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リクルート事件【リクルートじけん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

リクルート事件
リクルートじけん
1980年代,情報サービス会社リクルート(→リクルートホールディングス)が政界,官界,財界の要人に,子会社のリクルートコスモスの未公開株を譲渡,贈賄罪に問われた事件。1985年から 1986年にかけて,自由民主党の有力者や野党国会議員のほか,労働省や文部省の高官,財界の大物などに対し,本人あるいは秘書名義などでリクルートコスモスの未公開株を譲渡し,店頭公開後に大きな売却益を上げさせた。1988年夏,神奈川県川崎市の助役がリクルートコスモス株の譲渡を受けていたと報道されたことを発端に,事件が中央政界に波及した。その過程でリクルートが政治家に多額の献金を行なっていたことや,政治家主催パーティ券を大量に購入していたことが判明,国民の政治不信が一気に高まった。その責任をとり 1989年6月に竹下登首相が辞職した。リクルート会長の江副浩正をはじめ贈賄側 4人,収賄側 8人の計 12人が起訴され,全員に有罪判決がくだされた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

リクルート事件
リクルートのグループ企業「リクルートコスモス」の未公開株が政治家や官僚らにばらまかれた事件。1988年に川崎市助役への株譲渡が発覚したのを契機に、政界の実力者への譲渡が次々に表面化した。 事件をきっかけに竹下登元首相は退陣に追い込まれた。譲渡先は政界、旧労働・文部両省、NTTの4ルートにまたがり、東京地検は藤波孝生元官房長官ら政治家2人を含む計12人を起訴。いずれも執行猶予付きの有罪判決が確定した。贈賄側の江副浩正リクルート元会長の公判は100人以上の証人が出廷し、13年3カ月を要した。
(2016-12-05 朝日新聞 朝刊 1経済)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

世界大百科事典 第2版

リクルートじけん【リクルート事件】
情報関連企業のリクルート社が,株式譲渡の形で政・官・財界要人に巨額の贈賄を行った大疑獄事件で,1988年(昭和63)に発覚した。リクルート社は1984年12月,子会社のリクルートコスモス社の未公開株約125万株を79名に,86年7‐9月には同76万株を65名に譲渡し,同株の店頭公開(1986年10月)直後の値上がりにより受領者側が合計66億7000万円の利益を得たとされ,その額はロッキード疑獄(ロッキード事件)の3倍にのぼる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

リクルート事件
りくるーとじけん
就職・住宅情報などの大手リクルート社が、事業拡大のため自由民主党の実力者など与野党議員、経済界、マスコミなどの幹部へ、公開後値上がり確実な関連会社の未公開株をばらまいたり、献金をした事件。東京地検特捜部は1989年(平成1)、政界、日本電信電話株式会社(NTT)、当時の労働省、文部省の4ルートにわたって計12人を贈収賄罪で起訴した。政界ルートでは、元官房長官藤波孝生(ふじなみたかお)と元衆院議員池田克也の2人の有罪が確定している。[橋本五郎]

事件の経過

この事件は1988年(昭和63)6月、川崎市助役への株譲渡で疑惑が発覚、東京地検は同年10月のリクルート社元社長室長の逮捕を突破口に捜査に着手した。これと前後して、閣僚級の政治家、高級官僚、財界人がリクルートコスモス株の譲渡やリクルート社からの献金を受けていたことが判明した。閣僚では蔵相宮沢喜一、法相長谷川峻(はせがわたかし)、経済企画庁長官原田憲が相次いで辞任に追い込まれた。捜査当局は、89年2月にリクルート社元会長江副浩正(えぞえひろまさ)を逮捕、3月には、NTT元会長真藤恒(しんとうひさし)(1990年に有罪確定)、元労働事務次官加藤孝(1992年に有罪確定)、元文部事務次官高石邦男らを逮捕した。同年4月には首相竹下登周辺がリクルート社から5000万円の借金をしていたことが明らかになり、竹下が退陣を表明、さらに5月、藤波、池田が在宅起訴されるなど政界に激震が走った。[橋本五郎]

政治的な意義

リクルート事件は直接現金を受け渡しするのではなく、値上がりが確実な未公開株を譲渡するという、もらう側からいえば、いわば「濡れ手に粟(あわ)」の新しい手口で注目された。政治家への譲渡は、自民党の首脳、実力者から将来性のある中堅議員まで含まれていた。その規模の広さは従来の政治スキャンダルにみられないもので、国民の強い政治不信を引き起こした。その結果、1989年7月の参院選で自民党は大敗し、与野党が逆転したが、この事件はその大きな要因となり、後の政治改革論議の糸口となった。
 元官房長官藤波孝生は、受託収賄をめぐって一審で無罪となったが、二審で一転有罪となり上告したが、1999年10月、最高裁は上告棄却の決定を行った。政治家に流れる金を単なる献金とみるか、賄賂(わいろ)と考えるかが焦点であった。最高裁が、その金を賄賂ととらえた二審判決を支持したことのもつ意義は小さくない。[橋本五郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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