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リリーサー

デジタル大辞泉

リリーサー(releaser)
動物で、特に同種の他の個体特定の行動を起こさせる要因形態婚姻色などの色彩、鳴き声や匂い動作など。解発因

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

リリーサー【releaser】
解発因とも呼ばれる。動物の生得的な行動を発現させる刺激となるもので,動物の形態,色,発音,におい,動作などのあらゆる特性がリリーサーになりうる。この用語は,動物の行動には内的な動機づけがあり,それが外的な刺激によって解発されるという生得的解発機構の考え方と不可分のものである。 具体的な例をいくつかあげれば,多くのガのが放散するにおい(性フェロモン)は,の配偶行動を促すリリーサーである。雌を求めて飛び回る雄は,このにおいを感ずると発生源に定位し,やがて雌を探し出す。

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大辞林 第三版

リリーサー【releaser】
婚姻色のように、同種の動物に対しその種に固有な行動様式を発現させる刺激。形態・動作・匂い・鳴き声・色などがある。解発因。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

リリーサー
りりーさー
releaser英語
Auslserドイツ語
動物行動学(エソロジーethology)では、「本能的活動または気分(ムードmood)を引き起こす一定の刺激またはその複合体」と定義し、解発因または解発体と訳される。ある時期までは解発因と区別して使われることが多かった社会的解発因social releaserは、「生物体の一定の特徴またはその複合体をさし、同種または異種の個体に働きかけ、それに本能的行動を引き起こすもの」をさしていた。
 繁殖期のイトヨ(トゲウオの仲間)の雄の赤い腹は同種の雄の攻撃行動の、カイコガの雌の出す性フェロモンは雄の性的追跡行動の、ひよこの悲痛な叫び声は母親ニワトリの雛(ひな)に対する救援行動のそれぞれリリーサーである。リリーサーとよく似た用語にサイン刺激(鍵(かぎ)刺激、信号刺激)がある。サイン刺激はリリーサーに含まれるより厳密な概念であるが、現在ではほとんどリリーサーと同義に使われ、区別は困難である。
 動物学者ローレンツは、ある動物の個体がもっている身体的・行動的特性(形態、色彩、音、香り、身ぶり、行動など)が、同種他個体の特定の本能行動の連鎖を発動させている場合、その特性をリリーサーとよんだ。リリーサーは単純でかつ特殊でなければならないという生物学的要求を充足するように方向づけられた淘汰(とうた)圧を受けて進化し、それによって生得的行動が同種個体間で、容易にしかも誤りなく解発されることを保証している。しかし、このことは異種間などでリリーサーの特徴が模倣され、托卵(たくらん)などの擬態とよばれる行動の進化発現をも可能にした。また、親鳥の抱卵行動のリリーサーとしては、自分の卵よりも大きくて目だった模様のある卵がより有効であるというような超正常解発因super-normal releaserの例も多く知られている。人間では、正常なものよりも大きな乳房や瞳(ひとみ)などが性的により強い魅力をもつ。
 リリーサーによる本能行動の発現機構は、ドイツの動物学者ユクスキュルJ. von Uexkll(1864―1944)とローレンツが提唱し、オランダのティンバーゲンN. Tinbergen(1907―88)がまとめた生得的解発機構innate releasing mechanismとよばれる概念で説明された。この仕組みの中核は、動物の神経中枢には特定の行動に対応した特定の刺激(鍵)を認識する感覚系(鍵穴)が遺伝的に存在しているという考えである。リリーサーによって解発される反応の特徴の一つに異質的加重の現象がある。たとえば、メダカの雄の配偶行動は、雌の形や大きさ、運動速度など複数の刺激特性によって解発され、それらが相補的に働いている。誇示displayなどの社会行動の行動型(行動パターン)は、神経興奮の外的表現(叫び声や体色変化など)や、まったく別の行動(羽繕い、摂食など)が仲間個体に対して新しい伝達機能(威嚇、求愛、なだめ、挨拶(あいさつ)など)をもったリリーサーに変容したものが多い。このような本能行動の進化における変容過程を儀式化とよんでいる。[植松辰美]

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精選版 日本国語大辞典

リリーサー
〘名〙 (releaser) 動物で、同種の他の個体に、ある特別の行動を起させる原因となるもの。形、色彩、匂い、鳴き方など。例えば魚のイトヨの雄の腹に出る赤い婚姻色は他の雄に攻撃行動を取らせる要因となる。解発因。解発体。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

リリーサー
解発因」のページをご覧ください

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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