Rakuten infoseek

辞書

ラーマーヤナ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ラーマーヤナ
Rāmāyaṇa
古代インドサンスクリット叙事詩。邦訳名『ラーマ王行状記』。7編2万 4000頌の詩句から成る。者はバールミーキと伝えるが,おそらく彼はこの物語編者と考えられる。本編の古い部分は前数世紀の頃に形を整えたらしく,現存の7編のうち第1編と第7編は2世紀頃に増補されたものといわれる。コーサラ国宮廷内の葛藤の史実骨子とし,これに王子ラーマ武勇シーターの貞節,弟ラクシュマナの孝悌ハヌマット忠勇,魔王ラーバナの横暴を配した雄編で,第1および第7編において史的人物のラーマをビシュヌ神の権化としていることは,この史詩に宗教的義を与え,ラーマ崇拝を盛んにし,後世の文学,宗教,思想上に多大の影響を与えた。文体は技巧的で洗練され,後世発達したカービヤという美文体文学作品の起源をなすものとして「最初のカービヤ」 Ādikāvyaと呼ばれている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ラーマーヤナ(〈梵〉Rāmāyana)
《ラーマ王の物語の意》インドの大叙事詩。全7編、2万4000頌(しょう)。詩人バールミキの作。成立は2世紀末とされる。英雄ラーマが猿の勇士ハヌマンらと協力して魔王ラーバナと戦い、誘拐された妻シータを取り戻す物語。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界の祭り・イベントガイド

ラーマーヤナ【Ramayana】
インドネシアジャワ島の古都ジョクジャカルタで開催される行事。世界遺産に登録されているプランバナン寺院群近くの劇場で、古代インドの長編叙事詩「ラーマーヤナ」の舞踊劇を上演する。内容は古代の英雄伝説で、インドのみならず東南アジアでも親しまれている。季節によって、プランバナン屋外劇場かプランバナントリムルティ屋内劇場かのいずれかで行われる。開催は毎月。

出典:講談社
(C)Kodansha 2011.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ラーマーヤナ【Rāmāyaṇa】
《マハーバーラタ》と並ぶ,インドの国民的大叙事詩。〈ラーマの行程〉という意。原文古典サンスクリットで書かれ,7編2万4000詩節よりなる。〈最初の詩人(アーディ・カビādi‐kavi)〉と称される詩聖バールミーキの作と伝えられているが,最終的に現存の形になったのは,おそらく3世紀ころであろうと推定される。 ガンガー(ガンジス)川の中流に位置するコーサラ国の首都アヨーディヤー(現,ウッタル・プラデーシュ州アウド)を統治するダシャラタDaśaratha王には3人の妃がいた。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

ラーマーヤナ【Rāmāyana】
古代インドの大叙事詩。現形はほぼ二世紀末に確定か。バールミーキ編と伝える。ビシュヌ神の化身である王子ラーマとその妃シーターとの波瀾の生涯、魔王ラーバナとの戦いを描く。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

ラーマーヤナ
らーまーやな
Rmyaa
古代インドのサンスクリット大叙事詩。7編、2万4000頌(しょう)の詩句からなる長編で、作者は詩人バールミーキといわれるが、おそらく彼は編者であろう。『ラーマーヤナ』とは「ラーマ王行伝」という意味で、古代の英雄ラーマ王に関する伝説は、紀元前数世紀のころすでに形を整えたらしいが、現存の形になったのは2世紀末であろうといわれる。現存の第1編と第7編は2世紀ごろに付加されたもので、原形は第二編から第六編までであったと考えられる。コーサラ国の王子ラーマの武勇譚(たん)を主題とし、貞節な妃シーターの危難、弟バラタの孝悌(こうてい)、猿(えん)族ハヌマットの活躍、魔王ラーバナの暴戻を配したものであるが、第一編と第七編で、史的人物たるラーマをビシュヌ神の権化とし、多くの挿話を加えていることは、この史詩に宗教的意義を与えて後世ラーマ崇拝を流行させる因をなし、後世の文学、宗教、思想上に多大の影響を与えている。
 文体は技巧的で洗練され、後世発達した美文体作品の起源をなすものとして、「最初のカービヤ」とよばれている。古典サンスクリット文学のなかには、この文章を模し、あるいはその内容をとって題材としたものが多く、仏教やジャイナ教の文学にも影響を与えている。近代インド諸方言文学にも、その影響は広く認められる。『ラーマーヤナ』の普及は、インド文化の国外への伝播(でんぱ)に伴い、南方では、ジャワ、マレー、タイ、安南、カンボジア、ラオスの諸国に及び、劇化、舞踊化あるいは影絵芝居に仕組まれ、美術、彫刻などの優れた作品も残っている。北方では、チベット、ホータンにもあるが、中国では『六度集経(ろくどじっきょう)』や『雑宝蔵経(ぞうほうぞうきょう)』などの漢訳仏典に含まれ、仏教説話の形をとっている。これらの漢訳仏典を通して日本にも伝わり、鎌倉時代の仏教説話集『宝物集(ほうぶつしゅう)』には、この物語が含まれている。また、奈良朝の舞楽である度羅楽(どらがく)は南方伝来と考えられるが、構成する4種の舞は、名称も内容も『ラーマーヤナ』からとったと思われる場面からなっている。[田中於莵弥]
『田中於莵弥訳『世界文学大系4 インド集 ラーマーヤナ(抄)』(1959・筑摩書房) ▽岩本裕訳『ラーマーヤナ(1)』(平凡社・東洋文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ラーマーヤナ
(原題Rāmāyaṇa 「ラーマ王子行伝」の意) 叙事詩。七編二万四〇〇〇頌。バールミーキ作と伝えられる。現形は二世紀末ごろ成立。インド古代の英雄ラーマ伝説。ビシュヌ神の権化として生まれた王子ラーマは妻のシーター妃を魔王ラーバナに奪われるが、猿軍の助けで魔軍を破り妃を救出し都に凱旋、王位につく。多くの神話や説話類を包含し、東南アジア諸国の演劇・舞踊・美術などに強い影響を及ぼしている。中国には仏典によって伝わり日本へも伝来、「宝物集」などにその概略が収められている。

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

ラーマーヤナ
Rāmāyaṇa
古代インドのサンスクリットで書かれた長編叙事詩
作者はバールミーキ(Vālmīki)といわれる。コーサラ国の王子ラーマが,悪魔にさらわれた愛妃シーターを救出して王位につき,やがて昇天してヴィシュヌ神にかえるという,英雄ラーマの伝説を基礎として発展したもので,前数世紀ごろ成立。追補を加えて現存の7編となったのは2世紀ごろである。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ラーマーヤナ」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ラーマーヤナの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.