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リン酸カルシウム【リンさんカルシウム】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

リン酸カルシウム
リンさんカルシウム
calcium phosphate
(1) リン酸三カルシウム  Ca3(PO4)2 。第三リン酸カルシウムともいう。リン灰石の成分。また脊椎動物の,歯の成分として広く天然界に産出する。無色無定形物質で,融点 1670℃,比重 3.14。水,アルコールに不溶,希酸に可溶。肥料,リン酸,リン塩の製造,研磨材歯磨き粉,陶磁器の製造,砂糖の脱色などに使用される。 (2) リン酸水素カルシウム  CaHPO4 。第二リン酸カルシウムともいう。無水塩は無色三斜晶系結晶。比重 2.89。水に不溶,酸に可溶。2水塩も知られている。比重 2.31。主として飼料に使われるが,穀物その他の食品にも添加される。ガラスの製造,歯科材料にも用いられる。 (3) リン酸二水素カルシウム  Ca(H2PO4)2 。第一リン酸カルシウムともいう。1水塩が普通で,無色の三斜晶系板状晶。比重 2.22℃。 100℃で脱水し,152℃で融解してメタリン酸カルシウム Ca(PO3)2 となる。水溶性のため肥料として重要で,過リン酸石灰の主成分である。比較的純粋なものはベーキングパウダー,食品などのミネラル強化用に用いられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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栄養・生化学辞典

リン酸カルシウム
 Ca3(PO4)2,CaHPO4,CaH4(PO4)2など.正リン酸カルシウムともいう.諸種の目的で使われるリン酸塩で,動物にカルシウム,リンという二つの重要な栄養素を供給する塩でもある.

出典:朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)

リン酸カルシウム
りんさんかるしうむ
calcium phosphate
リン酸の三カルシウム塩。リン酸三カルシウム、第三リン酸カルシウムともいう。なお、一般には水素塩をも含めてリン酸カルシウムとよぶことがある。
 天然産鉱物としてはウィトロック石が知られているが、通常はフッ化物、塩化物または水酸化物との複塩の形で燐灰石(りんかいせき)として産出する。合成的には、硝酸カルシウムの水溶液とリン酸水素二ナトリウムの水溶液を70℃で反応させてつくられる。このとき1%程度のMg2+またはMn2+イオンを安定剤として加える。無色の結晶性物質でα(アルファ)、β(ベータ)の二つの変態がある。ウィトロック石および前述の合成物はいずれもβ型で、1180℃でα型に転移する。水に溶けないが、長時間水と接触していると徐々に加水分解を受け、不溶性の水酸化リン酸カルシウムCa5(PO4)3OHに変わる。エタノール(エチルアルコール)、アセトンには溶けない。硫酸などの強酸と反応して可溶性のリン酸二水素カルシウム(第一リン酸カルシウム)に変わる。
  Ca3(PO4)2+2H2SO4=Ca(H2PO4)2
   +2CaSO4
 この種の反応は、リン鉱石を水溶性に変え肥料などを製造するのに利用される。[鳥居泰男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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