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メタボリックシンドローム

デジタル大辞泉

メタボリック‐シンドローム(metabolic syndrome)
内臓の周囲に脂肪がたまり、それに加えて高血糖高血圧高脂血・高コレステロールの症状のいくつかを複数併せもつ状態。放置すると、糖尿病動脈硬化心筋梗塞などを起こす。メタボメタボリック症候群内臓脂肪症候群代謝症候群
[補説]腹囲による判断基準もあるが、標準とする数値は世界各地でばらばらで、科学的根拠は薄いともいわれる。→特定健康診査・特定保健指導

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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朝日新聞掲載「キーワード」

メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満の人が、高血圧、高血糖、高脂質のうちいずれか二つ以上を併せもった状態。糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなる。厚生労働省によると、40歳以上の中高年では男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム、または予備軍とされている。
(2010-10-10 朝日新聞 朝刊 山口 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

生活習慣病用語辞典

メタボリックシンドローム
2005 年に、今までの「マルチプルリスクファクター症候群」「シンドローム X」「死の四重奏」という言葉で説明されていた概念が統一化された名称のことです。生活習慣病の肥満 (内臓脂肪型肥満) をベースに、高血圧、高脂血症、糖尿病が相互に合併しやすいとする概念で、これらが合併することで動脈硬化がより加速度的に進み、脳卒中や心筋梗塞といった重大な病気へと発展してしまうリスクの高い状態をいいます。

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家庭医学館

めたぼりっくしんどろーむ【メタボリックシンドローム】
 心筋梗塞や脳梗塞のような動脈硬化による病気の危険性が高い状態で、内臓脂肪型肥満、高血糖、高血圧、高脂血症のいずれかを合わせもっています。
 2005年の診断基準によれば、ウエスト径が男性85cm以上・女性90cm以上で、高血糖(空腹時血糖値110mg/dℓ以上)、血圧高値(130/85mmHg以上)、血清脂質異常(トリグリセリド値150mg/dℓ、またはHDLコレステロール値40mg/dℓ未満)の2つ以上をもつ人が診断されます。

出典:小学館
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大辞林 第三版

メタボリックシンドローム【metabolic syndrome】
代謝症候群の意
肥満・高血糖・高中性脂肪血症・高コレステロール血症・高血圧の危険因子が重なった状態。複合することによって糖尿病・心筋梗塞こうそく・脳卒中などの発症リスクが高まる。高カロリー・高脂肪の食事と運動不足が原因。メタボリック症候群。

出典:三省堂
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

メタボリックシンドローム
metabolic syndrome
心臓病(→虚血性心疾患)や糖尿病脳卒中や特定の種類のを引き起こす危険性の増大と関連があるとされる,脂質代謝に異常をきたしている病態。1988年,アメリカ合衆国の内分泌学者で,インスリン抵抗性を冠状動脈性心疾患 CHD(→冠状動脈硬化症)の主要危険因子として特定したジェラルド・リーベンが,こうした状態をシンドロームXと名づけ,当初はそう呼ばれた。メタボリックシンドロームの診断基準値は国ごとに独自に設定される。日本では 2005年以降,腹囲が男性 85cm以上,女性 90cm以上であり,(1) 高トリグリセリド血症 150mg/dl以上かつ,または,低HDL-C(コレステロール)血症 40mg/dl未満,(2) 収縮期(最大)血圧 130mmHg以上かつ,または,拡張期(最小)血圧 85mmHg以上,(3) 空腹時高血糖 110mg/dl以上,のうち 2項目以上に該当する場合,と定められた。日本人の死因の 3分の1を占める心臓病と脳卒中の原因とされる動脈硬化(→動脈硬化症)を進行させる危険因子には高血圧(→高血圧症),喫煙,糖尿病,脂質異常症(→高脂血症),肥満(→肥満症)などがあり,それぞれの程度が低くても,複数が組み合わさることによって心臓病や脳卒中を引き起こす危険が高まる。そのため 2008年から生活習慣病に着目した特定健康診断・特定保健指導(→健康診断)が義務化され,腹囲の測定が検査項目に加わった。日本では約 27%がメタボリックシンドローム該当者および可能性がある者に該当する。メタボリックシンドロームを起こす大きな要因とみられるインスリン抵抗性を発症すると,組織はインスリンに対して無反応になり,結果としてブドウ糖(→グルコース)を蓄えることができず,血糖値は下がらない。インスリン抵抗性を引き起こす原因は,肥満や進行性脂肪栄養障害症(リポジストロフィー),運動不足,遺伝的要素などである。メタボリックシンドロームは,炭水化物や脂肪の過剰摂取など質の悪い食生活によって悪化したり,多嚢胞性卵巣症候群,睡眠時無呼吸症候群脂肪肝とも関連があるとされる。中等症者,重症者は薬物治療が必要になることがある。改善には定期的な運動と減量,また不飽和脂肪酸の多い食物をとることが有効である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

メタボリックシンドローム
めたぼりっくしんどろーむ

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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六訂版 家庭医学大全科

メタボリックシンドローム
(生活習慣病の基礎知識)

 メタボリックシンドロームとは、食べすぎ、運動不足などの不健康な生活習慣を続けることで、腸のまわりに内臓脂肪が過剰に蓄積し、この内臓脂肪から悪玉生理活性物質(アディポサイトカイン)が多く分泌されたり、善玉の生理活性物質(アディポネクチン)が減少することにより、高血圧、脂質異常、高血糖が生じた状態をいいます。

 メタボリックシンドロームは、これまでの健診の考え方と根本的に異なります。これまでは、検査の数値の異常度で評価してきました。つまり、中性脂肪は200㎎/㎗より400㎎/㎗のほうが重症という値の高低を問題としていました。メタボリックシンドロームでは、正常範囲(基準範囲)を超える項目がいくつ存在しているのかを問題とします。これまでは「軽度」(レベル1)の異常はいくつあっても、軽度の異常ということで重要視されていませんでした。しかし、それぞれが軽度の異常であっても3つ、たとえば腹囲、高血糖、高血圧と3つそろえば1+1+1となり、これが単独のレベル3の異常(重症)に匹敵することがわかってきたのです。

肥満者の増加

 男性の肥満者が増加しています(図9)。

 美味しいものを食べ、動かずにテレビを見ながらごろごろしていたい。さらに自由時間も、趣味を楽しむ時間も減ってストレスが増える一方です。これらは複合的に影響して、内臓脂肪がたまって肥満となります。

内臓脂肪を減らす必要性

 メタボリックシンドロームの該当者とは、内臓脂肪型肥満(腹囲が男性 85㎝以上、女性90㎝以上)に加え、高血糖、脂質異常、高血圧の3つのうち2つ以上を合併した状態で、予備群とは内臓脂肪型肥満に加えて3つのうち1つを合併した状態です(図10)。

 メタボリックシンドロームの該当者・予備群は複数のリスクが重なることにより、心筋梗塞や脳卒中を発症する可能性が非常に高くなるとされています。メタボリックシンドロームは、運動量の不足や過食をはじめとする好ましくない生活習慣に原因があると考えられています。運動量の増加と食事の改善により、内臓脂肪を減少させてメタボリックシンドロームを改善し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを軽減することが期待できます。

①運動と食事改善の併用が効果的

 内臓脂肪蓄積の指標となる腹囲の1㎝減少は、約1㎏の体重(大部分が脂肪)の減少に相当します。体重を1㎏減少させるためには、運動によるエネルギー消費量の増加と食事改善によるエネルギー摂取量の減少を合わせて約7000k㎈が必要です。たとえば1カ月かけて腹囲を1㎝減少させるためには、1日当たり約230k㎈が必要となります。その構成は、食事2:運動1の割合が実現しやすいとされています。すなわち食事では約160k㎈を減らし、運動・身体活動を約80k㎈分実施することとなります。

 巷にはさまざまな食事療法が紹介されていますが、米国の調査では、厳しいやり方では、5~6割程度の人しか1年間ダイエットを続けられませんでした。しかも血圧、血糖には効果がみられなかったという論文が発表されました。理論的な食事内容でも自分に合わなければ意味がなく、厳格な内容より、どれだけダイエットを続けられるかのほうが重要だという結論でした。

 一般に、運動のみで体重を減少させるのに比べ、食事改善と合わせて行ったほうが体重の減量がしやすく、内臓脂肪の減少量も大きくなります。そこで、運動に加えて「食事バランスガイド」など(図11)を参考に食事の改善を行うことにより、内臓脂肪の減少量を大きくすることが可能となります。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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メタボリックシンドローム
(代謝異常で起こる病気)

 糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病は、お互いに合併しやすく、肥満、とくに内臓肥満が密接に関わっています。これらの疾患は単独でも動脈硬化を促進し、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患の発症を、健常者に比べて2~3倍増加させます。そしてこれらの疾患の合併は、その危険性をさらに数倍増加させるのです。この点の注意喚起を促す意味で、肥満あるいはインスリン抵抗性をベースにしたこれら生活習慣病の合併は、古くはシンドロームX、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群あるいはマルチプルリスク症候群と呼ばれてきました。

 また、脂肪組織は古くはエネルギーを貯蔵する倉庫とのみ考えられてきましたが、最近になり脂肪細胞は多くのホルモンやサイトカインと呼ばれる生理活性物質(アディポサイトカインと総称される)を産生し、糖・脂質代謝や血圧調節に重要な役割を果たしていることが明らかになってきました(図14)。

 たとえば、レプチンやTNF­α(アルファ)はインスリン抵抗性をもたらします。一方、アディポネクチンは、インスリン抵抗性を改善して糖・脂質代謝を改善するばかりでなく、血管を拡張させて血圧を低下させるのですが、肥満者や糖尿病患者や高血圧患者では低値であることが明らかにされています。このような背景から、内臓肥満に起因するさまざまな代謝異常の集積を、最近では世界的にメタボリックシンドローム(代謝症候群)と呼ぶようになっています。

 2005年に日本動脈硬化学会をはじめとする8学会が、日本におけるメタボリックシンドロームの診断基準を策定し、発表しました。表18に診断基準を示します。内臓肥満があることが必須項目とされ、厳密にはへその高さで腹部CT写真をとり、内臓脂肪面積が100㎠以上であれば内臓肥満があると判定します。ただし、日常臨床の場では、立位で軽く息を吐いた状態で、へその高さで腹囲(ウエスト周囲径)を測定し、男性では85㎝以上、女性では90㎝以上を内臓肥満ありと判定します。そのうえで、脂質異常症・血圧高値・空腹時高血糖の3つの異常のうち2つ以上を合併するとメタボリックシンドロームと診断することになります。皆さんはいくつ異常を持っているか、チェックしてみてください。

 これらの異常の一つ一つは軽微でも、複数の異常が集積することにより、動脈硬化がより進行し、脳卒中や心筋梗塞などの心血管系疾患をひき起こす危険性が飛躍的に増加することが重視されています。実際、北海道の端野・壮瞥町の男性住民を追跡した検討では、メタボリックシンドロームがあると、そうでない人に比べて心血管系疾患が1.8倍起こりやすいことが報告されています。

 2016年国民健康・栄養調査によると、20歳以上において、メタボリックシンドロームが強く疑われる人の比率は、男性27.0%、女性10.0%、予備群と考えられる人の比率は、男性24.1%、女性8.2%でした。40~74歳でみると、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドロームが強く疑われる人または予備群と考えられます。2007年の少し古い推計になりますが、メタボリックシンドロームの該当者数は約1070万人、予備群者数は約940万人、併せて約2010万人と推定されています。厚生労働省はこのような状況に鑑み、2008年からメタボリックシンドロームに焦点をあてた「特定健診・特定保健事業」を開始しています。国をあげてメタボリックシンドロームを診断・管理・治療し、5年後、10年後の心血管系疾患を減らそうとする壮大な試みということができます。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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