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ローウェル【ろーうぇる】

日本大百科全書(ニッポニカ)

ローウェル(Percival Lowell)
ろーうぇる
Percival Lowell
(1855―1916)
アメリカの天文学者。ボストンの資産家の子として生まれる。ハーバード大学で数学を修め、1876年に卒業。祖父の綿業関係の仕事で1年間ヨーロッパに旅行したのち、実業界で活躍した。東洋への興味から、1883~1893年(明治16~26)外交官の資格で日本に滞在し、日本の人情・習慣・ことばなどを研究し、また朝鮮にも旅行するなどして、紀行文や印象記を4冊著したが、なかでも『能登(のと)』(1891)は日本の民俗をよく記している。小学校時代から天文学への興味をもっていたが、1893年、日本から帰国すると私財をもって天文台の建設にとりかかり、翌年、アリゾナ州フラッグスタッフの標高2212メートルの位置に45.7センチメートルおよび30.5センチメートルの望遠鏡を設置した天文台(ローウェル天文台)を完成、1896年には61センチメートル望遠鏡も備えた。彼はまず火星表面の観測に着手した。1877年の火星大接近の際、イタリアのスキャパレリが火星表面に「カナリ」(水路)を発見していたが、ローウェルはこれを人工構造物とみなし、技術をもった生物の存在を仮想し、その検証に熱意を注いだ。彼の火星に関する知見は1903年までに3冊の著作、1枚の写真としてまとめられ、広く普及した。また1916年に『惑星の発生』を著し、天王星の摂動にかかわる天体は海王星だけでなく、ほかにもう一つの未知の惑星があることを予想した。この惑星は彼の死後1930年にトンボーによって発見され、冥王(めいおう)星と名づけられた。[島村福太郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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