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ユリシーズ

デジタル大辞泉

ユリシーズ(Ulysses)
ギリシャ神話英雄オデュッセウスのラテン語名ウリクセス(Ulixes)がルネサンス期にウリッセース(Ulisses)となり、それを英語読みにしたもの。
ジョイス長編小説。1922年刊。ホメロスの「オデュッセイア」に枠組みを借りて、ダブリン市に住む中年の広告取りブルームの一日を、「意識の流れ」の手法を取り入れ実験的文体を駆使して描いたもの。20世紀文学の記念碑的作品とされる。

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世界大百科事典 第2版

ユリシーズ【Ulysses】
アイルランドの作家J.ジョイスの長編小説。1922年パリで出版。ホメロスの《オデュッセイア》を下敷きにし,3部18章に分かれ,その各章がこの伝承のそれぞれの挿話に対応する主人公,象徴,文体をもつようにくふうされ,日時および場所も1904年6月16日の朝から夜半までのダブリンに限定されている。この中にうごめく3人の主人公,すなわち文学青年スティーブン・ディーダラス,中年の広告取りレオポルド・ブルーム,その妻モリー・ブルームは,それぞれ《オデュッセイア》の主人公テレマコス,オデュッセウス(英語名ユリシーズ),ペネロペに対応している。

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Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

ゆりしーず【ユリシーズ】

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大辞林 第三版

ユリシーズ【Ulysses】
○オデュッセウスのラテン語名ウリクセス Ulixes の英語表記。
ジョイスの長編小説。1922年刊。ホメロスの「オデュッセイア」を下敷きとした緻密な構成によってダブリンの1日(1904年6月16日)を再現した壮大な喜劇。内的独白、音楽的技法、パロディなど、およそ考えられるあらゆる文体を駆使した二〇世紀最大の小説。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ユリシーズ
Ulysses
アイルランドの小説家 J.ジョイスの小説。 1922年パリで出版。表題はホメロスの『オデュッセイア』の主人公オデュッセウスの英語名で,この古代叙事詩を枠組みとして用いる。主人公レオポルド・ブルーム,その妻マリオンそしてスティーブン・ディーダラスは,それぞれオデュッセウスと妻ペネロペイア,息子テレマコスに対応する。 18の挿話に分れ,ダブリンにおける 1904年6月 16日から翌日にかけてのわずか1日間の出来事を扱う。「意識の流れ」の手法をはじめ,きわめて多彩な技法を大規模に用いていることで知られ,ドス・パソス,V.ウルフ,T.ウルフ,フォークナーらに影響を与えた現代小説の最高峰の一つ。

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ユリシーズ
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ユリシーズ
ゆりしーず
Ulysses
アイルランドの小説家ジェームズ・ジョイスの長編小説。初めアメリカの雑誌『リトル・レビュー』、イギリスの雑誌『エゴイスト』に一部が連載され、検閲の目を避けて、パリで1922年に刊行。ダブリンに住む中年のユダヤ人広告業者レオポルド・ブルームの、1904年6月16日の24時間を『オデュッセイア』の枠組みに当てはめて描いたもの。神話の壮大な英雄とは逆の、卑小で滑稽(こっけい)で悲しい寝取られ男ブルームが精神上の子を求める彷徨(ほうこう)と、テレマコスにあたるスティーブンの精神上の父を求める散策とが交錯し、女の豊饒(ほうじょう)そのものを象徴するブルーム夫人モリー(いわば貞節でないペネロペイア)の夢の独白のなかに吸収される。
 この作品は全体が3部に分かれ、挿話が18に分かれている点では、原型を忠実になぞっている(連載時には各挿話に「漂流する岩」「風神(アイオロス)」などのような『オデュッセイア』と同じ題がついていた)。第1部はスティーブンを、第2部はレオポルドを中心にしており、第3部は2人の邂逅(かいこう)を扱っている。そして細部に至るまで原型をパロディー化しながら照応させている。それ以外に『さまよえるユダヤ人』『ハムレット』などの原型も利用しており、エリオットのいうように(「『ユリシーズ』秩序、神話」〈1923〉)「神話を用いて現代と古代の間の一つの持続的な平行関係において、現代史の空虚と混沌(こんとん)に秩序を与える」神話的方法とよぶことができるし、また「間テクスト的な(インターテクスチュアル)」技法を極限まで用いたものとみることができる。
 このような大きな枠組みを設定したうえで、文体の実験は壮絶なもので、婦人雑誌、教義問答、使徒信経、叙事詩、あるいは英語文体史のパロディーというぐあいに英語のあらゆる次元に挑んでおり、言語技術面での名人芸とともに構想の雄大さにおいて、小説ジャンルに衝撃的な革命をもたらした。とりわけ最後のモリーの独白の切れ目のない文体は、次作『フィネガンズ・ウェーク』を示唆するものといえよう。小説のみならず文学全般の領域を著しくひろげ得た、目覚ましい業績である。[出淵 博]
『丸谷才一・永川玲二・高松雄一訳『ユリシーズ』全3巻(1996~97・集英社)』

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精選版 日本国語大辞典

ユリシーズ
[一] (Ulysses) ギリシア神話の英雄オデュッセウスのラテン名ウリクセス(Ulixes)が、文芸復興期にウリッセース(Ulisses)となり、それを英語読みにしたもの。また、その英雄を主人公とした長編叙事詩「オデュッセイア」の英語名。
[二] (原題Ulysses) 長編小説。ジョイス作。一九二二年刊。(一)にならい、ダブリン市の平凡な広告業者ブルームが、二四時間のうちに経験する、外的および人間の内部に潜在する生活と回想のすべてを精細に記録した形式をとる。「意識の流れ」の描写によって二〇世紀前半のイギリス小説の画期的作品といわれる。

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