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不如帰【ほととぎす】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

不如帰
ほととぎす
徳冨蘆花作の小説。家族制度の悲劇を扱った家庭小説で,1898年11月から 1899年5月まで『国民新聞』に連載され,大評判になった。1901年2月大阪の朝日座で,並木萍水脚色,新派秋月桂太郎(川島武男役),喜多村緑郎(浪子役)で初演され,その後いくたびか上演された。柳川春葉が原作に忠実な脚本を書き,それを喜多村が 1908年4月東京の本郷座で好演,原作者をはじめ多くの人々の好評を博した。いわゆる新派悲劇の代表作の一つで,浪子が結核療養中の神奈川県逗子海岸の場は名場面として知られる。後年真山青果も新しく脚色した。

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デジタル大辞泉

ふじょき【不如帰】

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ほととぎす[書名]
(ホトトギス)俳句雑誌。明治30年(1897)松山で創刊。正岡子規主宰。翌年東京に移して高浜虚子が編集。日本派の機関誌として、写生を主唱し、近代俳壇に大きな影響を与えた。現在も続刊
(不如帰)徳冨蘆花(とくとみろか)の小説。明治31~32年(1898~1899)発表。海軍少尉川島武男と妻浪子との純粋な愛情が、封建的家族制度の中で壊されていく悲劇を描いた家庭小説。

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世界大百科事典 第2版

ほととぎす【不如帰】
徳冨蘆花の長編小説。1898年から99年にかけて《国民新聞》に連載,改稿して1900年に刊行。陸軍大将大山巌(いわお)の長女にまつわる悲話に取材したモデル小説として名高い。海軍少尉川島武男と陸軍中将の娘片岡浪子は上流の青年男女として人もうらやむ新婚生活に入るが,やがて肺結核にかかった浪子は,家を至上とする姑や私欲によって結託する紳商,軍人たちによって離婚させられ,〈もう女には生まれてこない〉という叫びを残して死ぬ。

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大辞林 第三版

ふじょき【不如帰】
ホトトギスの異名。

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ほととぎす【不如帰】
(「ホトトギス」と書く)俳句雑誌。1897年(明治30)柳原極堂が松山市で創刊。翌年、発行所を東京に移し高浜虚子が正岡子規らの協力を得て続刊、俳句革新運動の拠点となる。新傾向俳句運動に対して客観写生を唱え、花鳥諷詠の伝統を守り、俳壇の主流を形成して今日に至る。また、夏目漱石らの作品を載せ、写生文の発達に貢献した。
(「不如帰」と書く)小説。徳富蘆花作。1898年(明治31)~99年「国民新聞」連載。若夫婦の幸福な結婚生活が、明治社会の現実の前にもろくも崩壊していく悲劇を描いた家庭小説。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

不如帰
ほととぎす
徳冨蘆花(とくとみろか)の長編小説。1898年(明治31)11月から翌年5月まで『国民新聞』に連載。1900年1月、民友社刊。片岡陸軍中将の娘浪子(なみこ)は、海軍少尉川島武男(たけお)と結婚したが、結核にかかり、家系の断絶を恐れる姑(しゅうとめ)のお慶(けい)によって武男の留守中に離縁される。2人の愛情はとだえなかったが、救われるすべのないまま、浪子は、もう女になんぞ生まれはしないと嘆いて死ぬ。大山巌(いわお)大将の娘信子の実話をモデルに、通俗的ながら女性の弱い立場を訴え、愛を阻む家を間接的に告発している。新派で上演され、明治期屈指のベストセラーとなり、家庭小説の代表作ではあるが、背後に、軍人と結託する商人が描かれており、社会的広がりもある。[吉田正信]
『『不如帰』(岩波文庫) ▽『筑摩現代文学大系5 徳冨蘆花他集』(1966・筑摩書房)』

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