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リスク・リターン分類【りすくりたーんぶんるい】

日本大百科全書(ニッポニカ)

リスク・リターン分類
りすくりたーんぶんるい
投資信託などにおいて、リスクとリターンの関係に基づいて安全性と収益性を段階的に分けた指標。RR分類ともいい、投資信託協会がRR1からRR5までの5段階に分けて違いを表示する。デリバティブ(金融派生商品)などを組み入れ、積極的な値上り益の追求を目的として運用する投信はハイリスク・ハイリターンの群(RR5)、MMF(マネー・マネジメント・ファンド)などのように安定した利回りを目標として運用する投信は群(RR1)とする。1998年(平成10)の投資信託法の改正までは、投資信託の受益証券説明書に、このRR分類を記載することになっていたが、投信法の改正以降、受益証券説明書にかわって目論見書(もくろみしょ)が使用されるようになると、RR分類は客観性に欠けるなどの理由で目論見書に記載できなくなった。しかし、法定開示資料ではない販売用資料であればRR分類を記載することができるので、いまなお投資家の投資判断材料の一つとして広く活用されている。
 一般に資産運用のリターンはもうけ、リスクは元本割れの危険性などと感覚的にとらえられてきたが、金融経済学においては、リターンは平均収益率、リスクは平均収益率からのばらつき度合い(統計学の標準偏差)をさす。リスクとリターンを数値化することで、リスクをとりうる能力(リスク許容度)に応じて、最適なリターンにつながる資産運用の組合せを選ぶことが数学的に可能になった。
 アメリカのノーベル経済学賞受賞者、H・M・マルコビッツはリスクを平均収益率からのばらつき度合い(分散)と定義、相対的に株式はハイリスク・ハイリターンで、預貯金はローリスク・ローリターンであると知られていた経験則を数学的に裏づけた。また運用資産全体(ポートフォリオ)の標準偏差は、各資産の標準偏差の加重平均より小さくなることを証明し、資産の組合せしだいでリスクを抑えながらより高いリターンを期待できる近代ポートフォリオ理論を確立した。金利変動、為替(かわせ)変動、信用、流動性、地政学的要因など、リスクの種類は多いが、各リスクに対して反対方向に変動する(相関係数がマイナス1に近い)運用資産に分散投資することでリスクは下げうることを示した。[編集部]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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