱視による屈折異常弱視(経線弱視)が発生しやすいので、眼鏡処方を行うことはとても大切なことです。眼鏡が顔に対して位置ずれを生じると矯正効果が大きく変わるので、眼鏡の顔に対するフィッティングもしっかり行うことが大切です。

②不正乱視

 不正乱視の治療は、その原因が角膜の形状異常によるものであれば、第一選択としては、やはりハードコンタクトレンズが適しています。ただし、水晶体が原因である不正乱視は、正乱視と同じくコンタクトレンズによる治療では補正できません。

 現在、近視や乱視は、エキシマレーザーによる角膜の屈折矯正(くっせつきょうせい)手術(レーシック=LASIK、PRK)により、屈折度数には制限がありますが、補正することがある程度可能になってきています。さらに、補償光学(Wave front guided LASIK)と呼ばれる方法で、不正乱視(高次収差)もある程度ならば治療可能になりつつあります。

 ただし、このような屈折矯正手術は、手術適応か否かなどを明確に診断できる眼科専門医の知識がなくては不可能です。簡便で安価な非眼科専門医の施設で手術を受け、とんでもないことになってしまったケースが多く報告されています。屈折矯正手術を受ける場合は、まず眼科専門医に相談することが肝要です。

黒田 輝仁

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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