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中中【ナカナカ】

デジタル大辞泉

なか‐なか【中中】
[形動][文][ナリ]
予想した程度を上回るさま。かなりなさま。「色もいいがデザインも中中だ」
「―な技倆者(やりて)だと見えるナ」〈魯庵社会百面相
物事が予想したようには容易に実現しないさま。「具体化まではまだ中中だ」
中途半端なさま。また、中途半端で、いっそそうでないほうがましなさま。
「げに―ならむよりは、いと良しかし」〈狭衣・三〉
[副]
予想した以上に。意外に。かなり。「中中難しい問題だ」「敵も中中やるね」「中中の腕前」
(多くあとに打消しの語を伴って)容易に実現しないさま。「電車が中中来ない」「話しても中中わかってくれない」
予想や一般的な状況とは反対の結果になるさま。むしろ。かえって。
「白き紙に捨て書い給へるしもぞ、―をかしげなる」〈・末摘花〉
(あとに打消しの語を伴って)とうてい。けっして。
「やれやれ大きになられた、よそで見たらば―見知るまい」〈虎明狂・腰祈
[感]相手の言葉に相槌を打つときに発する語。はい。ええ。そうです。
「『いざさらば行かう。おりやれ、おりやれ』『―、参りまらする』」〈虎清狂・猿座頭

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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大辞林 第三版

なかなか【中中】
( 副 )
物事の状態・程度が予期した以上であるさま。
思っていた以上に。かなり。ずいぶん。 「 -立派だ」 「 -強い」 「見て見ぬ風ふりで、-注目してゐる/多情多恨 紅葉
(打ち消しの語を伴って)思ったとおりには。容易には。 「 -解けない」 「タクシーが-つかまらない」 「 -そうは参りません」
中途半端に。なまじ。かえって。 「連中の繁忙なる有様は申すも-愚おろかなり/もしや草紙 桜痴」 「心づきなき事あらん折は、-そのよしをも言ひてん/徒然 170
(中途半端にするよりは)いっそのこと。 「 -死ぬればうらみも恋もなかりしに/浮世草子・五人女 4
( 名 )
なかば。中途。 「葛木かずらぎや久米路くめじに渡す岩橋の-にても帰りぬるかな/後撰 恋五
( 形動 ) [文] ナリ 
思っていた以上であるさま。かなりな。相当な。 「 -なやり手だ」
中途半端なさま。どっちつかずなさま。 「中将も-なることをうちいでて、いかに思すらむと/源氏 藤袴
中途半端で、むしろしない方がましなさま。なまじっかなさま。 「 -なりける見参かなと、今は悔しうぞ思はれける/平家 11
( 感 )
相手の言葉を肯定するのに用いる語。いかにも。はい、そうです。 「『…さて汝らは、楽しうなりたいな』『-、その望みでござる』/狂言・福の神」 〔「なか」は中途の意で、「なかなか」はどっちつかずで中途半端なさまを表すのが原義。古くは中途半端でよくない、不満だの意で用いられたが、中世末頃には肯定的にとらえる
の意が生じた。上代は「なかなかに」の形でしか用いられなかったが、平安時代に語尾の「に」を活用させて形容動詞として用いる一方、「に」を脱した「なかなか」の形でも用いられ、次第に多用されるようになった〕
[句項目] 中中でもない 中中の事

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

なか‐なか【中中】
[1] 〘形動〙
[一] (副詞「なかなかに」から転じたもの)
① 中途半端で、どっちつかずのさま。不徹底であるさま。なまじっか。
※後撰(951‐953頃)恋五・九八五「葛城(かづらき)や久米路に渡す岩橋の中中にてもかへりぬるかな〈よみ人しらず〉」
※源氏(1001‐14頃)藤袴「中将もなかなかなることをうちいでて、いかに思すらむと苦しきままに」
② 中途半端でよくないさま。そうでないほうがましだ。かえってよくない。かえってつらい。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「わが身はかなきありさまにて中中なる物思ひをぞし給」
[二] (副詞「なかなか」から転じたもの)
① 肯定できる程度であるさま。かなりよいさま。軽い評価を示す。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Nacanacano(ナカナカノ) コトヂャ」
※去来宛芭蕉書簡‐元祿七年(1694)正月二九日「中々の出来にて候」
② ①の用法のうち、かんばしくない面についての評価、あるいは皮肉まじりの評価を示す場合。
※虎明本狂言・墨塗(室町末‐近世初)「いや中々の事じゃ。あのをんなにたらされて、身がいふ事を誠にめされぬ」
③ 事態が容易に成立しないさま。
※網走まで(1910)〈志賀直哉〉「『まだ却々(ナカナカ)?』『ええ、却々ですからね』」
[2] 〘副〙
※後撰(951‐953頃)恋四・八七二「思ねの夢といひてもやみなまし中々なにに有としりけん〈よみ人しらず〉」
[二] 文脈から予想されたり、一般に期待されたりすることとは逆の事態を述べるときに用いる。「に」を伴うことも多い。
① 予想とは逆の結果・状況を述べる場合。かえって。むしろ。
※蜻蛉(974頃)下「なかなかいとこころやすくて」
② 一般に期待されること、あるいは相手の考えとは逆なことを、決断して述べるときに用いる。いっそ。→なかなかに②。
※落窪(10C後)一「中々入れで持たせ給へれ」
※日葡辞書(1603‐04)「Nacanacani(ナカナカニ) シンダガ マシヂャ」
[三] 予想・期待されることが成立しない現状を述べるときに用いる。打消や否定の意味の表現を伴う。「に」「と」を伴うことがある。とうてい。決して。どうしてもなお。容易に(…ない)。
※続古事談(1219)二「なかなか人に云あはすることなし」
[四] 現状を肯定する場合に用いる。
① 決断や判断を強める場合。「に」を伴うこともある。たしかに。なるほど。
※古今著聞集(1254)一六「此本鳥(もとどり)切たりと聞ゆる男、かまへてとらへてまゐらせよと仰られければ、承て、中々かれがゆかりを尋て、母の尼公が家を暁夕暮ごとにうかがひけり」
② 肯定してよい程度に。相当に。ずいぶん。非常に。
※御伽草子・蛤の草紙(室町末)「一ぱいのみてみれば、中々かんろのあぢはひみちみちて」
[3] 〘感動〙 相手の発言の内容を肯定する時の返事のことば。その通り。もちろん。もっともだ。
※御伽草子・三人法師(室町末)「夜目に見つれども今二十二三まではよもなり給はじ、十八九の人なりと申しければ、中中と申し」

出典:精選版 日本国語大辞典
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