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ベリリウム

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ベリリウム
beryllium
元素記号 Be ,原子番号4,原子量 9.012182。周期表2族に属する。 1797年 L.-N.ボークランによって初めて発見,分離された。ベリリウムの資源鉱物は緑柱石酸化ベリリウムを 11~13%含む。地殻における存在量 2.8ppm,海水中の平均濃度 0.002 μg/l 。単体は銀白色金属で,融点 1285℃,比重 1.84,硬度6。性質は一般にマグネシウムアルミニウムに似ているが毒性が強い。高温では展性延性がある。靭性,電気伝導性,弾性などが大きいので,銅との合金として電気,機械部品に広く用いられる。X線管球の窓材に用いられるほか,中性子吸収率が非常に低いので,原子炉構成部品材や宇宙船の構造材料としても使用される。多くのすぐれた特性をもった金属であるが,生産量は少い。精錬や加工にも多くの手間がかかり,公害防止のために膨大な設備投資と広大な土地を必要とするため高価である。

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デジタル大辞泉

ベリリウム(beryllium)
金属元素の一。単体は銀白色の軽金属。硬くてもろいが、高温で展性・延性がある。天然には緑柱石ベリル)として産出。有毒で、粉塵(ふんじん)の吸入により肺の障害が起こる。軽合金材料、原子炉の減速材などに利用。元素記号Be 原子番号4。原子量9.012。

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世界大百科事典 第2版

ベリリウム【beryllium】
周期表元素記号=Be 原子番号=4原子量=9.01218地殻中の存在度=2.8ppm(45位)安定核種存在比 9Be=100%融点=1278℃ 沸点=2970℃比重=1.85電子配置=[He]2s2 おもな酸化数=II化学記号Be。周期表の第IIA族アルカリ土類金属に属する元素の一つ。天然に緑柱石beryl(ベリル)3BeO・Al2O3・6SiO2,ベルトランド石bertrandite 4BeO・SiO2・H2Oの主成分として,1797年フランスのL.N.ボークランがこの石の中から発見,1828年F.ウェーラー塩化ベリリウムをカリウムで還元して,初めて金属を得て,緑柱石にちなんで命名した。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ベリリウム【beryllium】
金属元素の一。 2 族に属するが、普通アルカリ土類金属には入れない。元素記号 Be  原子番号4。原子量9.012。天然には緑柱石として産出する。銀白色の金属で展性・延性に富み、軽合金の材料や原子炉の減速材などに用いる。有毒で、皮膚・肺などを侵す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

ベリリウム
べりりうむ
beryllium
周期表第2族に属し、アルカリ土類元素の一つに含められる場合もある。マグネシウム以下のアルカリ土類元素と違い、地殻中にあまり広く分布していない。わずかに数種の鉱物中にみいだされるにすぎない。もっとも重要なものは緑柱石Be3Al2(SiO3)6であり、ほかにフェナサイトBe2SiO4などがある。1797年、フランスのボークランは緑柱石から新しい酸化物(すなわち酸化ベリリウム)を単離した。これが甘味のある塩(たとえば塩化ベリリウム)を与えることから、その成分である新元素に、甘いを意味するギリシア語のglucusにちなんで、グルサイニウムgluciniumの名を与えた。しかし甘い塩は他の元素にもあることがわかったため、緑柱石のギリシア語beryllosにちなんでベリリウムとよぶようになった。1828年にドイツのF・ウェーラーが、塩化ベリリウムを金属カリウムで熱還元することによって、初めて金属単体を得ている。[鳥居泰男]

製法

緑柱石を融解後、酸とアルカリで処理して水酸化ベリリウムを得、焼いて酸化物に変える。これをフッ素化してフッ化ベリリウムBeF2として、約1000℃でマグネシウム還元する。また、酸化物を塩素化して塩化ベリリウムBeCl2とし、塩化ナトリウムを加えて融解電解する。1300~1400℃で減圧蒸留して精製する。[鳥居泰男]

性質

銀白色のかなり軽い金属で、きわめて硬くもろい。空気中では常温で表面に酸化物の薄膜ができるため灰白色を呈するが、これが内部を保護するため、酸化はそれ以上進まず、よく磨いた面は長く光沢を失わない。高温では速やかに酸化され、粉末状であれば燃えて酸化物BeOを生ずる。酸化被膜の保護作用のため、水とは100℃でも反応しない。希塩酸や希硫酸には水素を発生して溶けるが、硝酸には不動態化して溶けない。アルミニウムと同様に水酸化アルカリに溶け、いわゆるベリリウム酸イオンを生ずる。[鳥居泰男]

用途

銅、ニッケル、鉄などとの合金の材料としての用途が主要なものである。またX線管の窓、原子炉における中性子減速材などに用いられる。金属ベリリウムとその化合物は有毒で、皮膚や肺を侵すので取扱いには注意を要する。[鳥居泰男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ベリリウム
〘名〙 (beryllium)⸨ベリリューム⸩ 原子番号四の元素。記号 Be 原子量九・〇一二一八二。単体は銀白色の金属。天然には緑柱石・金緑石などとして産出。名前は緑柱石のギリシア語名 berullos に由来する。有毒。合金材料、原子炉の減速材などに利用する。〔稿本化学語彙(1900)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

ベリリウム
ベリリウム
beryllium

Be.原子番号4の元素.電子配置1S22S2の周期表2族元素.原子量9.01.安定同位体は 9Be.ほかに3種の放射性同位体がある.1798年L.N. Vauquelinにより緑柱石中に見いだされ,1828年F. Wöhler(ウェーラー)が塩化ベリリウムをカリウムで還元して,はじめて金属を遊離した.Vauquelinと相前後してM.H. KlaprothやH. Davy(デイビー)らもエメラルド,緑柱石を分析しており,Klaprothは緑柱石berylからベリリウムを,DavyはVauquelinが提案した酸化物名glucinaをもとにグルシニウムを提案したが,1949年に至ってIUPACがベリリウムを選択した.
天然には,緑柱石(ベリル)3BeO・Al2O3・6SiO2として産出する.地殻中の存在度1.5 ppm.フッ化物のマグネシウムによる還元,または塩化ベリリウムの融解電解で得られる.銀白色の六方晶系の金属.六方最密格子構造.融点1280 ℃,沸点2970 ℃.密度1.85 g cm-3(20 ℃).常温でもろく高温で展性,延性がある.空気中では表面だけが酸化される.高温では酸素,窒素,炭素,硫黄,リン,ホウ素,ケイ素,セレン,テルル,ヒ素,ハロゲンと直接化合するが水素とは反応しない.水とは表面に酸化物皮膜をつくるだけで反応は進まない.塩酸,硫酸には水素を発生してベリリウム塩をつくり溶けるが,硝酸には侵されにくい.アルカリには水素を発生して溶け,水酸化物を生じる.
ベリリウムとその化合物は有毒である.中性子の減速材,X線管の窓用や軽合金の成分などに用いられる.銅との合金はベリリウム銅として高強度ばね材料に用いられる.また,ベリリウムの合金は軽くて強いので,ミサイル,宇宙船,航空機などの構造材,ジャイロスコープ,コンピューター部品などに用いられる.[CAS 7440-41-7]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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