Rakuten infoseek

辞書

中毒【ちゅうどく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

中毒
ちゅうどく
intoxication; poisoning
狭義には毒物の作用によって生体機能障害を起すこと。広義には,たとえばアルコール中毒や睡眠薬中毒のように,濫用によって本来無害なものが有害作用を示す場合も含める。経過によって,急性慢性の2型に分けたり,自家中毒のような,すでに体内にある条件が毒性を示す内生毒と,外部からの有害条件の付加,侵入による外生毒に区分することもある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ちゅう‐どく【中毒】
[名](スル)
生体内に入った薬物・毒物や生体内の代謝産物によって病態や機能障害が生じること。経過から慢性と急性とに分けられる。どくあたり。「食い合わせで中毒する」「ガス中毒
置かれた状況になれて特に変わったことだとは感じなくなること。また、あるものへの依存が強く、ちょっとでも不足すると非常に強い飢餓感をもつこと。「活字中毒」「仕事中毒

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

中毒
 外来物質によって機能障害を起こすこと.薬物,食品,大気など原因は諸種ある.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ちゅうどく【中毒 intoxication】
文字どおり〈毒〉にあたることで,有害な物質によって,生体の生理的機構が障害され,生理的現象に変調をきたすことをいう。生体には通常,有害な毒物を解毒し,排出する機能があり,これによって健康を維持しているが,この作用が低下したり,毒物の毒性が強いときや量が多いとき,あるいは作用期間が長いと中毒を起こし,ときには死に至ることもある。
[中毒の種類
 中毒は一般にその原因となる物質によって,一酸化炭素中毒,カドミウム中毒,青酸中毒などのように,原因物質の名を冠して呼ばれることが多いが,作用期間や原因物質の種類,中毒発生の状況によって,分類される。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ちゅうどく【中毒】
( 名 ) スル
物質の毒性により機能障害を起こすこと。食中毒・薬物中毒・細菌中毒などがある。
周囲の状況などになれて、感覚などが麻痺まひしてしまうこと。 「君がウエルテルは散三さんざ聞かされて-しておる/社会百面相 魯庵

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

中毒
ちゅうどく
ある種の化学物質が生体内に入り、臓器や組織の正常な活動に障害を生じて種々の症状をもたらすことをいう。中毒は、毒物の生体との接触期間や発症経過から、慢性中毒と急性中毒に大別される。中毒をおこす有害物質としては、医薬品、農薬、工業用薬品、家庭用薬品のほか、動植物毒、細菌毒などがある。[鵜飼 卓]

慢性中毒

慢性中毒のなかには、薬物を使用することによって一時的に気分爽快(そうかい)となるために、嗜癖(しへき)性をもつに至るものがある(たとえば麻薬、覚醒(かくせい)剤、シンナー、アルコールなど)。また、慢性職業性中毒では、有機溶剤中毒と鉛中毒のほか、水銀、ヒ素、マンガン、クロムなどの中毒がよく知られている。このほか、アニリン系色素による膀胱癌(ぼうこうがん)や塩ビモノマーによる肝血管腫(しゅ)など、低濃度長期間の接触によって腫瘍(しゅよう)性病変を生じるものもある。環境汚染によって生じた中毒として有名なのが、水俣(みなまた)病とイタイイタイ病である。工場排水中のメチル水銀が有明(ありあけ)海の魚貝類に蓄積し、その魚貝類を多く食べた人に発症したとみなされているのが水俣病で、イタイイタイ病は鉱山から流出したカドミウムが神通(じんづう)川流域の土壌に蓄積し、カドミウムを多量に含む農産物を長期間喫食した人の骨などに障害を生じたとされた。
 慢性中毒のほとんどは、近代工業の発展に伴って、いわば人為的につくりだされてきたものである。劣悪な環境との因果関係が明らかになった中毒性疾患に関しては、漸次対策が施されてきた。しかし、現在では原因不明の難病・奇病とされているものが、今後の研究によって中毒と断定されることもありうるであろうし、新しい化学物質によって新しい中毒性疾患が生み出される可能性もある。[鵜飼 卓]

急性中毒

急性中毒の発生状況は時代の変遷とともに変化している。昭和20年代後半にはメタノール(メチルアルコール)中毒が多発したが、昭和30年代になると自殺企図としての睡眠薬中毒が多くなった。ところが、昭和40年代後半からは、都市ガスによる一酸化炭素中毒(都市部における自殺企図)が増加する。やがて都市ガスの天然ガスへの切り替えとともに、一酸化炭素中毒は減少した。ところが、2002年(平成14)からインターネットを介した集団自殺が相次いでおきており、その手段は練炭等を用いた一酸化炭素中毒である。また、1994年に長野県松本市で、95年に東京で発生したサリン事件によって、サリンやタブン、ソマン、VXなどの化学兵器が一躍世界の注目を浴びることとなったが、これらの化学兵器は「貧者の核兵器」ともよばれ、テロリズムの手段として使用される可能性がある。
 中毒に対する治療法の進歩と医薬品などの販売規制により、睡眠薬や向精神薬による急性中毒の死亡率はきわめて低くなったが、農薬による急性中毒はまだ死亡率も高い。[鵜飼 卓]

救急処置

中毒の救急処置は、(1)毒物の除去と排泄(はいせつ)の促進、(2)呼吸や循環管理など対症的な生命維持療法、(3)毒物に対する拮抗(きっこう)薬や解毒薬の投与、という基本原則に従って行われる。
 具体的な救急処置としては、次のような方法があげられる。(1)有毒ガスを吸入した場合は、できるだけ早く清浄な空気あるいは酸素を吸入させる。(2)液状の毒物を浴びたときには、すばやく衣服を脱がせて水や温水で皮膚をよく洗う。(3)都市ガスやプロパンガス中毒者を救出するときは、不用意に電灯のスイッチを入れず(誘爆の危険を伴うため)、すべての窓や扉を開放して換気を図り、すばやくガスの発生源を止めて救出する。(4)経口中毒のときには、意識がはっきりしていたら、嘔吐(おうと)させたり、胃洗浄を行う。病院では吸着薬や下剤を投与して毒物を消化管からできるだけ早く除去する。
 中毒に対する解毒薬・拮抗薬として効果的なものは、数万種にもおよぶ中毒原因物質に対してわずか数種類だけである。すなわち、有機リンに対するプラリドキシムヨウ化メチル(PAM)とアトロピン、重金属に対する各種キレート剤、青酸に対する亜硝酸・チオ硫酸、メチルアルコールに対するエチルアルコール、アセトアミノフェンに対するアセチルシステインなどである。
 血中に吸収されてしまった毒物を血液中から取り除く方法として、強制利尿法と各種の血液浄化法(血液透析、血液吸着、血漿濾過(けっしょうろか)、交換輸血など)がある。しかし、毒物の分子量や代謝、体内での分布の仕方、たんぱく質や脂肪との結合度などによって、これらの毒物除去方法の効果もさまざまである。
 重症の急性中毒患者の救命ができるようになったのは、呼吸・循環を主とする全身管理法の進歩によるところが大きい。また、数万から数十万種ともいわれる多数の化学物質がわれわれの生活を取り巻いている状況では、有害物質に関する情報の集約と伝達が非常に重要である。1986年設立された財団法人日本中毒情報センターでは中毒治療に必要な情報収集と提供を行っており、年中無休で中毒に関する相談電話を受け付けている。[鵜飼 卓]
『日本中毒情報センター編『中毒対処マニュアル――イザというとき役に立つ!』(1995・リヨン社) ▽日本中毒情報センター編『急性中毒処置の手引――必須272種の化学製品と自然毒情報』第3版(1999・薬業時報社) ▽日本中毒情報センター編『症例で学ぶ中毒事故とその対策』改訂版(2000・じほう)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ちゅう‐どく【中毒】
〘名〙
① 生体が薬物、毒物、毒素により好ましくない反応を呈すること。経過によって急性中毒と慢性中毒に区別する。外部から与えられた物質による場合と、体内で生じた毒素、たとえば尿毒症や伝染病などの場合の自家中毒がある。〔医心方(984)〕 〔呉志‐賀邵伝〕
② (比喩的に) 周囲の状況などになれすぎて、感覚などが麻痺(まひ)すること。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉ハイカラ紳士「君がウルテルは散々聞かされて中毒しておる」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

内科学 第10版

社会・社会・環境要因(環境要因と疾患・中毒)
 中毒は,生体内に入った薬物,化学物質,生物毒などがその作用により臓器や組織を傷害し,生体の機能障害を起こすことである.発症経過から急性中毒と慢性中毒に分けられる.依存症は,薬物や化学物質の摂取により快感などを感じて依存し,それがないと種々の離脱症状などの身体的・精神的症状を生じる状態である.[熊本俊秀]
■文献
Harris J, Chimelli L, et al: Nutritional deficiencies, metabolic disorder and toxins affecting the nervous system. In: Greenfield’s Neuropathology, 8th ed (Love S, Louis DN, et al eds), pp 675-731, Hodder Arnold, London, 2008.上條吉人:臨床中毒学(相馬一亥監修),医学書院,東京,2009.Prockop LD, Rowland LP: Occupational and environmental neurotoxicology. In: Merritt’s Neurology, 11th ed (Rowland LP ed), pp1173-1184, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 2005.

出典:内科学 第10版
©Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は原書刊行時(2013年)の時点での最新のものです.常に最新の内容であることを保証するものではありません。また,権利関係の都合で一部表示できない図や画像があります。

中毒」の用語解説はコトバンクが提供しています。

中毒の関連情報

他サービスで検索

「中毒」のスポンサー検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE GROUP, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.