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世話物【せわもの】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世話物
せわもの
人形浄瑠璃,歌舞伎作品の一分類。時代物に対する呼称。町人社会に取材した作品全般をさす。時代物に比べて様式性は薄く,写実的要素にすぐれる。歌舞伎では世話狂言ともいい,また1日の興行のなかで最初に時代物,次に世話物と演目を構成したことから二番目物などともいう。人形浄瑠璃では,元禄 16 (1703) 年に初演された近松門左衛門の作品『曾根崎心中』が,世話物の最初の秀作。以後近松により世話浄瑠璃の傑作が生み出されたが,世話物の本流は風俗の舞台化に有利な歌舞伎にあったといえる。歌舞伎の世話物のなかで,江戸時代末期の下層社会を描いた作品を生世話物 (きぜわもの) といい,代表作に4世鶴屋南北の『東海道四谷怪談』がある。また河竹黙阿弥が明治の新風俗を描いた散切物 (ざんぎりもの) は,歌舞伎最後の世話物といわれる。

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知恵蔵

世話物
時代物」のページをご覧ください

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

せわ‐もの【世話物】
浄瑠璃歌舞伎で、主として江戸時代の町人社会に取材し、義理・人情・恋愛や種々の葛藤(かっとう)を主題としたもの。歌舞伎では、生世話物(きぜわもの)散切物(ざんぎりもの)も含む。二番目物。世話。⇔時代物

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世界大百科事典 第2版

せわもの【世話物】
歌舞伎狂言,人形浄瑠璃の内容による分類の一つ。時代物に対する称で,江戸時代の町人社会を中心として扱った,当時の現代劇である。上方の世話物は,内容上2系統の作品がある。一つは極物(きわもの),一夜漬狂言などといわれ,巷(ちまた)に起きた心中事件や情痴の果ての殺人事件などを直ちに舞台化した。いま一つは《雁金五人男》《双蝶々》《夏祭》など,相撲取や俠客の義理人情を扱う作品である。当代の世話物をそのまま上演することは禁じられていたので,江戸では一日の狂言の中に一番目の時代事と関連づけて,二番目世話事を演じる形式を採っていた(後世,世話物をさして二番目または二番目物と称するのはこれに基づいている)。

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大辞林 第三版

せわもの【世話物】
歌舞伎・浄瑠璃で、江戸時代のその時々の世相を背景として、市井の事件や著名なうわさ話などに取材し恋愛・義理・人情の葛藤を写実的に描いた作品の総称。二番目物。 ⇔ 時代物

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日本大百科全書(ニッポニカ)

世話物
せわもの
人形浄瑠璃(じょうるり)、歌舞伎(かぶき)脚本の一種別。江戸時代の市井の事件に取材し、町人や農民など一般民衆が中心で劇を運ぶ作品をいう。歴史的な事件に取材し、武家や貴族などを中心とする時代物と対照されるもので、いわば当時の現代劇である。浄瑠璃では近松門左衛門が創作した『曽根崎心中(そねざきしんじゅう)』『心中天網島(てんのあみじま)』などの心中物をはじめ、『夏祭浪花鑑(なにわかがみ)』『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』『新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)』など。歌舞伎では野郎歌舞伎の初期からみられたが、その後江戸では一日一演目を原則とし、一番目の時代物に従属した形で世話物を二番目として上演する形式をとり続け、1794年(寛政6)の並木五瓶(ごへい)作『五大力恋緘(ごだいりきこいのふうじめ)』以後、初めて独立した世話物(世話狂言)もつくられるようになった。なお、演出の様式的なものを「時代世話」とよび、文化・文政(ぶんかぶんせい)期(1804~30)の4世鶴屋南北(なんぼく)や幕末の河竹黙阿弥(もくあみ)などが得意とした。下層の庶民の生活を写実的に描いた作品をとくに「生世話(きぜわ)物」とよぶことがある。[松井俊諭]

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精選版 日本国語大辞典

せわ‐もの【世話物】
〘名〙 浄瑠璃・歌舞伎で、江戸時代の、主として町人社会の出来事や人物に取材した作品。世話。世話事。⇔時代物
※歌舞妓事始(1762)四「時代物、世話物の狂言するに」

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