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ミサイル防衛計画(米国の)【みさいるぼうえいけいかく/べいこくのみさいるぼうえいけいかく】

知恵蔵

ミサイル防衛計画(米国の)
ブッシュ米政権が2001年5月1日に公表した弾道ミサイル防衛(BMD)計画。クリントン政権時代の米本土弾道ミサイル防衛(NMD)計画、海外米軍と同盟国を短・中距離弾道ミサイルと巡航ミサイルから守る戦域ミサイル防衛(TMD)計画という区分を廃止し、あらゆる場所であらゆる種類のミサイルの攻撃に対応できる各種システムの研究開発と配備を行う。これに伴い同年12月13日、ABM条約の一方的破棄を公表、ロシアに通告して02年6月13日に同条約は失効した。新ミサイル防衛(MD)構想は弾道ミサイルの発射から着弾までの飛翔を、上昇・加速段階のブースト区間(セグメント)、ロケット燃焼後に大気圏外を弾頭やオトリが慣性で飛翔する中間段階のミッド・コース区間、目標に向けて大気圏に再突入する終端段階のターミナル区間に分け、その各々で迎撃する層状防衛(レイヤード・ディフェンス:layered defense)方式。特定のシステムを特定の期間内に研究開発・配備するのではなく、実現可能なものから同盟国の参加も募り、諸外国との調整を行いながら配備を進める。NMDは中間区間(GMD)、TMDは終端区間の地上配備型、海軍のNTW(海上戦域)は加速上昇区間と中間区間、空軍のABL(機上レーザー)は加速上昇区間の迎撃システムとなる。04年10月1日から中間段階迎撃用の地上配備型迎撃ミサイル(GBI)とNTW用のスタンダードSM-3迎撃ミサイルの配備を開始し、当面はアラスカとカリフォルニアにGBIを合計44発、海軍のイージス巡洋艦・駆逐艦18隻にSM-3を合計132発配備する。GBIはポーランドと(または)イギリスへの配備が計画されている。チェコには早期警戒・追尾用のXバンド・レーダーの配備も計画され、これら東欧諸国への配備にロシアが強く反発しているが、ロシアはアゼルバイジャンに旧ソ連が設置した弾道ミサイル早期警戒レーダーを米ロで共同運用する構想を米国に提案し、米側は技術調査団を送るなど一応の対応を見せている。ABLは開発が遅れ、09年の弾道ミサイル迎撃実験の成果を見てから実戦配備の可否が決定される。
(江畑謙介 拓殖大学海外事情研究所客員教授 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

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