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世論【せろん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世論
せろん
public opinion
特定の大きな社会集団,公衆がもっているある論争的な問題についての意見,態度,判断などの一般的傾向。世論調査で測定されるが,世論は社会を構成する成員個々の意見の総和であるとみるか,それをこえた力をもつ実体とみるかについては意見が分れる。現代では,世論が政治的操作の手掛りや反体制側の武器として用いられる傾向がある。また,世論形式集団や大衆運動という社会的表象についても強調されている。

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よろん
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デジタル大辞泉

せ‐ろん【世論】
ある社会の問題について世間の人々の持っている意見。よろん。せいろん。「世論を反映させる」「世論の動向」
[補説]「輿論(よろん)」の書き換えとして用いられ、「よろん」とも読まれる。→輿論補説

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せい‐ろん【世論】

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世界大百科事典 第2版

よろん【世論 public opinion】

[歴史]
 世論は以前は〈輿論〉と表記され,古来,中国で輿(かご)かきのような庶民が政事について述べる意見や議論を意味した。表記が簡略化されて現在のように〈世論〉と改められるに従い,今日では〈せろん〉と発音され,世間一般の論と解されることも多い。また明治以降,この語が欧米の政治理論におけるpublic opinionの訳語として公論と並んで用いられるに従い,そこに政治が準拠すべき公衆publicの意見だとか世論調査に表れた有権者の態度だとかの欧米政治理論の意味がつけ加わり,その内容は多様化している。

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Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

せろん【世論】

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大辞林 第三版

せいろん【世論】
せろん(世論)に同じ。

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せろん【世論】
世間の大多数の人の意見。世上で行われる議論。せいろん。よろん。 戦後の漢字制限によって輿論よろんの代わりに用いられるようになった語。せろんよろんの両方の読み方が行われている

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精選版 日本国語大辞典

せい‐ろん【世論】
〘名〙 世間一般の議論、風説。よろん。せろん。
※文徳実録‐仁寿二年(852)一二月癸未「世論嗷々、為善愷成私曲
※文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉一「古今の世論多端にして互に相齟齬するもの」 〔陸游‐夜読了翁遺文詩〕

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せ‐ろん【世論】
[補注]「世論」は、当用漢字表の公布後、「輿論」の書きかえとして用いられ、「よろん」とも読まれるようになった。

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最新 心理学事典

よろん
世論
public opinion
「世論」を「せろん」と読むのが多数派となっているが,語・文字の本来は「輿論」で「よろん」と読む。この読み方を巡って多くの議論があるように世論とは何かという議論も多様であり,確たる定義はない。キンダーKinder,D.(1998)は「世論とは公権力の行使にかかわる対象を巡って多様に生じる意見であり,しかもその意見の質はさまざまでありうる」とするが,これでは定義不足である。池田謙一(2010)はそれに加えて「その意見は公的に知られ(公然化し),多くの人の利害にかかわる公共的publicな問題を対象としており,そして対立する意見の間で多数派形成を巡って政治的な議論の対象となるときに,世論とよぶ」としている。具体的には政策や社会的問題の賛否など争点に対する意見,内閣支持など政権を対象とする意見,投票など政治参加による意見表明などが挙げられる。

 こうした表現形態である世論が心理学の対象でありうるのは,世論が心理的な表象として人びとの脳裏に存在し,その認知に基づいて人びとが行動し,さらに人びとのコミュニケーションと相作用の中で世論形成が進むからである。また世論は人びとの心の動きというミクロな心理現象が社会全体に集積して世論の変容という結果をもたらす,つまりマクロなレベルの社会が変化するという結果をもたらす点で,心理と社会を結ぶ「ミクロ-マクロ・リンク」とよばれるダイナミックスの一部を形成している。

【世論の認識と世論形成】 心理的な表象としての世論は,社会的争点を例に取れば,ある争点について個人の賛否という側面と,その争点に関する異なる立場に対して一般の市民がどのような分布状態にあるかという社会全体の動向認識(ソシオトロピックsociotropicな認識という。意見AとBのどちらが多数派でどちらに勢いがあるかなどの認識)という二つの側面を有する。そして個人はこの動向認識を踏まえつつ,争点に関連した社会的な議論や知識に基づき,自らの意見(争点上の立場)を確定していく。このダイナミックな過程では,しばしば個人がどのように新しい情報を取得するかが問題となる。そこに情報伝達の媒体としてのマスメディアやインターネットの役割が注目される理由がある。マスメディアの効果研究の対象である議題設定効果,プライミング効果,フレーミング効果といったテーマはマスメディアが情報を媒介するときの作用のあり方によって,市民の情報取得・判断が左右され,そのことでマスメディアの影響が生じることを実証している。またインターネットは,市民が情報を双方向的にやりとりしつつ,ある立場の世論を推進したり反対する争点公衆issue publicとして活動する(政治参加する)可能性を飛躍的に高めた。争点公衆はその政治参加によってミクロ-マクロ過程に直接関与し,それはインターネット以前から存在したが,その能力をインターネットという媒体が飛躍的に高めたのである。

 このミクロ-マクロ過程をマクロな視点からとらえたノエル・ノイマンNoelle-Neumann,E.の世論研究は,世論を対立的で流動的な多数派形成途上の位相と,決定的な多数派が形成されてほぼ見解が固定した位相を分離して論じた。そして前者の流動的な位相では,多数派の形成において沈黙の螺旋spiral of silence過程が働くと主張する。つまり多数派形成への同調圧力が働き,多数派が意見を主張しやすい一方で,少数派はその意見を口に出しにくくなる。この過程が循環すると少数派はしだいに沈黙を強いられることになる。こうした流動的な位相が終了し,固定的な位相に達すると,世論は規範的な力を獲得する。つまり社会的に「正しい意見」として確立される。

【世論の質の問題】 世論研究では心理的表象としての世論の質が重要な問題の一つである。世上しばしば語られる「愚かな大衆」という語は,市民が世論について知識と判断力を欠いているという見方を象徴している。このことは心理学の視点からは,市民の世論についての知識と洗練度の問題としてとらえられる。そして世論の対象となる争点を詳しく知るにはときに膨大な情報処理能力が必要であることから,そうした能力が十全でなく,そのための時間も欠く市民が,いかにして知識(見識)ある市民たりうるかが,多く検討されてきた。逆にいえば,市民の情報処理能力の負荷が軽ければ知識ある市民への近道が開けるということでもある。

 その第1の近道は,ヒューリスティックとしてのイデオロギー的思考の利用である。保守とリベラルに代表されるように,特定の政治的な価値から体系的に諸種の争点を位置づけるのがイデオロギーであり,あるイデオロギーの支持者は多くの争点にわたって自分がどの立場を取るべきなのか,イデオロギーをヒューリスティックとして用いることで判断しやすくなる。たとえば伝統的には日米安全保障条約に対する立場は,イデオロギーが決まれば立場A,Bのいずれを支持すべきかが容易に選択できる。もっともヒューリスティックであるために間違ったり適用が不適切というケースも考えられる。たとえば環境問題が保革イデオロギーで体系づけられるとは限らない。

 第2の近道は,他者の情報処理能力を利用することである。政治行動のソーシャル・ネットワーク研究の多くは,周囲の他者が有意義な情報を市民に与えることを示してきた。つまり市民は自分より知識の豊富なほかの市民から情報を受容する傾向が高く,そのことによって自分がマスメディアなどから新規に情報を取得し検討する負担を軽減される。実際,世論の動態の中で,市民の日常的な会話のプロセスの重要性が広く実証されてきている。また,市民同士でより広い範囲で議論させようとする熟議政治deliberation politicsの研究と実践が広がっているのは,この第2の道にかかわっている。

【世論調査public opinion survey】 世論を知るための世論調査は多くの民主主義国で定着している。それは,統計学に則ったランダムサンプリング手法を通じて市民の代表性あるサンプルを取得し,この対象サンプルに対して世論の現状を知るための質問紙調査を行なう手法である。面接調査,電話調査,インターネット調査など複数の形態があり,そのそれぞれに一長一短がある。現代世界では世論調査が頻繁に実施され,市民は自分の直感的な感覚ではなく,マスメディアなどで報道される世論調査の結果を知ることによってソシオトロピックな世論の状態の認識を得るようになった。今では世論といえば世論調査を指すがごとくである。しかしながら,調査は知識量で市民を区別するわけでなく(それは規範的な意味で正しくない),また質問方法の違いが回答の分布に差異をもたらすことも知られており,世論調査実施側から見れば,いかにしてこうした問題点を軽減した調査を実施しうるかが問われている。知識を与えたり議論させてから意見を尋ねる,長期に継続して同じ質問をする複数調査間で意見の変化を検討する,など幾多の対策が試みられている。 →同調 →マスメディア
〔池田 謙一〕

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